7【どんでん返し】殺人鬼
最近、クラスに勝男くんが転向してきた。
なんでも勝男くんの家庭は転勤族で、各地を移動し続けているそうだ。
彼が席に座って初めての休み時間。
みんなが一斉に勝男くんの元へ駆けつけた。
その中でも僕は1番に話しかけた。
そのおかげか、今では勝男くんの1番の友達だ。
「最近、行方不明になってる生徒が多々いる。みんな気をつけるように。寄り道はしちゃだめだからな」
帰りの会で担任はそう告げた。
物騒な世の中だぜ。
でも僕は大丈夫!なぜなら勝男くんと友達だからな。
彼は僕たちと比べてとても大きい。足も早いし、力も強い。
だから、少しくらい寄り道しても大丈夫。
彼も僕を心配してか、周りをキョロキョロしている。
こういうやつがモテるんだろうな。
でも1つだけ、直してほしい癖が彼にはあった。
それは、ずっとそわそわしているその行動についてだ。
話してる時、なにか食べている時、トイレのときでさえ動くことをやめない。
何かしら深い理由があると思って聞いてこなかったけど、仲良くなったし今日こそ聞いてみよう。
「勝男くん。なんでずっと動き続けてるの?」
いつものテンションで質問する。
すると、勝男くんは今まで見せたことのないほど口を大きく開けた。
「それはね……」
なにか重要なことなのかな。勝男くんはすごく真剣だ。
しかし、こんなときでも体は常に動いている。
「俺が”カツオ”だからさ」
彼は一直線に僕に突っ込んできた。
大きな口が迫るその瞬間、僕の脳裏に胸の奥の記憶が蘇る。
僕はいわしだった。




