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氷室の野望(仮)第弐巻 ~立志編~  作者: 和音
本編

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41 続きからはじめる(1570年12月2日 織田家)【立て直し】


『1570年12月2日 織田家――』 織田信広(誠人)



ログインすると、そこは岐阜城の大広間だった。


そこには、

美濃大垣城の城主柴田勝家と城代の前田利家。

佐和山城城主の池田恒興。

長浜城の城代、羽柴秀長

観音寺城城主の丹羽長秀。

清須城城主の村井貞勝。

そして直臣の安藤守就、稲葉良通、黒田官兵衛。


計9名の武将が居た。


「やはり東、京方面はいまは放っておくべきです」

長秀が言う。

「某も同意にございます。やはり徳川の動向が掴めませぬ」

貞勝。


どうやら今後の方針を協議しているようだ。

正直、信長の死亡でよく織田家が瓦解しなかったと思う。

顔には出せないけど心底そう思う。

俺には彼らを率いる能力も魅力も無い……。

この組織は姉ちゃんが居たから成り立ってたんだし。


「殿。御裁可を」

勝家が此方を見て言う。


ぐっ……。

ログインしていきなり『決めろ』と言われてもですね……。


「お待ちください」

官兵衛が横から口を挟んできた。

正直助かった。


「信長様が討たれてからわずかひと月でございます」

続けて

「今は浅井家との関係深化と、家臣団含め体制の立て直しが優先と存ずる」

官兵衛が言う。

守就も頷いている。


まさにその通り。


「東が危ういならば、徳川を攻めるのもよろしいのでは?」

良通がトンデモ策を言う。

「待たれよ、徳川家には徳様が……」

恒興。


その通り。

というより、姉ちゃんは徳川家に居るはずだ。

攻めるという選択肢は、無い。(キッパリ)

となると、やはりコレしかないか……。


「申し渡す」

あ、ちょっと痰が絡んじゃった。


コホンと咳をしたのち

「まずは各々領地の安定を最優先とせよ」

そして

「貞勝」

「はっ」

貞勝が此方を向いて両手をついてわずかに頭を下げる。

「徳川家へ遣いを出せ」

「ははっ」

「手を切るならばそれでもかまわぬ。

それならば亡き信長様の遺児である徳を戻せ、と」

「ははっ!」

「そうでないなら……どこかで会いたい、と」

そう言うと貞勝は目を見開き

「殿が、でございますか?」

「そうだ。三河か尾張あたりで家康と会って話がしたい」

「ははっ!承知いたしました」

村井貞勝が深く頭を下げる。


続けて

「官兵衛」

「はっ!」

「武田家の中に話が出来る者は居るか?」

「……居ります」

「なら、内々で話をつけてくれ。話がしたい、と」

「承知いたしました」

黒田官兵衛が深く頭を下げる。


更に続けて

「秀長」

「ははっ」

「朝廷へ渡りをつけてくれ。官位を受け賜わりたい」

「……はっ」

「信長様亡きあと、今の織田家に無いのは権威だ」

「……」

「公家を利用する。

帝の行方は知れないが、その御捜索含めて掛かり(費用)は織田家でもつ」

「なるほど」

「頼むぞ」

「承知仕りました」

羽柴秀長が深く頭を下げて言った。


「最後に」

そして一人の武将へ目をやり

「恒興」

「はっ!」

「長政殿へ、近いうちに岐阜城へご足労頂きたい旨を伝えてくれ」

「ははっ!」

「浅井家とは手を取り合っていかねばならぬ」

「承知!!」

恒興も頭を深く下げて言った。


そして全体を見て

「皆はそれぞれ領地へ戻り、まずは安定をはかってくれ」

「「ははーっ!」」



さて。

これで一旦の方向性は決めた。

とはいっても、まずは安定化だな。

徳川と武田がどう出るか……それ次第でログアウトして姉ちゃんと相談かな。



こうして織田家の評定が終わった。




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