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氷室の野望(仮)第弐巻 ~立志編~  作者: 和音
本編

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39 続きからはじめる(1570年12月2日 徳川家)【再降臨】

更新が遅くなり、すみませんでした(汗。


シャワーを浴びてサッパリとした誠人は、猛烈な勢いでナポリタンを平らげた。


なんせ数年ぶりの洋食だ。

コーヒーの香り。

炭酸飲料ののど越し。

そしてパスタの味。

人というのは味覚に対してここまで欲に駆られるのかと感心させられる飲み&食べっぷりであった。


そして一息ついたのち、私と誠人は再びヘッドセットを被り、ゲームチェアへ腰掛けた。


誠人は当主・織田信広として。

私は徳川家へ。


「行こう」

誠人が言う。

「うん」


そう言って私たちは再びログインした。




--------------------------




身体全体がズドンと椅子に押し付けられた感覚がきた。

そしてログインした私は恐る恐る目を開いた。


そこは何となく見慣れた板の間。


床の間に目をやると、『▷』『▷▷|』のアイコンと、

『1570年12月2日 徳川家――』

の文字。

御所事変で織田信長として討死してからおおよそ一ヶ月後だった。


さあ、私は誰だ?


まずは左手の指先にある『△』のアイコンを目力クリックした。

ウインドウが開きそこに表示されたのは――


氏名:亀姫(10)

統率:29

武力:15

知力:87

政治:81

魅力:69


うわっ!!

まさかの「亀姫に再降臨」である。


知力と政治は信長だった頃のパラメータを引き継いでいるようだ。

10歳でこれは、ものすごい天才児である。

統率と武力はおこちゃま。

そして魅力は大人への途上のためかな。


では次。

ここはどこだ……?


スタスタと歩いていき、雨戸を開ける。

するとそこには、見た事のある風景が広がっていた。

連なる山並みがあり、遠くには冠雪した富士山。


頭上を見上げると

『岡崎城』

の文字。


やはり。

始めてこのゲームにログインした時と同じ、三河の岡崎城だった。

そして同じく、猛烈に寒かった……。


あまりの寒さに雨戸を閉めると、元いたところに戻り座った。

そしてしばし頭の中を整理する。



私は再び、家康の娘である亀姫として徳川に舞い降りた。

徳川はいま、東に武田と今川を相手に東進を試みている。はず。

西の織田とは同盟中。

但し、リアルに戻った時に誠人から聞いた情報では、京での御所事変が起こるとすぐに家康は三河へ戻った。

織田との関係性については不明だ。


まずは現状の把握。

織田家との関係性と徳川家の方針を確認しないといけない。

なんせ相手は「狸」だ。

信長亡きいまのこの情勢下、どう動こうとしているのか。


そして、もう一つ。

どうしても確認したいことがあった。

それは、家康の嫡男である信康の嫁、五徳こと徳姫だ。


リアル、現実世界で出会ったレストランの店員。

それは徳姫と思われる人物だった。

 ※第壱巻、EP.30参照。

あれはまさに不思議体験。

まずは話してみねば。


考えがまとまった私は、静かに襖を開けて部屋を出た。




各武将のパラメータを最新化しました。


<1570年12月2日時点>

―歴史乖離率:9.2%

―安定化モジュール:出力平常

―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)

―管理者権限保有者:氷室誠人


<徳川家>

亀姫   (10)…統29  武15  知87  政81  魅69 【真紀】

<織田家>

織田信長 (36)…討死

織田信広 (38)…統72  武77  知83  政83  魅85 【誠人】

<明智家>

明智光秀 (42)…行方不明               【芳香】

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