9【ゾクッと】絶対に儲かる露店
隕石によって、滅亡した地球。
荒廃したその表面で、黒いローブをまとった老婆が居た。
深々とかぶったフードの奥からは、シワシワの大きな鼻をのぞかせている。
老婆の反対側。
そこには『作者』と書かれた紙袋を頭にかぶる、謎の人物。
2人の間には不穏な空気が漂っている。
「こんだけ地球滅亡させられるとさ、私のお金、なくなっちゃうんだけど」
紙袋の人物が言う。
言葉には少しの怒気が混ぜられていた。
しかし、老婆はケロッと返す。
「ワシャぁなんもしとらん。ただ物を売っているだけだよ。……で、今回も買うんだろう?」
紙袋の人は不機嫌そうにアイテムを1つ買った。
そして、すぐさま使う。
すると、ボロボロだった地球がみるみる元通りに復元されていく。
2人の立っている場所も、いつの間にかただの路地裏へと戻っていた。
「もう滅亡しないようにしたから!」
疲労の滲む声でそう吐き捨てると、『作者』は空間の歪みの中に消えた。
それもそのはず。すでに3回、地球は滅亡しているから。
「なにしてくれるんだい。これじゃぁ、商売にならないよ」
老婆は『作者』が消えた空間に向かって愚痴をこぼす。
——だが、すぐに不敵な笑みを浮かべると、カウンターの上に新しい3つのアイテムを並べ始めた。
日記帳。目薬。鉛筆。
「禁止にされたら、使えるやつだけ売るだけさ」
これからもずっと、路地裏のマジックアイテム屋さんの噂は絶えない。




