まったり日本紹介(実況動画風)
学校帰りの青年が、タブレットの電源をつける。
選択したアプリはアルマニカ合衆連邦に本部を置く世界最大の動画共有サービス。
いくつもの動画の中から一つを選び、観覧を始める。
「まったりマルサと、」
「こっそりリウムの、」
「「まったり兵器紹介、まったりしていってね。」」
二つの頭だけの、饅頭のようなキャラクターが、画面の端で跳び跳ねる。
「今回紹介するのは、日本の独自兵器、戦闘機と潜水艦だぜ。」
日本の白い旗に、赤丸一つの国旗が写し出される。
「ねえねえマルサ、日本って何処よ。」
「そうか、結構新しい国だから、リウムが知らないのも無理ないんだぜ。じゃあ最初は日本の説明をしよう、だいたい私達の国の南下に位置する島国だぜ。」
表示されるアガル大陸の地図、赤く塗られたのが日本だろう。
「お隣さんじゃない、こんなところに国が出来たのね、知らなかったはマルサどんな国なの?」
「アルマニカ合衆国の同盟国で、天皇て言う王族が納める国だぜ。」
リウムが疑問を言い、マルサが解説すると言う形の動画のようだ。
「王族って言うと、オオルド帝国みたいに独裁ってイメージがあるけど、そこのところどうなのマルサ?」
民主主義勢力に属する人間は、どうしても王族イコール独裁ポイと感じている。それゆえの疑問だろう。
「天皇は首都以外の統治に興味がないから、自由だぜ。」
「へえ、良かったじゃない。」
「それが問題なんだぜ。」
「何で?」
「自由過ぎて法がちゃんと機能せず、首都以外は汚職と犯罪がはこびる悪徳の町だぜ、そのせいでアルマニカ合衆国への麻薬の経路になったり、マフィアと市長が癒着したり、粗悪な武器が溢れて旅行に行くなら命を覚悟するレベル何だぜ。」
「ダメじゃない。」
佐渡島と対馬に作られた都市の話をしているのだろう。
「次は首都の話をしていくぜ。」
「嫌な予感がするはマルサ。」
「そんな事はないんだぜ。」
能登半島の写真、巨大な壁に囲まれた日本の表向きの首都、そこにはどこかSFチックと言うか、近未来的な町並みが広がっていた。
「待ってマルサ、日本って実在する国なの、CGとかじゃなくて実際の町並み、これが他の日本の都市の画像はないの?。」
「佐渡島と対馬の写真だぜ。」
情報化時代らしい都市が二つ、どちらも無数のビルが並ぶ、この世界の先進国の都市でよく見られる光景だ。
「普通ね。勿論発展しすぎているけど、さっきに比べたら普通ね。」
「リウムが驚くのも無理ないんだぜ、制作者も何度デマかどうか確かめたものか、そして本当だと知ってさらに驚いてたぜ。」
メタイ発言を交えて話す。
「どうしてこうなったの?」
「実はこの国、人族系の古い王族の血を引く一族が資金を集め、技術者や研究者の避難、多くの難民を集めて建国されたんだぜ。」
「つまり?」
「商売で大量にお金を手に入れた王族が、集めた研究者とただただ研究の為の国を作ったんだぜ。起動エレベータを作って最新の王宮を作ると張り切ってるような王族だからこうなるのも納得なんだぜ。」
「起動エレベータって宇宙に行く?」
「そうだぜ、すでに計画され、資金が動いてるぜ。」
「すごい国ね日本。」
呆れたように呟くリウム。
「まだ驚くには早いんだぜ、実はこの日本、学生の衣食住を提供し、学費も0才から22才までは無料、日本の研究者になることを選べば生涯の生活が保証されるぜ。」
「え?うちの国の義務教育って16歳までじゃなかったけ。0才から教育が始まるの?」
「ああ、子供を預けられる施設が無料で使えるし、幼稚園位には教育プログラムが組まれるぜ。そのせいで子供が捨てられる事も多いらしい。」
絵本の読み聞かせや、勉強用のおもちゃなどの画像が表示される。
「ちなみに勉強内容は、他の先進国の義務教育レベルまで学習したら、好きなことだけ学べるんだぜ。」
「なにそのいたせりつくせり、そして生涯雇用お金ってあるところにはあるのね。」
「そろそろ終わるぜ。」
「でもそれだけ技術力があるなら、兵器も期待できそうね。」
「フフフ。」
「え?」
マルサの不適な笑い声、戸惑うリウム。
「「まったりしていってね。」」




