宇宙開発戦争
その日のテレビ局は小さな国の情報を集めようと、ハチの巣を突っついたような騒ぎになった。
『日本、赤月へのロッケット打ち上げ成功、赤月の有人調査、軌道エレベーターの建造プロジェクト始動、赤月の資源調査完了、赤月と地上への輸送経路の確立。そして惑星アルノフへの調査船派遣を発表した。』
「騒がしくてすみません。」
「いえ構いません、こちらこそ護衛なんて物騒な者を連れてきたのですからお互い様ですよ。日本国宇宙開発研究所見学の書類です。」
「いやあ、これまで一切侵入できなかったのにこう簡単に入れるとなると肩透かしを食らった気分です。」
「あの犯罪都市以外に、我が国へ他国の人間が足を踏み込むのは難しい、技術流出を恐れていますからね、けれどもそれ以外ならどんな情報が洩れても気にしないそんな国です。そもそもこれまで工事中でしたしね。」
実際は青月の古代遺跡の調査を優先、いやこれは少し未来に一般公開されるだろう。何より日本が暁を征服する前に有人探査を行えば悲惨なことになっただろうしな。そう考えていたのは、地球の人間だ。
「現地の注意事項の確認良いですか?」
テレビ局の人間が口を開く。
「ええ構いません。まず首都は壁で覆われ、その内部で護衛と一緒であれば、私有地以外なら自由に見て回れます。案内できる範囲は指定しますが、行きたい場所があれば政府の人間が交渉します。」
それに答える地球人、そろそろ失礼しますと会釈し、放送局を出る。
「宇宙開発の特集組むぞ。」
「「はい。」」
スタッフが慌ただしく走り出す。
「今回の日本の赤月有人調査により、宇宙開発は新たな進展を見せました。そもそもなぜ宇宙開発は停滞していたのでしょう、コルスさん。」
「そうですね、赤月を取り囲む小惑星による高難易度と、何より青月より距離が離れており、経済的に青月の開発が優先されたと言った所ですね。」
「青月への到達、資源衛星として活用する事により宇宙開発の熱は冷めたと言いますしね。」




