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光剣

 マルはブリッジの中央テーブルに座って何か作っている。

「かちゃ、かちゃ、っと。できたー!ここをぽちっとな!」

何か昔のSF映画で聞き覚えのあるブーンという音がするが……。

「マル殿、こ、これは金属の筒から光剣が出るのですな!凄いものですなあ!」

武器のことになるとアテナはすぐ食いつく。

「えへへ」マルもご機嫌だ。

光剣か。昔、爺ちゃん作った道場で剣術の稽古をしていたな。久々にやってみるか。

「マル、その光剣いくつ作れる?」

「たくさんあるよ。みんなにあげるよ。こっちをおすとりょうほうからひかりがでるよ」

「おー、これは双刃の槍のようなものですなあ!」とアテナ。

「片刃でも使えて、いざとなると双刃でも使えるということか。しかも双刃の時は持ち手の束が伸びる設計か。片刃の時は光剣、双刃の時は双刃光剣とでも名付けるべきかな。マルも光剣使うの?」とぼく。

「うん、むこうでいつもくりちよとけいこしてる」

マルは意識体だからイオ級艦にも並列して存在出来るので便利だな。

「ありがとうな、マル」


 現在の防御攻撃は、腰部左の防御フィールドとパルスガンが携帯装備だが、右腰に光剣があれば心強い気がするのはなぜだろう?やはり元人間の性というものか。いや、このスタイル強いぞ。左手にパルスガン、右手には盾にも瞬時に双刃にもなる光剣。ガン&ソード流か。なかなか中二心をくすぐるじゃないか。


「アテナ、光剣で試合しようぜ」

「私とですか?」

「もちろん固有スキル抜きでね?あれ使われるとぼく終わっちゃうし」

「結構ですとも、受けて立ちましょう!」

 アテナにスキルなんか使われた日には到底勝ち目はないからな。それは相手がネリネでも同じことだ。というわけで、ぼくらは何もない武道館ほどの部屋に移動した。これぐらいの広さと高さがあれば重力制御を利用した模擬戦が出来るからだ。ルミナ、ソフィア、ネリネも興味津々で付いてくる。


「防御フィールド展開な?」とぼく。

「分かっております」とアテナ。

「では一手お願いします」と双方礼。

 向かい合って立つ。光剣のボタンを押す。ブーンという音が部屋に響く。柄の部分を含めて光剣の長さは130cmぐらいだな。かなり長尺だが持った感じは竹刀より軽い。重心が刀身になく束の金属にあるからだ。三人は見守っている。

 アテナとぼくは二人とも正眼に構えている。ぼくは間合いを詰めていく。果たして豪剣で来るか、奇手で来るか。

 半歩左足を進める。その時アテナが正面から打ち込ん出来た。バチバチという音と共に一合打ち合うがお互いすぐに離れた。

「イク、隙がなかなかありませんな」

「アテナこそ」

と言うな否や右袈裟斬りに打ち込んだが受けられた。三人は息を飲んで見つめている。

 ぼくは突きの構えを見せようとした時にアテナは右に回り込みながら右小手を取りに来たので肘を引いてこれをいなす。

「やりますな、イク」

「それはどうも『将軍』」

 今度はぼくは間合いを取って正眼に戻し再び戻した。

 アテナも正眼だが心持ち腕が上がっている。隙を作っているのか?そのまま打ち込んでくるのか?

 果たして上段から来た瞬間ぼくは右足を斜め前に大きく踏み込んでアテナの胴を寸止めで捉えた。

「いっぽん!」

まるが判定する。

「いやーイク、一本取られましたな、お見事です」

「アテナは強いな」

「いやいやイクこそ」

光剣をしまうとぼくはいった。

「これは宇宙での標準装備に加えた方が良い。パルスガンだけでは心もとないから」

「冗長性装備も重要なことだし、いいんじゃないかしら。わたしたちも訓練しないと」とソフィア。


 光剣を試したりもしていたが、これからぼくは気が遠くなるような未来だけれども、意識体『悪い奴』が解き放たれることをマザーズに報告しなければならない。実際気が重いがこれは宇宙の重大発見だから最優先だ。


「地球へ一旦帰還します、エデン?」とソフィア。

「準備出来ています」

「それじゃ、行きますか。ジャンプ!」とぼく。

「衛星軌道上から着陸態勢に入る」

「着陸完了」


 あっけないものだだな。地球軍に追われた時に比べたら……。

 秘匿回線にてマザーズに繋ぐ。

「マザーズ帰還した。重要な情報があるよ」

「お帰りをお待ちしておりましたドクター、ご帰還を歓迎いたします」

「ぼくらが地球を出発した時に、ミニ地球みたいな衛星が突然現れただろう?」

「はい。ドクターのお知り合いでしょう?」

「そうだ。彼は意識体だが至って善良だ。しかし、宇宙には4次元知的生命体が太古に封じ込めた悪意のある意識体が存在することが分かった。それは星々と特殊方法か何かによって封印されているが、やがて星の命が尽きる時に自由になる。つまり力を物質を憎む悪意が強まりながら日々増大しているということだ」

「それが3次元生命体には対処出来ないとなると、4次元知的生命体はどのような措置を考えているのでしょうか」

「恐らく星の配置には意味がある。例えばより若い恒星で今後覆うなどのさらに厳重な封じ込めを用意しているかも知れない」

「とてつもないスケールで気が遠くなるようなお話ですね」

「詳細情報をまとめて転送するよ」

「分かりました。お待ちしていますね、ドクター」


 先生、宇宙にはどうやら人知の及ばない秘密があるようです。

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