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東方月陽向  作者: 趙餡
162/183

小町ルート3

小町の監視という名目で俺はずっと小町を見てきた

俺が見ている限りは最初以外はほとんどサボっているところを見たことがなかった

そして小町の仕事時間となるべく行動を合わせるように行動していたらいつの間にか俺は小町の家に厄介になっていた


陽「……………あれ、なんで俺自分の部屋用意されてるのにこうなってんだ」


陽鬼「それに関しては私も同意だね、何してんの本当に」


月魅「私もです、マスターは一体何を思って小町の家にいるのですか」


黒音「恐らく、『仕事時間に合わせるには近くにいた方がいい、なら一緒に住んだ方が合わせやすくて楽だろう』とか考えてたと思うのじゃ」


光「御主人ってその辺り結構遠慮ないのです?下手したらそれ嫌われて口も聞いてもらえなくなる場合もあると思うのです」


陽「うぐ……………」


陽鬼達からの痛いダメ出し、見た目は完全に幼女な分何故か余計にストレートにダメージが来ている気がする


光「にしてもいつの間にか私たちも居着いてしまっているからあまり人のことは言えないと思うのです」


陽鬼「いやいや、私達女じゃん……………陽は男だよ?完全にアウトでしょ、幻想郷に常識は通用しないってことだけれども貞操観念くらいはちゃんとして欲しいもんだね」


月魅「…………というか、陽鬼の口から『貞操観念』の話が出ることに驚きです

その言葉を知っているということに驚きました」


陽鬼「なんで今私を馬鹿にする必要があったの?え?陽に文句言うフリして私を馬鹿にするだけの話だったの?」


あ、これはやばいな………喧嘩に発展しそうになってる


陽「落ち着け二人共ーーー」


小町「こらこら、あんたら人の家で何やってんのさ、喧嘩するならよそでやってくれよ?唯でさえこの家木製なんだから下手したら鬼の力で吹っ飛んじまうよ」


と、俺が喧嘩を止めようとした瞬間に小町が入口から戻ってくる

なぜ外にいたかと言うと小町には買い物があったらしくて物を買いに行っていたらしいのだ


陽鬼「……………ごめん、ちょっと熱くなりかけてた」


月魅「これに関しては陽鬼は悪くありませんよ

流石に今のは挑発でしたね、失念していました……………すいません」


小町に止められて冷静になったふたりがお互いに頭を下げる

というかそもそもなんで喧嘩になるような話になったんだか…………いきなり関係ない話にシフトチェンジしたからだよな


陽「はぁ……………俺はお前らが仲いいのか仲悪いのかたまに分からなくなる」


黒音「喧嘩するほど仲がいい、というのじゃ」


光「友達と言っても喧嘩しない時の方が珍しいと思うのです

時には喧嘩するのもありだと思うのです」


そういうもんかね…………内心そう思いつつ、溜息をついてると横に小町がどっこらせとか言いながら横に座り込む

おっちゃんっぽいぞお前………


小町「まぁまぁ、二人共

これでも食って仲直りしな」


そう言って小町は2人に何かの箱を手渡す

食べ物だろうか?ほのかに甘い匂いがする


陽鬼「これ何が入ってるの?」


月魅「匂いだけじゃ分かりませんね」


小町「ふふふ…………なんと、饅頭買ってきたんだよ饅頭

中に餡が詰まってる饅頭」


陽鬼「饅頭!!」


なるほど、若干の甘い匂いは餡の匂いだったか

そして色気より食い気、花より団子の陽鬼が即座に反応して受け取る


陽「にしても何でまた饅頭なんて買ってきたんだ?」


小町「んー?いや気分だよ気分

別に何か思惑があって買ってきたとかじゃないから安心しなって」


別にそういうのは一切思ってないんだがな…………なんでか気になっただけだしこれ以上詮索するのは止めておこうか


陽鬼「どれどれ中身は……………六つ入ってる!」


小町「どうせなら全員で1つ食べるほうがいいだろ?酒のつまみにもなるしね」


…………後者が饅頭買ってきた理由か?俺は未成年だから飲む気は一切ないけど饅頭は貰おうかな


小町「ん?一応言っておくけど陽にも無理やり飲ませるぞ」


陽「……………は?」


別段酒に弱い訳じゃないはずだが俺は今は絶対に飲まないって決めてるんだがな………………未成年だし


小町「まぁ飲まないのなら饅頭はやらないからな、元々酒のつまみに買ってきたんだからその酒無しに食おうってのがおこがましい」


びしっと指を突き付けながら言い放つ小町

いやいや、別に酒のつまみで買ってきたからと言ってつまみが絶対ってわけじゃないだろう………

と、そこまで考えて俺はあることを思い出してとある結論にたどり着く


陽「お前……………前から俺に酒はどのくらい強いのか滅茶苦茶聞いてくると思ったが無理矢理今試させようとしているのか……………?」


小町「さて、どうだろうね」


前から………この仕事に就いてから今日まで俺は小町と一緒にいる時に必ず二回以上『酒はどのくらい飲める?』といった質問を何度もされていた

しかし俺はその度にその内容をはぐらかしていた…………これはその強硬手段か?


