第11話 ランバスさんとお話し
いつも読んでいただきありがとうございます
気持ちを落ち着けていざお話再開
「襲われはしましたがグレッド様たちのおかげで我々は助かりました。本当にありがとうございました」
いえいえ。もう気にしないで。ほんと・・・
「そういうわけにも参りません。ところでグレッド様、先ほどご身分をお聞き損ねましたので改めてお尋ねしてもよろしいですか?」
貴族かどうかってことね。うーん。ちらっとアルトを見る
アルトが頷いて後を引き継いでくれるみたい。さすが頼りになるね
「主とのお話に割って申し訳ございません。まずはそちらのご家名をお伺いしてもよろしいでしょうか」
アルトがすらすらと尋ねる
「ふむ。たしかアルト殿とおっしゃられましたな」
「はい。グレッド様の配下のアルトと申します。乳母兄弟ですがそのように扱ってください」
「アルト殿はしっかりしておられますな」
ランバスさんがアルトに感心してるよ
「アルトってあんたよりにしっかりしてるわよね」
もうエルーナはうるさいな!そんなことは自分が一番わかってるよ!
「ふむ。名乗るのは構いませんがそうですな・・・。先にグレッド様に身分を明かしていただくことできませんかな?」
ふーむ。一種の駆け引きだな。ランバスさんの試験ってところか
なんで駆け引きだって?
考えてみてよ。俺たちリスクないのよ?
助けたから宿に泊まらせてもらってるだけで身分を明かす必要ないんだもん
それでも先に名乗るのは礼儀かもしれないけど隠してる身分を明かそうとするのは違うよ。それを相手の話に乗ってほいほい喋るようじゃ迂闊だよね
ここはエアネール王国内じゃないんだし悪意のある相手なら間違いなく俺たち殺されるか利用される立場だから先に名乗るわけにはいかないんだよ
宿で接待して恩を着せ断りずらい状況を作って条件をつけるか。初歩の交渉術だな
さてさてアルトはどうでるかな?
「では、私どもとあなた方の縁はこれにておしまいとさせていただきたいと思います」
お?アルト強気だね!ランバスさんの目が細くなってるよ?
「それで構いませんか?グレッド様」
うん。ナイスタイミング。というか本当、君5歳か?中身、遣り手の企業戦士じゃないか?
俺の前世の部下なんてこんな阿吽のパスなんて出してくれなかったぞ
「ああ。構わない。ランバスさん、ユレア短い間だったけどありがとう。エルーナ行くぞ」
優しくユレアの手を解き席をたつ。ごめんな泣きそうになってるけどここは引けないんだ
「え、ええ」
慌てるエルーナを他所に部屋の扉に手をかけた時にランバスさんが声をかけてきた
「はは。わかりました。私の負けでございます。腹の探り合いは無しにしましょう。もう試すような真似はいたしませんのでもう一度戻っていただけませんかな?」
よし、一応ランバスさんの目には叶ったかな。なんでこんな腹の探り合いをするかって?
簡単に乗ってくるようならその程度とみなして利用する。でもきちんと駆け引きができる相手ならお互いが手を携えるに値する相手として信用できる。交渉のあいさつみたいなもんだよ
これくらいで話に乗ってくる相手ならランバスさんは嘘の立場を喋って金を渡してバイバイだったかもね。最悪利用してポイッするつもりだったんだよ。ランバスさんもシビアだね
とりあえずもう一度、席に座りなおすとエルーナがほっとしてるね
ユレアも今度は離さないとばかりにしっかりとしがみついてるよ
てか締め付け強すぎない?ちょっと痛いよ
まあ、もっと難しい試練を与えてくるかと思ったけど一応見た目は子供だから加減してくれたかな
「まずは無礼を謝らせてください。申し訳ありません」
「いえ、こちらこそ大変無礼な態度をとりました。申し訳ありません」
ランバスさんが謝るとなんか恐縮しちゃうんだよね。なんというか抗えない貫禄をまとってる感じ?でもここはしっかり謝っておかないとね
「しかし、グレッド様といいアルト殿といい本当にお嬢様と同じご年齢ですかな?」
それよく言われます。特にそこでジト目で見ているエルフさんにね!
