第二話 ERV-27-2 ヴァルキュリオン
第二話 ERV-27-2 ヴァルキュリオン
その時、黒く巨大な輸送機が現れた。
後方のハッチが開き、両肩をショルダーロックで固定された、機体が出現。
純白のERV。
それが、青空をコントラストにして出現した。
軍需企業 CYCLOPS
世界最大の軍需企業の企業ロゴが、ショルダーロックに刻まれている。
機体のロックが解除され、両肩のホルダーが同時に重い音を立て解除され下ろされた。
機体は自由落下を開始。
同時に、巨大なマシンガンも固定器具から発射され、地上へ向かって降下を開始した。
そして、巨大なマシンガンは噴射口を縦にして衝撃波を軽減し噴射が止まり、地上にて衝撃を軽減させ、ズシン と重い音を立てて倒れた。
やや遅れ、機体が自立制御により噴射口を調整しつつ体勢を制御し、衝撃を大幅に軽減させ着地した。
機体は体勢を変化させ、パイロットを受け入れるべく、ひざまずく体勢へと移行した。
琴音「これが....私の機体....
ERV...ヴァルキュリオン」
全長27mほど。
全身純白の装甲を纏っている。
降下したERVが、装備と共に敵機を跨いで前方50mほど先で待機している。
同時に、数機の戦闘機も飛んできて、敵機への射撃。弾幕を張る。敵機が怯んでいるが、分厚い重金属の装甲には傷一つついていない。
琴音「ッ....!」
琴音は迷わず、ERVへ向かって走り出した。
後ろで轟音が響いているが振り向かない。
琴音が近づくと、自動的に機体が手のひらを地面に下ろし、琴音がその上に飛び乗る。
胸元のハッチへと滑らかな動きで寄せられる。
ハッチがゆっくりと開き、暗室が出現した。
琴音はそのままコクピット内へ入り、シートに腰を叩き落とした。
コクピット内に入ると、ハッチがシューッと空気音を鳴らしつつゆっくりと閉鎖され、最後にガチャッと音を立て押し込まれ施錠される。
琴音「訓練通りやればいい.....」
「起動準備.....!」
次の瞬間、コクピット内の操縦系のシルエットを照らす様に操縦系のタッチパネルと、ディスプレイが起動。
すると、機体が起動プロセスを開始し、ホログラムディスプレイが側面に展開された。
機体が起動プロセスを開始している。
パイロットの感応波の接続。
パイロットと機体のシステムが接続され、全天モニターに、荒れ果てた街の景色が映る。
「起動準備完了」
ゴオオオオオオオオオン
起動準備が完了し、機体が低い唸り声をあげ始めた。
正面のディスプレイのUIに
《SYSTEM READY》と表示されている。
琴音「....これは.....実戦だ....!」
「ヴァルキュリオン、起動!」
ERVが完全な起動を完了し、機体頭部のバイザーが緑色に鋭く光った。
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戦闘機の弾幕に怯んでいた敵機が、移動を開始しこちらに向かってくる。
敵機との距離は50mほど、一直線の公道で向かい合っている。
ERVが起動し、立ち上がった。
手をグーパーと動かしてみる。
琴音「操作は....問題ない」
感応波の暴走はなし。システムのサポートも、上手く機能している様だ。
琴音「武器は...!」
先ほどの投下されたマシンガンがすぐ足元にあり、咄嗟に琴音はそれを掴み上げる。
《WEAPON LINK ESTABLISHED》
モニター内に、マシンガンがシステム操縦系に接続されるUIが表示された。
1秒未満で瞬時にリンクが完了し、残弾や薬室の温度まで完璧に表示される。
琴音「見る限り、相手は人じゃないんだ....」
「戦える!!」
マシンガンを手にし、操縦系のトリガーを引く。機体が同時にカチンと重いトリガーを引き、マシンガンを撃ち始めた。
ダダダダダダダダダダダダ
機体全体が揺れて、コクピット内に物凄い衝撃と轟音が響く。
弾丸が、敵機の装甲に連続して命中。
敵機はそれでもなお、衝撃に逆らいこちらへ進行を続ける。
