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9話 おっさん再び

ーーSNSにて


 "ダンジョン兄妹ズ"のアカウントから1つのメッセージが送信される。


 『ピコン』

 『ダンジョン兄妹ズ【兄】:配信開始しました、またあのおっさんと遭遇しています、ぜひ見に来てください!!』

 

 そのメッセージには投稿1分とたたずして数件のコメントが返信される。


 "いきます!"

 "空飛ぶおっさん再び!"

 "大バズ待ったなしだろこれ"


 そして兄のスマホには、配信開始1分ほどで2万人の視聴者がいると表示されていた。


ーー大滝のダンジョンにて


 「はい皆さんこんにちは~!ダンジョン兄妹ズ【妹】の紗季でーす」


 紗季の軽快な挨拶と共にダンジョン兄妹ズの配信が始まった。


 『ザパァン』


 兄は水竜が画面の端に上手く映り込むように、カメラの画角を調整し、そしてカメラで撮影しながら兄は自身のスマホで配信映像を流し、それを紗季へ見せていた。


 『チラッ』

 「あー!あれは水竜!!そしてそれと戦っているのは!」


 紗季はわざとらしく水竜に気がついたフリをして配信を盛り上げる。


ーーコメ欄にてーー


 "キタコレ!"

 "おっさん登場"

 "すでに飛んでてワロタ"


 配信の端っこには、水竜とそれと戦うおっさんが映り込んでいた。


 「ぬおおおお!!」

 『シャアアアア』


 水竜の大きな牙が千春に迫り、千春はピッケルで水竜の大きな口を押さえ込んでいた。


 「リボルバーを撃ちてぇのに、これじゃあ撃てねえ」


 千春はジェットブーツで空を飛びながら、そう呟く。


 「見てください、おっさんが水竜に食べられそうになっています大ピンチのようです!」


 紗季はその様子を見てそう実況する。


ーーコメ欄にてーー


 "おっさーん!"

 "水竜ヤバ"

 "てか妹、おっさん助けろよ"


 配信のコメ欄ではおっさんの応援をする者と、紗季に援護しろと言う者が多くいた。

 同接は7万人。

 その様子を見て、紗季の表情に緊張が走る。


 「……ん?何だ」


 紗季の表情を見て兄は何かを察して、紗季に見せていたスマホの画面を自分でも確認した。


 「なるほどな」


 配信のコメ欄を見て、兄は静かにそう呟いた。


ーー千春vs水竜にて


 「くっ、このままじゃ埒があかねぇ」

 『ゴオオオオ』


 千春はジェットブーツを使い、水竜から距離を取った。


 「あいつ意外と動きが速いな、リボルバーインパクトを撃ち込む隙がねぇ」


 水竜から距離を取ったところで浮遊する千春は、そう呟いた。

 その時だった。


 「ほ、本当にやるのお兄ちゃん?」

 「ああやってくれ、こっちからも水竜を攻撃するんだ」


 紗季はそう言われて、中級アイテム"エアポン"を構える。

 中級アイテム"エアポン"は、対ダンジョンモンスター用の攻撃アイテムであり、市販のものである。

 威力は中程度ほど。


ーーコメ欄にてーー


 "おおー!やる気か妹"

 "水竜を吹っ飛ばせ"

 "エアポンって笑"


 そして紗季は水竜へ向け、エアポンを放つ。


 「妹、いっきまーす!!」

 『パァン』


 


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