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氷室の野望(仮)第弐巻 ~立志編~  作者: 和音


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11/15

11 続きからはじめる(1570年6月30日 織田家)【小谷落城】


『1570年6月30日 織田家――』



小谷城攻めが終わった。

たったの一日で。

あっさりと。


織田軍の誰も死ななかった。

このうえない勝利ではある。

が、ぶっちゃけやはり物足りなくもあり……。

いやいや、贅沢だ。


昨晩未明から続々と入る報告。

事の次第が徐々に明らかになってきた。


使者として浅井家へ赴き、勧告という名の脅しでケンカを吹っ掛けたのが羽柴秀吉。

その秀吉に頭が湧いた浅井久政に、家臣たちが見切りをつけた事で更に激高してプッツン。

しかもそれを間近で見ていた家臣の誰も、久政を助けようともしなかったという。

その結果家臣たちで打ち合わせて白旗。

これが顛末だ。

んー、何だろうこのやるせなさは……。


ま、そんなこんなで私たちは本隊の一部1,000を率いて小谷城へ向けて早々に出発した。

残りの6,000は前田利家に任せて急がず行軍させている。


私と浅井長政、黒田官兵衛は昼過ぎには到着する予定だ。



その道中。


「長政、大丈夫か?」

色々あったにせよ、長政にとっては実父が亡くなったのだ。

その心中ははかれない。


「は。御心配頂きありがとうございます。(それがし)は大丈夫です」

「そうか……」


「しかしこの結末はさすがに予想出来ませんでしたな」

官兵衛が言う。

「うむ。だが、此方は足軽含め誰も死なずに済んだ事は最上だ」

そう言うと長政と官兵衛が顔を見合わせた。


「ん?」

義兄上(あにうえ)……何か変わられましたな」

「え?」

「以前の義兄上であれば、足軽どころか某の心情まで(おもんばか)る事は無かったと思います」

やばい。

「そ、そうか?」


「されど」

長政が笑みを浮かべて

「今の義兄上の方が某は好きですな」

「はは……ははは」

それならいっか。

「儂も歳を取って丸くなったという事かの」

適当にごまかして、馬を進めた。




--------------------------




その日の昼過ぎ。

小谷城に到着した。


小谷城下へ到着した私たちは、そのまま本丸へ向けて正門をくぐる。

城内は既に織田の兵で固められていた。

浅井の兵はどこいったんだろう、と思いながらそのまま進み、本丸の大広間へ入った。


そこには――


第一陣の柴田勝家、副将である森可成、森可隆。

第二陣の池田恒興と副将の羽柴秀吉。

第三陣の織田信広(誠人)。

そして徳川家の本多忠勝、榊原康政の両名が居た。

(秀長は外で第二陣の兵と、安藤守就は第三陣の兵と共に居るようだ)


