↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷室の野望(仮)第弐巻 ~立志編~  作者: 和音
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/43

37 現し世【再会】

氷室誠人(18)目線の回です。


目の前は暗闇。

ただ、意識はしっかりしている。

生きている。

それは間違いない。


息苦しくもない。

試しに手の指を動かしてみる。

うん、動く。


ゲームの中では2年半が経過した。

リアルでの経過時間は全く分からないが、身体は問題無く無事なようだ。


そして思ったのは

――姉ちゃん。

――無事なのか……?

「ふぅ……」

現し世に戻った誠人は大きく一息ついて、覚悟を決めると目を瞑ったままヘッドセットを外した。



「あ。お帰り」

――姉ちゃんだ!

その声に反応して一気に目を開くと、此方を見下ろしている真紀のどアップ顔だった。


ほけーっとした真紀の顔を見たら、涙が溢れてきた。

「姉ちゃん!!」

誠人はそう言って真紀を抱き寄せた。

「ちょっ……!」

ゲームチェアに寝そべっていた誠人が急に抱き着いたので、真紀はバランスを崩して焦った。


「姉ちゃん!生きてたあああ!!」

号泣しながら下から抱きついて離さない誠人。

「誠人!落ち着いて!!生きてるから!!」


傍から見るとすごい会話である。


「良かった!良かったよう……」

泣き止まない誠人。

少し落ち着いたのち真紀は立ち上がると、見下ろした状態でふっと笑い

「ごめんね、心配かけて」

そう言って誠人の手を引っ張って、引き起こした。


誠人は深呼吸して、落ち着きを取り戻すと

「いま、何年何月何日??」

と聞きてきた。


「それがさ……」

真紀は渋い顔をしている。

「驚かないでよ?」

と前置き。

誠人はゴクリと生唾を呑み込む。

「う、うん」

「実はね、前回ログインしてから……今は2日しか経ってない」


――は……?

「2日……?」

「そう」


――ゲーム内2年半がリアルではたったの2日??

意味が分からなかった。


「びっくりでしょ?」

そう言いながら真紀は台所に移動する。

「コーヒー淹れるね」

ケトルに水を入れながら続ける。

「私がリアルに戻ったのがの2時間前ぐらいかな」

「え……?」

呆然とする誠人。


真紀が討死してから誠人がログアウトするまで、ゲーム内では7日が経っていた。

その間のリアルの経過時間は2時間。


ゲーム内でログアウト出来なくなり過ごしたのが2年半。

その間のリアルの経過がおおよそ2日。


無茶苦茶である。


「やっぱりさ」

コーヒー豆の分量を量りながら続ける真紀。

「ゲーム内での時間経過量とリアルの時間経過量に規則性無いみたい」

そして

「もう一つは、ゲーム内で死んでもリアルでは何とも無いのも分かった」


――ふむ……


「あとね、まだ分かった事がある」

冷蔵庫からミルクを取り出しながら言う。

「このゲームの管理者が、私から誠人に変わってた」


「え?」

――そういえば。

信長(真紀)が討たれた後で出てきた『―管理者権限保有者が変更になりました。』のメッセージ。


「管理者を倒した者に権限が移る」

ピーピーピーっとケトルから湯が沸いたことを知らせる音が鳴った。

「たぶんその仕様で間違いない」

言いながら真紀がコーヒーを淹れる。



「でね」

淹れたコーヒーカップ2つを持って此方に戻りながら姉ちゃんが言った。

「また、ログインするよ」


――え"???




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。