「まあそれはさて置きまずは我々から自己紹介いたします。我々はクルタイ王国にお仕えしておりますオルナマイト侯爵家の者です。こちらにおられるユレアお嬢様はご当主様のご息女になられます」
侯爵家ときたか。やっぱりな、そんな気がしたよ
こんな立派な宿を貸し切れるくらいだからね
それにユレアといいランバスさんといい纏っている気品がうちの親父と違う
あ、こっちの世界のね。前世の親父?覚えてないな
「ちょうど領地に戻る途中でウェザーモンキーに襲われたんですよ。そしてあなた方に助けていただいたわけですな」
なるほどね。まあ、要件について尋ねるのはこっちもウェザーモンキーの件もあるし避けた方がよさそうだ
「こちらこそ。お助けできて良かったと思います
あらためましてグレッド=アルバインです。エアネール王国にお仕えしておりますドルーア=アルバイン男爵の嫡男になります。こちらはアルト、私の信頼できる兄弟であり側近でございます」
ユレアがしがみついてるから右手を胸にあてて座礼でユレア、ランバスさんの順に挨拶をする。主はユレアだしね。でもエアネール王国の本来の礼は左手を胸にあてるんだよ
「あんたそんなきっちり挨拶できるのね・・・」
見直したように言わないでよ。堅苦しいのが嫌だけなの!
「これはご丁寧にありがとうございます。ところで態度は先ほどみたいにお願いできませんかな。ユレア様も構いませんか?」
ユレアも頷いてるしそれで構わないか
「分かりました。堅苦しいのが苦手で助かります」
「いえいえ。それはこちらも同じこと。ところでなぜこのような遠いところに?」
うーん。答えるべきか答えぬべきか難しいところだな。まあでも腹の探り合いはやめにしたしここは正直に答えるか。アルトもうなずいてるしそうしよう
「簡単に言えば拉致されたんですよ」
「えっ?」
「驚かれるのも無理はありません。私の母が後妻なんです。まあ、腹違いの弟ができたので私はあえなく用済みということです」
「なんと・・・」
まあ。さすがにランバスさんも驚くか
「父上は王都に行っておりますから知らないかもしれませんが弟ができてから私を見る目が困っておりましたから。どうお考えになられてるやら・・・」
「ふむ・・・そうですか。差支えなければこの後どうするか教えていただけませんか?」
うーん。そこなんだよね。どうしようか・・・
一応このままやられっぱなしも気に食わないから戻ってもいいんだけどアルバインってあんまり裕福じゃないんだよね
「私としては戻らなくて・・・ごほん。戻ろうかと思います」
戻らなくてもいいといいかけたらアルトがすげー睨んできたよ!
別にあんなところ戻らなくてもいいじゃん
物心ついた時からあの継母さんだぜ?親父にかわいがられた記憶なんてないもん
「そうですか。ところでエアネールとトイシムルの国境で小競り合いが起きてるのはご存じですかな?」
「「え?」」
まじで?まあ、トイシムルであんな砦つくって拉致、略奪してればそりゃ険悪なのはわかるけど・・・。ランバスさんがニヤッとしたのをみたよ?
「ふむ。その様子だとご存じなかったと見える。今は戻らない方がいいですぞ」
うーん。さて、どうしましょうか・・・
ん?ユレアのしがみつきが強くなったぞ
てかさっきから腕の血管絞めつけられて腕の感覚がおかしいんだけど
「そうですな・・・ああ。思い出しましたぞ」
ん?なんだろ。今のランバスさん超わざとらしかったよ?
「もうひとつ噂話を拾いましてな」
なーんか嫌な予感がする・・・
アルトも同じで難しい顔をしてるぞ。あいつあんな顔もできるのね
将来女の子泣かすなよ
「エアネール王国で処刑が行われたという噂はご存じですかな?」
・・・うわぁ。もうすでに流れの展開が読めてきた。聞きたくないな
「いえ、その処刑された方はどなたですか?」
うん。もうアルトも分かったっぽい。あの表情はもうあきらめだ
ランバスさんは目をつむりうんうんと頷いたよ。もうこの人なにが目的だ?
「アルバイン男爵です」
ですよねー・・・
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