敵機のカメラがグッとこちらを見据えている。
敵もレーザーを撃ち放ってくるが、琴音の機体にあたっても頑丈な装甲に覆われている機体は全く動じていない。
今はただ、撃つだけで頭が一杯だ。
ジリジリと加熱した銃口から硝煙が上がる。
薬莢が、足元の民間の車両の上に雪崩れ落ち、車両が大破する。
そして、敵機が地面に落下した後、琴音の前方で大きく爆散し、周辺の建造物や車両が爆音と共に瓦礫と化した。
琴音「...倒した....の....?」
初めての初陣で、敵機を倒した。
ドドドドドドドド
琴音「く...ッ!!!!」
突然琴音の背後、上空に現れた敵機から重い射撃をくらう。
軽減されてるとはいえ、衝撃で機体全体が大きく揺れ、体制を崩すも、片足を突き出し姿勢を保った。
敵機は追い討ちをかける様に、レーザーを発射する。
琴音は、銃撃から逃れる様にその場を素早く離れ、建物の影から影へ走り抜ける。
琴音「敵が飛んでるなら、こっちも飛ぶしかない...!」
「飛行準備!!」
琴音の声に反応し、ディスプレイ側面のUIが変化した。
《JET SYSTEM READY》
訓練でも教わった通り、機体背面にあるジェットシステムを使って上空で戦うことが可能で、ほぼ全てのERVに装備されている。
1秒ほどで、ジェットエンジンは低い振動を発生させ、燃料を最大限に爆発、爆音と共に噴射を開始。
上空へジェット噴射で飛び出した。
地上の瓦礫が吹き飛ぶ。
琴音「訓練通り飛んだ...!」
弾幕が追い立てる様に迫る。
旋回し、マシンガンにより弾幕を張りつつ、ジェット噴射を最大パワーで噴出し、一瞬で敵機との距離を急接近した。
「っ!!!」
体の内部が揺れる様な負荷を感じ、狼狽える。これでも軽減されているのだ。
上空に旋回した敵機へ向けて、激突。
分厚いマシンガンを敵機に挟み込み、敵機の動きを抑えつつ、ジェット噴射を緩めることなくそのまま上空を駆け上がる。
圧倒的な馬力。猛烈な上昇気流と轟音を響かせ機体は駆け上がった。
琴音「ッ......!!!!」
上空を100、200、300、400mと駆け上がりながら、同時にマシンガンを敵機の頭部に押し当て銃口を引く。
敵機に連続で撃ち込む。
琴音「おちろおおおおおお....!!!!」
敵機がバチバチと異音を立て始めるも、上昇を止めず、撃ち続ける。
そして、銃弾を満遍なく撃ち込んだ後、敵機の上空へ飛び上がり、上体を真下にして静止し、真下に地上を見下ろす。
敵機は異音を立てつつ数秒の間を置き、昼間の空を照らすほどの爆発を起こし、爆散した。
琴音「勝った...澪さん、やりましたよ!」
「訓練の成果!!ちゃんとありました!!」
戦いは終わった。
そう思った、次の瞬間
ドドドドドドドド
遠方から無数のレーザー攻撃が飛来する。躱わすことができず、機体に攻撃をもろにくらい機体が大きく揺れバランスを崩す。
琴音「ま、まだ...終わってないの!!」
初陣で2機撃破。上出来だ。
しかし、2機はおそらく単なる無人機。
それでも琴音は慣れない戦闘で既に疲弊寸前だ
琴音「いや、やるしかない...!」
いつでも来いと、操縦系を強く握りしめた。
その時だった
琴音の背後から、複数のレーザーの束がグネグネと曲がりつつ、光速の速さで敵機の群れを撃ち抜いていった。
琴音「......!あれは!」
新たな味方と思わしきERVによる攻撃だ。
旋回している敵機めがけ、バラバラに動く的を正確に撃ちぬいていく。
エンジンを狙われた無数の敵機らが墜落し、大きな爆発を起こし、そのまま落ちていった。
琴音「あの機体...ヴィルゴディーネ?」
琴音の機体と同じ様な純白のボディ。
そして機体が装備しているライフル。
あれが、先ほどの敵機の群れを一瞬で撃ち落とした追尾式ライフルだ。
間違いない あの装備は
琴音「......望月....さん」
そして乗っているのは候補生時代の同期、軍部に直接起用された天才だった。
そして、琴音の憧れの人だった。
望月「待ってた...琴音」
:第三話に続く




