#5-7.闇に潜む巨影
蒸気大活劇スチームキャメロット 5話のボツシーンです。
当初は、路地の暗闇から、包帯に包まれた巨大な手がにゅうっと出て来てジェーンあるいはラザラスをさらう…というものでした。
「なんだ?」
ガス灯が消えた。
ひとつだけではない。パーシーたちのいる通りにあるガス灯、いやそこに並ぶ建物の中にあるガス灯までもが一斉に消えたのだ。
たちまち辺りが闇に沈む。
石炭ガスの供給トラブルか? それとも何ものかの仕業か?
「お、おい!」
高圧噴流で浮き上がったランサーが、滑るように走りだし、パーシーたちに向かって来る。
あっと言う間にジェーンそしてパーシーガラードたちの横を翔ぬけた。
同時に、パーシーたちの後方で金属のひしゃげる音が上がった。
振り向いたパーシーとガラードは見た。
ランサーの放つヘッドライト。その白い光芒の先に2台のポリスカーが横転し、潰れている。先ほどの破壊音はこれだったのだ。
──なんだあれは!?
今や唯一の光源となったランサーのヘッドライト。その光が照らし出す範囲のわずかな外、光と闇の境界に──
──巨大な何かがいた。
それはヘッドライトから逃げるように建物の向こうに姿を消した。
一瞬だけであったが、それは人間の形に見えた。だがその身長はランサーと同じ、いやそれ以上はあった。
「今のはいったい…?」
ガラードがつぶやいた。その直後、後ろで悲鳴が上がった。ジェーン叫びだ。
「しまった!」
闇の中、ジェーンが連れ去られようとしているのだ。
警官隊ともみ合っていたのとは別のシームの一団の仕業であった。
「くそっ!」
暗闇の中、どうすることもできないパーシーは悪態をつく。
「ちょっと待ってな」
ガラードがポケットから真鍮の小さな筒を取り出した。
防水マッチだ。
すぐに小さな炎が上がる。
その時にはジェーンの悲鳴は途絶えていた。
ガラードがマッチの小さな炎を悲鳴が聞こえていたほうにかざしたが、そこにはもう誰もいなかった。
ライトチャペルの通りは静まり返っている。
ジェーン、シーム、そして謎の巨大な影。
すべては闇の中に消えたのだ。
ラストバトルで戦う不死の巨人ジオマグス。最初の遭遇はこの5-7で考えていました。
しかし咬み裂きジェーン、シームと新たな情報が続けて出ていること。
5-10ラザラス葬儀社でのシメにインパクトがほしかったこと。
この2点から、ジオマグスとの初遭遇は5-10に移動。
書いて行くうちに変わる。
小説、いやストーリーとは生き物ですねぇ。




