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7話 大滝の主


ーー大滝近くの隠れ家にて


 「ちょっと2人とも、ぜっっったい覗いたりとかしないでね!」


 そう言って紗季は、大滝近くの川辺に水浴びへ行く。


 「心配すんなよ紗季、俺は元より妹の水浴びなんぞに興味ないし、千春さんも奥さん居るって言ってるから問題ないよ」


 兄はそう言って紗季に早く水浴びして来いと言わんばかりにしっしっと手を振った。


 「……なんかそれもそれで嫌なものね」


 そう呟くと、千春が用意した川辺近くのブルーシートのカーテンの中に紗季は入っていった。


 「千春さん、奥さんいたんですね」

 「ああいるよ、ただ嫁さんは海外飛び回ってて、逢えるのは月に2回程度なんだがな」

 「へえ、何されてるんですか?」

 「写真家だよ、色んな写真を撮ってるらしい」


 千春と兄はすっかり意気投合したようで、千春も兄に自身の身の上話をするほどに信頼していた。


 「良いですね、旦那の千春さんはダンジョンで、奥さんは世界を股にかける写真家かぁ」


 兄はそう言うと羨ましそうに千春をみた。


 「な、なんだよ」

 「いや千春さん良い人見つけましたね」


 そう言って兄は千春へ微笑んだ。


 「お、おう、なんか照れ臭せぇな」


 千春は恥ずかしそうにそう言うと、頭をポリポリと掻いた。


 「ねぇちょっと!」


 その時、水辺のほうで紗季の声がした。


 「どした紗季?」


 兄がそう反応する。

 

 「あ、お兄ちゃん!パンツ取ってくんない、そっちに忘れちゃってさ」

 「なんだよパンツかよ」


 そう言って兄は紗季のバックに手を伸ばす。

 その時であった。


 『サパァン』


 大滝の中から、1匹の水竜が顔を出す。


 「いやぁぁぁ、何こいつ~」


 水竜を見た紗季はそう悲鳴を上げる。


 「なんだ、どうした!」


 悲鳴を聞いて駆けつけた千春は、水竜と目があった。


 「へへ、やっとお出ましか大滝の主よ」


 そう言って千春はニヤリと笑った。

 

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