第六話 敵機、襲来
第六話 敵機、襲来
望月「私達は抹殺されてしまう未来を防ぐために、テクノロジーを人類の手に取り戻すの」
琴音「人類の手に....取り戻す.....」
望月「理解したかしら....」
望月の懸念は妥当だ。これから背中を預ける味方が、敵と話せば分かり合えるだなんて考えていては、預ける物も預けられない。これは命のやり取りなのだ。
望月「わかったなら、部屋に入って」
「....もう休むから」
望月が、一歩下がって距離を離す。
琴音「.....引き留めて....ごめん」
望月「ええ」
望月は、先ほどとは打って変わって、ごく自然に落ち着いた様子で自室へと入っていった。
琴音も、支給されたカードキーを用いて、自動スライド式のドアを、潜り抜け自室へと入る。
殺風景な部屋だ。
室内は真っ白。温度は適温。不快感はない。
ベッドに横たわり、身を沈める。今日一日の疲労を優しく、揉みほぐしていく。
琴音は今日あったことを反芻し始めた
琴音「私....やっとパイロットになったんだ....」
嬉しい、達成感。
しかし、もう訓練ではないこと。
命のやり取りが始まることを、意味する。
唐突に、候補生時代にとある噂を聞いたことを思い出した。
ERVのパイロットは若くして死ぬ。
そういう噂だ。
そもそも、軍部はパイロット育成を始めてまだ数年。長くパイロットを続けている人も少ないために、比べることもできないものの....
望月も....琴音自身も。
それを考えるのは怖かった。
考えれば考えるほど、深い穴の底に引き摺り込まれる様で、怖い。
そして自分が何のために戦えばいいのかも、琴音の中では、まだはっきりしていなかった。
琴音「私 どうしたいんだろう」
わかっている。このままでは、人類は抹殺されてしまうかもしれない。
人類は二極化する。昔、そういうことを言った人がいたらしい。全く、その予言通りになっているではないか。
琴音「テクノロジーを民主化する.....か」
琴音は、まだ確固たる思想を持っていない。
16、7の年若き乙女が、思想など持っていようか。この歳の乙女は、いつかの時代では学業やクラブ活動に勤しんだり、恋愛をしたりするものだと、本で読んだことがある。
琴音には、とても遠い世界の話の様に思えた。
ふと、静寂が訪れる。
琴音「望月さんに....後で謝っておこうかな」
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突如 艦内にけたたましくサイレンが鳴り響いた。
琴音「これ.....敵襲だ!!」
琴音は部屋を飛び出す。着替える必要はない。
室内を飛び出すと、望月も廊下へ飛び出していた。窓際に張り付いている。
艦の外では、敵機らしき白い球体の群れが複雑にフォーメーションを変化させながら、ガルディオンにまとわりついている。20機ほどだろうか。
瞬間、複雑に張り巡らされたレーザーの網が機体に直撃する。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
敵のレーザーの攻撃が直撃し、艦内が揺れる。襲撃のサイレンと、直撃の鈍い振動が、同時に艦内を非常事態へと移行させている。
琴音「ッ.....!敵の直撃が!」
望月「早く、準備して!」
艦内の騒音値の高さから、自然と大声になる。
琴音「それって....!」
望月「出撃よ!」
第七話へ続く




