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氷室の野望(仮)第弐巻 ~立志編~  作者: 和音


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24/36

24 続きからはじめる(1570年10月18日 織田家)【出陣】


『1570年10月18日 織田家――』



織田軍は予定よりも3日ほど遅れたものの、出陣の支度が整った。

陣触れは2日前に発表していた。


先鋒となる第一陣は大将に丹羽長秀、副将には金ケ崎城から呼び寄せた森可隆。

その数1万5千。


第二陣の大将は羽柴秀吉と副将羽柴秀長の兄弟コンビ。そして藤堂高虎も参陣する。

その数は8千。

第二陣は長浜城より出るため、ここ岐阜城には居なかった。


第三陣となる本隊は織田信長(真紀)と副将として信広(誠人)、黒田官兵衛。

その数は何と3万。


最後、後詰として第四陣の大将は柴田勝家、副将に前田利家。

数は1万5千。

こちらも大垣城からの参戦となる。


総勢6万8千の大軍勢である。

その数は、6月にあった北近江の戦いの倍近い動員であり、総力戦である。


「貞勝、留守は頼むぞ」

信長は第一陣を天守より見下ろしながら、隣に居る城代として任じた村井貞勝へ言う。

「はっ。岐阜と清須。両城ともにお任せくださいませ」

そう言って深く頭を下げた。


まずは第一陣が出発した。

第三陣である信長本隊は明日朝に出発予定であった。



そして第一陣が出発を終えた昼過ぎ。

大広間にて信長と信広、官兵衛の三人で地図を見ながら協議をしていたところにその報はもたらされた。


「申し上げます!」

黒い甲冑を着込んだ母衣衆だ。

「何だ?」

信広が聞く。

「は。四日前の夜半、松永久秀殿が討ち取られたとのこと!」


「なんだと!?」

官兵衛が立ち上がる。

「……光秀か?」

地図から目を離さず信長が聞く。

「は。我が軍侵攻への対応策を協議する場にて、討たれたとのことにございます!」


「くそっ……」

口惜しがる信広。

「まさか漏れておったとは……」

官兵衛。


「早いな。判断も動きも」

信長は地図を見たまま淡々と言う。

そして。

「佐和山城の恒興へ伝えよ。城に入り籠れと」

「ははっ!」

母衣衆はすぐに駆けて行った。


「殿。初手が崩されましたが、このまま行きますか?」

信広が聞く。

信長は相変わらず地図を見たまま少し考えたのち

「行く。第一陣と第二陣の動きはこのまま行かせる」

「……承知いたしました」

信広が頭を下げて応じる。


そのやりとりを聞いてきた官兵衛は眉間に皺を寄せて考え込んでいた。

「不満か?いや、不安か?」

ようやく地図から目を離して、その官兵衛の様子を見て聞く。

「いえ、不満でも不安でもございませぬ」

官兵衛が答える。

「ただ……」

「ただ、何だ?」

「策の一つが潰されました。これ以上潰されれば……」


するとふっと笑う信長。

「大丈夫だ。その時はその時よ」

そう言うと続けて

「松永久秀は信用はならなかった。その点では光秀が討ってくれたことは悪いことばかりではない。

大和と伊賀の二国分の助力は無くなったものの、光秀がその勢力をすぐに自軍に加える事も出来まい」

淡々と言う。

「我らへの足し算にはならなかったが、明智軍には間違いなく引き算だ」


「明智勢は近江へ進軍してくると思われますか?」

官兵衛が聞く。

「いや」

信長は即答。

そして続ける。

「恐らく来ないであろう。もっと言えば京すら捨てるかもしれぬ」

「やはりそう思われますか……」

「帝や公家衆を連れて、な」


すると信広が口を挟んできた。

「それを見過ごすのですか?」

信長は信広を見て答える。

「かまわぬ」

「な……」

「というより、どうにもならぬ」


すると信広がすかさず

「他の策を動かせば……」

「信広」

遮って信長がきっぱりと言う。

「我が策は帝や公家衆の為に弄するものではない」


「殿!」

思わず叫ぶ信広。

「落ち着かれなされませ、信広様」

官兵衛。


「光秀を殺す」

信長が静かに一言。

「まずは畿内を制する。他のことはその後だ」

そう言って再び信長は地図へ目を落とした。




<1570年10月18日時点>

―歴史乖離率:12.5%

―安定化モジュール:出力上昇

―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)

―管理者権限保有者:氷室真紀


<織田家>

織田信長 (36)…統86  武76  知85  政81  魅88 【真紀】

織田信広 (38)…統64  武77  知81  政83  魅84 【誠人】

柴田勝家 (44)…統89  武88  知61  政70  魅85

丹羽長秀 (35)…統82  武75  知83  政82  魅79

羽柴秀吉 (33)…統79  武67  知84  政80  魅86

前田利家 (31)…統80  武85  知69  政67  魅76

池田恒興 (34)…統72  武73  知72  政74  魅76

村井貞勝 (50)…統41  武33  知75  政90  魅84

羽柴秀長 (30)…統73  武64  知80  政85  魅88

森可成  (47)…統77  武80  知68  政65  魅69

森可隆  (18)…統74  武66  知78  政79  魅73

佐久間信盛(42)…統65  武70  知54  政52  魅48

黒田官兵衛(24)…統80  武63  知95  政82  魅77

藤堂高虎 (14)…統75  武77  知80  政71  魅74

<明智家>

明智光秀 (42)…統86  武80  知94  政78  魅81 【芳香】

細川藤孝 (36)…統76  武63  知88  政84  魅80

<松永家>

松永久秀 (62)…殺害

<徳川家>

本多忠勝 (22)…統73  武86  知59  政49  魅79

榊原康政 (22)…統75  武82  知72  政60  魅74

服部半蔵 (32)…統73  武83  知74  政45  魅73

<浅井家>

浅井長政 (25)…統82  武84  知75  政77  魅81

<武田家>

真田昌幸 (23)…統80  武72  知85  政83  魅74 【卓】

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