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銀河系パトロール4時方向

 次に銀河系の『悪い奴』が向かった先はやはり高度文明を誇るミレルカ星系だろう。

(ソフィア、時間に猶予が無い。『悪い奴は』太陽系にも向かうかも知れない。だから地球帰還せずに4時方向に直接飛ぶがいいかい?)

(了解よ、時間は待ってくれないもの)

(銀河系パトロール4時方向、目標ミレルカ星系ゼルカディア星。行くぞ、ジャンプ!)

(なんだこれは!高度文明を誇るゼルカディア星が半壊しているぞ。ルミナ思念はあるか?)

(あるわ、ゼルカディア星の衛星。タイタンぐらい大きいわ。そこに弱いながらも思念の塊があるの)

「マル、ミルルどうだ?」

「うーん、いるけどすくないね」

「あたしもそうかんじるわ」

(ソフィア、ゼルカディアに上陸してアストラル・アーカイブを使って調べてくれるか)

(ええ、降りましょう)


 都市部近郊らしい広場にぼくらは降り立った。これは厄災だな。大気も水も失われている。

(アストラル・アーカイブ。およそ50年前に厄災があったのね。9万年も続いた高度文明だったのに。そして月の居住区と宇宙船だけが残された。居住区の名称は衛星都市ハビタット)

(じゃあ、その都市に何が起きたのか聞きに行こうじゃないか)

(了解よ、行きましょう)


 50年前に起きた『暴走意識体』の気まぐれによる惑星崩壊、それを衛星から眺めて目の当たりにした人々はどれだけ絶望したことだろう。それでも彼らは今を生き延びている。ぼくは彼らの経験した出来事が地球にも訪れたらと考えたら、彼ら生き残った人々に聞かずには居ても立ってもいられない気持ちだった。

 それに2時に発生した『暴走意識体』が4時に到達した。次は6時の太陽系方面ではないかという焦りがぼくにはあった。

「エデン、ゼルカディアの言語セットは用意できるか?」

「既に傍受電波から完成しました」

「君、優秀!」

「お言葉ありがとうございます!」


 衛星都市ハビタット上空で通信回線を開き、太陽系の地球からゼノディア星系アレシオン星経由でこちらに来た、厄災の後で誠に申し訳ないが我が太陽系にも同じ危機が訪れる可能性があるからお話を伺いたい旨を伝えると、すぐに着陸許可が出た。

 ゼルカディア星人はすらっとした印象の薄い顔立ちの青白い人々だった。ルミエラ市長と挨拶を交わしドーム内へと入るとさすがに高度文明の香りがそこかしこに残っている。環境維持のための資源などはどうしているのだろうと思ったが、聞くのは失礼なので聞かずに他愛のない会話を続けながら市庁舎の会議室へと通された。


「改めまして市長のルミエラです。ようこそお越しくださいました。物資が不足しているためにお構いも出来ませんがごゆっくりしてください」

「お言葉に感謝したします。アレシオンで事情を聞き及び、ハビタットに急遽(きゅうきょ)参った次第です」

「『調停者』の噂は私どもも存じております。その上『夢紡ぐ者』『時の守人』『封印者』までいらっしゃるとは思いがけないことです。母星の破壊を我々は『侵界厄災』と呼んでおりますが、アレシオンと交流のあった私たちは共同であの『暴走意識体』を封印しようとしたのです。ですが封印にに失敗しました。その原因は恐らくイク殿も察しておられるでしょうが、恒星による正四面体構造の構築と意識中心の座標特定が難しく正四面体重心に捕捉できなかったためです」

「ぼくたちはアンドロメダ中央部への旅で、四つの恒星の檻に捕捉されたその『暴走意識体』を発見しました。それ以降、そういった意識体の発生が無いかを含めて銀河系を周回しているわけです」

「私が推察しますに、アレシオンで生まれ衛星を破壊した『暴走意識体』は実体化によって物質を破壊する力があることを自ら知ったと思われます。そして自らの意識存在辺縁まで、即ち最大移動距離まで移動し、このミレルカ星系までやって来たのでしょう。さらに力の使い方を学んだ成果として、惑星崩壊を引き起こすほどの力を発揮したのではないかと思われます」

「するとぼくたちの太陽系も『暴走意識体』の移動半径に含まれることになりますね」

「でもどうでしょうか?さらに力を試したいと思うものはより強大に力を振るえる方向へ向かうのではないでしょうか?即ちそれは銀河系中央部です」

「なるほどそうですね。ぼくたちはまだ銀河系中央部へは探査に行っていません。地球帰還後に準備と作戦を立て中央部の探査に向かいます」

「私どもも、失敗の記録を全てお渡しします。何らかのヒントにはなることでしょう」


 先生、ぼくは元気です。宇宙災害規模の意識体を銀河系で追うことになりました。

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