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プレゼント

(ソフィア、シャネル本店までテレポートするぞ。君にあげたいものを見つけた。よく似合うと思うよ)

(なにかしら?楽しみね!)

(ゴー!)

「あれ?二人とも消えた。どこへ行ったのだろうか?」とアテナ。

「詮索は野暮ですよ」とネリネ。


 銀座シャネル本店を二人は訪れた。

「これはこれはドクター、ようこそお越しくださいました」

「店長、古のネックレスを復刻したそうだね」

「お耳が早いですね。シャネル工房上げて細工を施した一品のことですね?」

「そうだ、それをソフィアの身に着けてくれ」

「かしこまりましたドクター。少々お待ちくださいませ」

「あれってこのことだったの!?」

「うん」

「ソフィアはペルソナの時にコメットシリーズは全部持ってたから、初めて起きた時に身に着けてただろ?でもREACH FOR THE STARSは持ってないよな?」

「!」

「もう一つ増えてもいいだろう?」

「大変お待たせ致しました。今身に着けていただいているコメットシリーズのネックレスはこちらに一旦預からせていただき、お着け致しますね。全身鏡をどうぞ」

店員たちが見守る中、店長が恭しく後ろを留める。

「!」驚くソフィア。

「ありがとう、あなた」

プレゼントはこの瞬間がたまらないよな。


 ブリッジに戻ると、

「あ、二人とも帰ってきた。ソフィアがなんか凄いネックレスしてる!中央がルビーなのね」とルミナ。

「あらまあ、とっても素敵なネックレス!」とネリネ。

「この銀行はぶっ壊れてるのか?」とアテナ。


(ネリネ、ぼくの部屋に来てくれる?)

(えっ?はい)

「ネリネはペルソナ時代はミウのメイドだったが、今はメイドもしてくれながら情報担当官でもあり、随行の際にはソフィアを守る重要な任だ。健気に多方面で働いていくれているぼくからのほんのお礼として、これを是非受け取って欲しい。シャネルに作らせたカチューシャにも見えるティアラだ」

「イク!」

ネリネがぼくに抱きつく。


 ブリッジでは、

「今、お茶にしますね」

キッチンへとネリネが歩いて行った。

「何かネリネの頭が光っていたぞ。これも銀行のなせる業か?」とアテナ。

「あれはカチューシャっぽいティアラかしら?」とルミナ。

「ねりねおねえちゃん、ぴかぴかしてきれい」とマル。

「じー」

「君たち、なぜまじまじとぼくを見るの?」


 ぼくらは地球を出港して三度目の旅に向かうべく太陽系を出ようとしていた。火星軌道外側のアステロイドベルトに差し掛かった時だった。

「イク、私も実際に操縦を覚えたいのだが」

「この星域なら比較的安全だからいいよ」

「では失礼して」とアテナはぼくの太ももにどっかり座る。

「いいか?この艦の操縦桿は敏感だ。その分俊敏な3次元航行が出来る」

「こんな感じでいいか?」

「そうそう上手上手、あの小惑星帯は抜けやすいから抜けるぞ。こんな感じだ」アテナの手に手を添えて動かす。

「あのデカブツな小惑星はどう抜ける?」

「いいか?手の動きをよく感じて。こう回避だ!」

「なるほど、少し感覚が掴めた気がする」

「結構小惑星が多いな」

「もう少し操縦させてくれるか?」もう体が密着している。

「いいよ。一瞬で抜けるコースを見抜くんだ」

「こうやってこうなら……抜けられた」

「筋がいいぞ、アテナ」

「次は……」


 ぼくが自室で設計をしていると、

「イク、休憩しては?少し根を詰めすぎですわ」

「ありがとう、ネリネ。紅茶もらうね」

「茶葉を変えてみましたの。疲れが取れますのよ」

「え?ありがとう、わざわざ」

「今は何をされているの?」

「エデンが新しく広くなって居住区間を設計し直すことが出来るようになったから、その設計をしてるんだ」

「キッチンもですの?」

「うん、設計図見るかい?」

「ええ、是非」

「ここをどう広げるか、どう動きやすいか、動線を考えているんだが……」

「それなら私がお手伝いしますわ」

ネリネはぼくの片足の太ももに腰掛けてスクリーンを見る。

「ネリネならどう配置したら動きやすいかな?」

「そうですわね、ここをここに移動すると動きやすいですわ」

ネリネは完全に両太ももに横に乗っている。

「そうか。ぼくには良くわからないんだ」

「はい、お紅茶」

ネリネはカップをぼくの口に差し出す。

「おいしい!ねえ、ここの貯蔵庫の位置はどうする?」

「右端がいいですね」

「そうか、変更しよう」

「お紅茶が冷めてしまいますわ。はいどうぞ」

「ありがとう。次はここのシンク部分なんだが?」

「そこは中央で構いませんわ」

ネリネはもう両手で抱きついている。

「次は収納ですわね……」



 ネリネが帰ったあと、ぼくの自室にて独り言。

「ペルソナ時代にしてたルミナの左手薬指のスパークルスターの指輪、シャネルでイメージ通りに再現してもらったけど、どうやって渡そうかな。渡しそびれたな」

シュッ。ドアが開いて閉まる。

「ほんと!?昔の指輪再現してくれたの?」

「ぼくの思念だけ選択的に読むの止めて」

「だって気になるんだもん」

「だもんって。いつ渡そうかと思ってたんだよ。昔してたろ?スパークルスターのリング」

「今渡して!い・ま!」

「分かったよ、これなんだけど」

と蓋を開けるぼく。

「わあ!そっくり、っていうか同じ?」

「うん、イメージははっきり覚えてるから復刻出来たんだ」

「今そのまま渡そうとしたでしょ?」

「え?だめなの?」

「大事な手順があるでしょ?こういうのは!片膝ついて!それから薬指にはめてよ」

「はいはい、こうか?」

片膝ついて薬指にはめる。

「そうそう」

「それからお姫様だっこ!」

「え?なんでどこに?」

「艦内一周!ゴー!」

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