銀座ショッピング
「久々に銀座でも歩くか。変わってるだろうなあ」
「デートでしょデート!」と嬉しそうにするルミナ。
「みんなで行くの!」とぼく。
「でも腕組んで歩けばデートでしょ?」
「あ、傍目にはそう見えるかも知れないなって今思ったでしょ!」
「うをい、人の心を勝手に読むなよ。仕方ないな、左腕な?右肩にはマルが座るし」
「マルちゃんって、純朴で善い精神をしているのね、それにかわいい!」
「るみなおねえちゃん、いいひと」
マル、将を射んとすればまず馬を射よってことわざ知ってるか?
「さて、衣類とか靴とかコスメとか武具屋とか見て回ろうか」
「その前に、そこのカフェで休憩しません?素敵な香りがしますわ」
「そうだな、休暇だしのんびりしようか」
「なんかこう、カッコいい軍服とかないもんですかなあ」
「そうだな、アテナに既にイメージがあるならオーダーメイドで作ってもらおうよ。即日仕上げのところもあるだろうし。そうだ!剣も新調したらどうだ?大剣とか。ソフィアもルミナもネリネも遠慮せずになんでも選んでね」
「言質はたった今取りましたぞ、イク銀行。ふふふ」とアテナ。
「あらわたしも?ありがとう、イク」とネリネ。
「私ウェディングドレスが欲しい!」とルミナ。
「それなんのためだよ?」
「えへっ」
「そうだ!アルカ・ソフィア号の金のエンブレムを全員分作ってもらおうよ。訪問した先で統一感が出るだろう?」
「それはいい考えですな!」とアテナ。
「一行って感じがするもんね」とルミナ。
「ソフィアは髪飾りにするといいかも知れない。ソフィアの髪がプラチナブロンドだから金色がワンポイントあると映えるだろうね。クレアとルミナ、クレアはブローチが良いかな?アテナは旭日大綬章の形にするかな。ぼくはネックレスにはしないで胸の真ん中にピン留めする。そうするとチェーンが無いからエンブレムが黒一色の中にポツンとあって映える。マルは右肩に乗るから右足の長靴の上部側面かな。早々にシャネルに発注しよう、みんなそれでいいかな?」
「異議なし!」と全員。
僕は早々にシャネル本店に通話し、イメージ図を伝達した。
「あと買い物した物資の運搬ね。相当な量ね。みんな遠慮しないでこれだけよく買い込んだものだわ」とソフィア。
「私の荷物持ってよー、イクは男性型でしょ?むしろ私ごとだっこしてよー」
「あのなルミナ、女性型も男性型もスペックにはそもそも差がないだろ」
「けちんぼ!」
「分かったよ、荷物は持つよ」
(もしご用命でしたら、お荷物は艦内にテレポート転送出来ますが、いかが致しますか?)
とエデンからのテレパシーが来た。
「それを早く言ってよー!」と全員がむくれる。
ネリネの部屋。
「これだけメイド服の種類があるなんて思わなかったわ。普段着もあるし収納スペースが狭いわね、エデン」
「疑似空間拡張致しましょうか?ネリネ」
「そんなことも出来るの!?」
「3次元的には同じサイズでも空間自体が広がった形に出来ます」
「便利ね!」
「恐縮です」
アテナの部屋。
「イクという銀行がいるから軍装も普段着もいろいろ買ったが、軍装にこの大剣をちょっと着て装備してみるか。黄金の連星のエンブレムが入ったこの黒のマントを羽織ってと。大剣が映えてバッチリ決まったな!」
「あてなおねえちゃん、そのけん、もっときょうかできるよ。ぼくつちまほうつかえるから」
「強化ですと?土魔法で?マル、つまり鉱物だから扱えるのですか?切れ味も鋭く折れないようにもっと出来るのですか?」
「うん。やってみる?」
「是非ともお願いしたい!」
「かたちはかえないで、おともだちにもらったこのきんぞくをぜんたいにぬりぬりしてっと。ぬりぬり、ぬりぬり。できたー」
「おお!刀身が虹色に光ってますなあ」
「ぼくのなかまもそういうのもってる。つよいよー」
「マルの仲間ですか。強そうですな」
「さむらいだいしょうがくりちよ、あとりゅうきし」
「侍大将殿に竜騎士殿ですか、ぜひいつか手合わせを願いたいものですな」
「うん」
「マル、ありがとう。貴重なものを感謝する!」
「こういうとき、どういたしましてっていうって、いくがいってた。どういたしまして!」
また何やら暗闇のアルカ・ソフィア号の外で二人組が何かをしている。
「ダイヤモンドドリルなら削って機体の物性サンプルが取れるだろう」
「駐機してる今がチャンスだ」
ガリガリガリガリ。
「あれれ?ダイヤモンドの刃が削れていく!」
「そこで何をしている!」とぼく。
「ねえねえ、なんでまたやわらかいものでわざわざけずってるの?」
無邪気に相手の心を折りに行くマル。
「感心出来ない行為ですわ」
暗殺者のように背後に現れるネリネ。
「ごめんなさい!三度としません!」
二人とも退散。何度やるのかな、この下り。




