13 続きからはじめる(1570年7月20日 明智家)【空飛ぶ脇息】
『1570年7月20日 明智家――』
京の勝龍寺城。
小畑川と犬川の合流地点に位置し、西国街道と久我畷が交差する交通上の要衝に位置するこの勝龍寺城を、光秀は本拠地としていた。
そして今。
明智家の主要家臣たちがその広間に集まっていた。
上座に光秀。
直臣筆頭の細川藤孝を始め、一色藤長と三淵藤英。
他には明智秀満、和田惟政、そして荒木村重も居た。
大和と伊賀を領する松永久秀も居る。
「それで?」
光秀が聞くが、広間は沈黙に包まれたまま。
「藤孝」
「はっ……」
光秀が指名すると、一拍おき、
「織田勢は小谷城を囲むと、一日で浅井が無血開城。翌日にはその浅井勢も合流し若狭へ出兵いたしました」
また一拍。
「織田勢は軍を三隊に分けて同時侵攻し、わずか十五日ほどで若狭を制しました」
「それで?」
光秀が間髪置かず聞く。
「以上でございます」
藤孝が頭を深く下げて言う。
「そうじゃないでしょ?」
光秀の声が少し大きくなる。
「何で"侵攻しました"じゃなくて"制しました"なの?」
誰もが光秀と目を合わせず、頭を下げている。
「それは……」
藤長が口を開く。
「殿が"放っておけ"と申されましたので……」
すると、藤長の顔の真横を何かが通り過ぎて、大きな音を立てて畳の上へ転がった。
それは光秀が投げ放った脇息(肘置き)だった。
「ああ?」
光秀の目が座る。
続けて
「藤英」
「はっ……」
「私はあの時何と言った?正確に言ってみよ」
「……」
藤英は答えない。
「北近江だけならくれてやってよい、と言ったのだ」
光秀が言う。
「若狭を信長が手に入れた。という事は、京を北と東の二方面からの攻めが可能だ」
光秀が一拍置いて続ける。
「本願寺までもが加担してみろ。三方面に警戒し、なおかつ攻めてきた時は迎撃せねばならん」
広間は静寂に包まれる。
「京を捨てるか……」
光秀が呟く。
「なんと……」
藤孝が言う。
「京を焼き払い、帝と公家共も引き連れていく」
光秀の言葉に藤英が我慢できずに言う。
「殿!それは……」
「他にいい方法があるか?」
光秀が詰め寄る。
「殿」
発言の主は、久秀だった。
「某に良い考えがございます」
久秀がその中身を説明すると
「はは……ははは!」
光秀の笑い声が響き渡り
「さすがは久秀よ!よい。すぐに実行に移すがよい!!」
「ははっ!」
久秀が深く頭を下げると、すぐに広間を出て行った。
<1570年7月20日時点>
―歴史乖離率:12.5%
―安定化モジュール:出力上昇
―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)
―管理者権限保有者:氷室真紀
<織田家>
織田信長 (36)…統86 武76 知85 政81 魅88 【真紀】
織田信広 (38)…統64 武77 知81 政83 魅84 【誠人】
浅井長政 (25)…統82 武84 知75 政77 魅81
柴田勝家 (44)…統89 武88 知61 政70 魅85
丹羽長秀 (35)…統82 武75 知83 政82 魅79
羽柴秀吉 (33)…統79 武67 知84 政80 魅86
林秀貞 (57)…統53 武44 知72 政76 魅60
前田利家 (31)…統80 武85 知69 政67 魅76
池田恒興 (34)…統72 武73 知72 政74 魅76
村井貞勝 (50)…統41 武33 知75 政90 魅84
羽柴秀長 (30)…統73 武64 知80 政85 魅88
森可成 (47)…統77 武80 知68 政65 魅69
森可隆 (18)…統74 武66 知78 政79 魅73
佐久間信盛(42)…統65 武70 知54 政52 魅48
黒田官兵衛(24)…統80 武63 知95 政82 魅77
藤堂高虎 (14)…統75 武77 知80 政71 魅74
<明智家>
明智光秀 (42)…統86 武80 知94 政78 魅81 【芳香】
細川藤孝 (36)…統76 武63 知88 政84 魅80
<松永家>
松永久秀 (62)…統85 武87 知88 政76 魅66
<徳川家>
本多忠勝 (22)…統73 武86 知59 政49 魅79
榊原康政 (22)…統75 武82 知72 政60 魅74




