封神十二星の誕生
絶・深淵忘却の表向きはマカロンを守る為に行われたが、それと同時に別の目的もあった。
絶・深淵忘却――の発動と同時に、神界のさらに上位層に「十二の光」が降りた。後に封神十二星、あるいは単に十二星と呼ばれる存在である。
十二星は、ただの神でも、ただの精霊でもない。神とも精霊とも取れる「上位の意志」が、世界から選ばれた十二人の精神と結びつき、「球体としての核」と「人としての担い手」をセットにした、十二の柱となった。
ひときわ輝く光の球体が、他の球体に話しかけるように言う。
「さて、我々の目的は未来を守る為、神や魔族も含め理と時を見守る事にある」
黒い炎のような球体が応じかけた、そのとき。彼ら全員の内側に、さらに大きな声が響いた。
「皆すまないが――(中略)――という役目を負ってほしい。」
一同は、静かに頭を垂れるような気配を返す。
「ご拝命、賜りました。」
その返答と同時に、絶・深淵忘却で削り取られた記憶や時間、世界の法則、公式、自然現象など「生きている世界そのもの」とも言える十二の欠片が、十二の球体へ吸い込まれていった。
さらに、世界の各地から、十二人の精神が選ばれる。貴族や神職など職業こそバラバラだが、心の底から平和を強く願う十二人だ。欠片は球体の中に、球体は守護・導き手としてその人間の精神に融合する。
こうして、封神十二星は成立した。
太陽星権能《獅子》:日輪覇耀
マリア・サン・クオンドール
(帝都スエンジールの仮初の女王。太陽として世界の心の脈動を読む)
月星権能《蟹》:月影抱擁
ブランディア・テスタロッソ
(帝国宰相にして、太陽を支える「月」)
水星星権能《双子・乙女》:星詠交信
東方守護:青龍。担当神:水星系+風系の権能を持つ柱。
帝国東方連合エルミス領 大領主:マルクス・アルザード・エルミス(青龍軍元帥)
金星星権能《牡牛・天秤》:麗縁魅翔
西方守護:白虎。担当神:金星系+戦系の権能を持つ柱
帝国西方連合ヴィルナース領 大領主:ケイン・タタン・ヴィルナース(白虎軍元帥)
火星星権能《牡羊・蠍》:戦刃紅蓮
南方守護:朱雀。担当神:火星系の権能を持つ柱
帝国南方連合マルス領 大領主:アレキサンドル・ルビリア・マルス(朱雀軍元帥)
木星星権能《射手・魚》:星導恩寵
ローズ・フォン・ピース
土星星権能《山羊・水瓶》:輪環封鎖
北方守護:玄武。担当神:土星系の権能を持つ柱
帝国北方連合アルディール領 大領主:シン・ジャクス・アルディール(玄武軍元帥)
天王星星権能《革命》:天裂変革ウルティア(三姉妹次女)
海王星星権能《幻海》:夢幻浸蝕シルフィア(三姉妹長女)
冥王星星権能《死と再生》:冥廻終始メルティア(三姉妹三女)
昇竜星権能:昇竜運命アストロン・ステッド
降竜星権能:降竜因果メテオス・ステッド
──この十二の柱が、以後の時代、「封神十二星」あるいは「十二星」として世界の理と時を見守っていくことになる。