そして。

左右を織田家家臣に挟まれる格好で、浅井家臣がずらりと平伏していた。

私は無言で大広間を進み、上座へ座る。

勝家らも頭を下げて迎えた。

長政は傍らに、官兵衛は織田家臣に並んで座った。



私は座ると呼んだ。

「秀吉」

「ははっ」

秀吉は身体ごとこちらに向き直り、頭を深く下げた。

「大儀であった!」

一声。

「ははーっ!」


続けて他の武将へも言った。

「皆も、ようやってくれた」

「「「ははっ」」」


大広間はしばしの沈黙に包まれた。

そして

「皆に紹介する。北近江の(あるじ)である浅井長政殿だ」

そう言うと、皆無言で頭を下げた。

続けて言う。

「これより小谷城の主として、北近江はこの長政殿が治めることとする。異存はないな?」

「「「ははっ」」」


「さて……」

浅井家の家臣一同を鋭く見据えて続けて言う。

「そなたらに沙汰を申し渡す」

一同は無言で頭を深く下げる。


「海北綱親、赤尾清綱、雨森清貞の海赤雨の三将、及び遠藤直経、阿閉貞征の五名については、当主長政への謀反、及び我が妹であるお市の方の殺害の責として切腹を申し渡す」

「なっ……」

遠藤直経だけが慌てて頭を上げる。

「織田様。城を明け渡せば罪を問わぬと……!」

「一部の家臣を除き、と申したはずだが?」

「ならばこそ、何故某が……」

「知らぬと思うたか!!」

一喝すると、遠藤直経の顔が恐怖に染まった。


「そなたの忍びの働きがなくば、久政の謀反も市の殺害も出来なかったであろう」

無表情で淡々と言う。

「……気が変わった。ひとかどの武将として切腹をと思うたが、おぬしは磔じゃ」

「ひいい……っ!」

「五名を引き立て、連れていけ!」

信広(誠人)が小姓へ命じると、泣き叫ぶ遠藤直経と、頭を垂れた四名は静かに大広間を出て行った。


そして。

「さて。その他の者だが……」

みな固唾を飲んで見守る。

「解放してやる。好きにいたせ」


「は……?」

なぜか勝家から呆けた声が出る。


「聞こえなんだか?自由にしてやる」

「そ、それはどういう……」

「そのままだ。長政に仕えるならそれでよい。

他国へ仕えるなら行くがよい。

ただその場合は次に敵として会えば容赦しない」


浅井の家臣たちも唖然としている。


「織田様」

すると浅井家臣の中から若者が一人声を発した。

「うん?」

「織田様にお仕えしたいと申せば如何なりますでしょうか」


なぬ?

これは想定外。

誰だ……?


声を発した武将の頭上にある△を目力クリックした。


―氏名:藤堂高虎(14)

―統率:75

―武力:77

―知力:80

―政治:71

―魅力:74


おお…これはこれは。


「もちろん構わぬが……」

「ははっ。ありがたき幸せ」

高虎が深く頭を下げた。


「秀吉」

「はっ」

「其方の下につける。面倒見てやれ」

「ははっ!」

秀吉も伏せて応じた。



こうして、小谷城における最初の評定が終わった。


結果として生き残った浅井家臣の大部分はそのまま長政に仕える事となった。

特に磯野員昌と宮部継潤。

この二人は浅井家再興において大きな役割を果たすものと思われた。

はー、めでたしめでたし。



とはならなかったのだ。




<1570年6月30日時点>

―歴史乖離率:12.5%

―安定化モジュール:出力上昇

―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)

―管理者権限保有者:氷室真紀


<織田家>

織田信長 (36)…統86  武76  知85  政81  魅88 【真紀】

織田信広 (38)…統64  武77  知81  政83  魅84 【誠人】

浅井長政 (25)…統82  武84  知75  政77  魅81

柴田勝家 (44)…統89  武88  知61  政70  魅85

丹羽長秀 (35)…統82  武75  知83  政82  魅79

羽柴秀吉 (33)…統79  武67  知84  政80  魅86

林秀貞  (57)…統53  武44  知72  政76  魅60

前田利家 (31)…統80  武85  知69  政67  魅76

池田恒興 (34)…統72  武73  知72  政74  魅76

村井貞勝 (50)…統41  武33  知75  政90  魅84

羽柴秀長 (30)…統73  武64  知80  政85  魅88

森可成  (47)…統77  武80  知68  政65  魅69

森可隆  (18)…統74  武66  知78  政79  魅73

佐久間信盛(42)…統65  武70  知54  政52  魅48

黒田官兵衛(24)…統80  武63  知95  政82  魅77

藤堂高虎 (14)…統75  武77  知80  政71  魅74  new

<明智家>

明智光秀 (42)…統86  武80  知94  政78  魅81 【芳香】

細川藤孝 (36)…統76  武63  知88  政84  魅80

<松永家>

松永久秀 (62)…統85  武87  知88  政76  魅66

<徳川家>

本多忠勝 (22)…統73  武86  知59  政49  魅79

榊原康政 (22)…統75  武82  知72  政60  魅74

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