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第16話 エルーナ様の鉄拳最強説

いつも読んでいただきありがとうございます

 昨日の夕方に町に潜ませた部下からオルナマイト侯爵一行が街に入ったと連絡を受け昨夜から徹夜で峡谷の隘路をふさぎ終えたのが今朝のこと。その丸太の前で二人の男が話をしている


「はぁー。面倒な命令を受けたもんだな」


「はは、隊長は大変ですな」


「お前は気楽でいいな。俺は成功させなきゃ下手をしたらこの首が飛ぶんだぞ」


「まあ、あの方もライバルを蹴落とすのに必死なんですよ」


「それはわからんでもないが金が回らんからといって重税を課しに課して絞りとりゃ住民は夜逃げして取れるもんも取れなくなるわな」


「隊長がそれ言っていいんですかい?反逆罪で裁かれますよ?」


 男の軽口に隊長と呼ばれた男がため息を吐く


「はぁ。どうせみんな思ってることだ。それにあの方に仕える中で誰が隊長職をやりたがる。俺を売り飛ばせば次は自分かも知れないってみんな思ってるから密告なんぞせんだろ」


「そりゃ違いねえです。まあ、この隊は隊長がいるからこそ纏まってるんで。他の隊は略奪、暴行なんざ、当たり前らしいですぜ?」


 隊長と呼ばれた男は他の隊の餌食になった者たちに憐憫を抱くが気持ちを切り替える


「しかし、こうしてみると全員野盗だな」


 隊長と呼ばれた男が回りを見る

 周りの部下たちは無精髭が生え疲労が色濃く残る顔をよごしているので野盗にしか見えない

 かろうじて隊長と呼ばれているこの男だけは顔に精悍さが残り厳つい体躯が騎士の名残を残すがさっきから軽口を叩いている部下の男なぞどこかの世紀末にでてくるような巨漢で悪人面だ


「いっそ、全員、このまま野盗に身を落としやすかい?」


「馬鹿言え。一応、俺たちは誇りまで捨てちゃいないさ」


 隊長と呼ばれた男は肩をすくめる


「そういえば捕まえた行商やら旅人に手は出してないだろうな?」


「ええ。それはもうしっかり言い聞かせてありやす。まあ、捕まった奴らには申し訳なかったんで掘立小屋の中でちょっとばかしの酒とつまみは与えておきやした」


「ならいい。ただなあ・・・」


「まあ、事が終わればだれかが掘立小屋のカギを開けてやればいいんですよ」


 部下の男が親指で自分を指さしている


「・・・そうだな。助かる」


「いいってことですよ。捕まえた連中、全員連れてこいなんて末路が見えてますし、それをやっちまったら俺たちの最後の誇りが無くなっちまいますよ」


 悪人面の部下の顔がニカリと笑うがその顔はとてもではないが善人には見えない

 隊長の男はこの男の心根は優しいが外見で損をする場面を部下にしてからというもの嫌というほど見てきているだけにただ苦笑いするしかない


 この部下は落とし物を拾って渡してやれば強盗と間違われ転んだ子供を抱き起してやれば人攫いと間違われ、警備で見回れば、警備をする者を呼ばれ散々な目にあっている


 これで顔が男前ならきっと今ごろはいい家庭を築いているだろうなと思う


 と、そんなことを思っていると物見の部下が走ってこちらにやってきた


「隊長!来ましたぜ!」


「よし。なら上の連中にも知らせてやれ」


「へい!」


 隊長の男の指示に物見の男は走って丸太を飛び越えると後方から崖の上の登り口へと走っていった。一応、崖の上には弓兵などの人員を配置し侯爵一行が通り過ぎたところで丸太や岩を落とし退路を断つ作戦だ。物見から連絡を受けてからしばらくして部下の男が口を開く


「・・・隊長、なんだかおかしくありやせんか?」


「何がだ?」


「いや、連絡を受けてから馬車が来ないし・・・。あれ?二人こちらに歩いてきやすね。子供と女?」


 部下の困惑ぶりに隊長と呼ばれた男も前からくる二人組に首を傾げる


「ふむ。そこの者とまれ!」


 だが、隊長の男の声でも二人が止まることはなくすたすたとこちらに歩いてくる


「止まれと言っている!止まらなければ斬るぞ!」


 そこで隊長の男が腰から剣を抜くとはじめて二人はその場にとまる

 エルフと子供?アンバランスな組み合わせに困惑する

 それは隣の部下の男も同じようで顔をこちらに向ける。その目はどうしますか?と言っている


「おい。坊主、そっちのエルフと一緒にこっちにこい」


「おう。そうだ。決して悪いようにはしないぜ」


「ね、姉さんに手をださないで!」


 子供がエルフの女を一生懸命にかばう

 なんとなくエルフの女が呆れたような顔をしているのは気のせいだろうか


 可哀そうだと思うが部下の男に連れてこさせるように目で合図をする


「へへへ。大丈夫。俺は胸ぺったんこにゃ興味がねえんだ。姉ちゃんには手をださねえよ」


 その言いっぷりに隊長の男が顔に手を当てため息を吐く


「はぁ。言い方ってもんがないのか、あいつは・・・」


 と、つぶやいた瞬間怒号が響く


「だれが!胸ぺったんこよ!」


 その瞬間、部下の巨漢の男の顔面にエルフの女の鉄拳がめり込み、見事な三回転縦回りで顔面から地面に部下の男が落ちる


「もう!エルーナ作戦台無し!もういいや!」


 子供がそういって両手を前にだした瞬間、隊長の男は耳からバンと音がしたのと同時に痛みと音が聞こえなくなるのを感じ少したってから全身に走る打ち据えられたような激しい痛みに意識を手放すことになった



 いやー!すごいね!エアーボム

 粉塵が収まって周りを見てみるともう死屍累々よ?


 なんか、前でなんか言ってたやつなんて壁にめり込んでるね

 全員、耳から血が流れてるから鼓膜が破れてるかな


 崖の上はっと。立ってる人間いないね。気配はありそうだから後で上も確認しなきゃ

 あ、もう耳栓はいいや


「・・・あんた、やりすぎよ」


 いやいや。そもそも作戦台無しにしたのエルーナだからね!

 胸ぺったんこってほんとのこと言われたからって・・・痛!


「うるさいわね!ぺったんこじゃないわよ!」


 すぐ殴らないでよ!って、エルーナも耳栓外してたのね

 そういえばさっきの男生きてるか?

 すごい勢いで縦回転で回る男なんて初めて見たわ。エルーナの拳の威力どんだけなの?


 まあ、とりあえず色々確認しますかね


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