陽「そういう事なら俺は饅頭を食べない、酒を飲む気が一切ないからな」


小町「えー、ちょっとくらいいいだろー?あんたがどれだけ飲んでも酔わないって噂を確かめたいだけなんだからー」


そんな変な噂が流れてんのか……………もしかして覚えてないだけで本当に酔ってないのか?いやいや、大なり小なり飲めば大体の人間が酔うものじゃないのか?


陽「その噂誰から聞いたんだよ」


小町「いろんな奴からだよ、本当にいろんな奴

紅魔館の住人だったり妖怪の山の住人だったり人里の人間達とかからもよく聞くね」


そ、そんなに多いのか?俺一体何したんだよ…………というか何で俺まるで酒の勢いで一緒に異性と寝てしまった様な男の心境になってんだ

酔ってないって噂が流れてるんだから手を出す様なことはしていない…………はず


陽「……………そこまでして確かめたいのか?」


小町「当たり前じゃないか、前々から気になってんだから」


うーん…………適当な噂話ならともかくその面子だと本当に俺が飲んでいる可能性だってある

もしかしたら酔ってないは見た目だけで、素面と何ら変わらない表情してるけど実は無茶苦茶酔ってるからこうやって忘れているだけかもしれない

いや、むしろその可能性の方が高い


小町「後酔い潰れた話も聞かないから素面と見た目だけが同じだなんて言い逃れもできないぞ

それに関しては博麗神社に居候してるちっこい鬼から聞いてるんでね」


萃香ぁぁぁぁぁ!!なんでお前そういう時は真面目に答えてるんだよ!!お前が『こいつ酔ってるの見たことない』とか言えばそりゃ大体の奴が気になるだろうさ!鬼に酒の席で酔わないとまで言われた人間って普通にすごいからな!


小町「さぁ、どうする?飲むか飲まないか…………選ぶことは自由だけど折角の美味しい饅頭も無駄になってしまうかもねぇ…………結構高かったんだよこれ…………」


両手で顔を覆って泣き真似を披露する小町

正直泣き声出すのが面倒なのか普通に喋ってるしというか指と指の隙間から思いっきり目が見えてんだよ!泣き真似するのも面倒なのか!!


陽「あぁもう分かったよ!!飲めばいいんだろ飲めば!!」


小町「そう来なくっちゃ!まずは一升瓶を全部一人で飲んでもらわないとね!」


いやいや、そんな量飲める分けないから…………酔わせたいのならもうちょい何とかしろよ

アルコールが心配とかじゃなくて普通に量が多いじゃないか


小町「量のことなんて気にすんな!あんた専用の酒だと思えば美味いもんだ!あたいの金で買ったやつだけどね!!」


陽「他人の金で買ったって目の前で言われて美味く感じる酒は多分飲んでる奴が普段からそういうサボリ癖がついてるやつだと思う……………」


小町「うっ」


奢られたとかならともかくこれは奢られたとかそれとは違う気がする


小町「ま、まぁ!細かいことは気にするな!早く飲んでみなって!!饅頭も美味いしさ!一つずつしか用意出来なかったけど!!」


陽「……………はぁ、分かったよ」


そう言いながら俺はグビッと瓶の口から直接口をつけて飲む

そんなに飲んで欲しいなら飲んでやるよ!


小町「おぉ、いい飲みっぷりだね

こりゃあたいも負けてられないかも」


陽鬼「明日が別に休みって訳でも無いのに飲んでいいの?」


小町「確かに明日休みじゃないけどあたいだって結構イケる口なんだよ

まぁいつもならゆっくり飲むんだけど今日は陽に習って一気にグビッといこうかね!」


月魅「…………酔わないと噂されてるマスターに飲み比べは流石に無謀だと思うんですけどどうしたらいいのでしょうか」


黒音「無駄なのじゃ………多分どっちを止めようとしても対して差は変わらない気がしてくるのじゃ……お互いがお互いに無意識的に挑発しているようなものじゃからな」


光「なのです」


呆れている陽鬼、若干心配そうにしている月魅、諦めた黒音、全く興味無さそうにしている光

……………よく考えたら陽鬼と月魅が事の審議を知っているのではないかと思ったんだが後の祭り

というより多分聞いても答えは帰ってこない

4人とも前提として子俺達に割り込まないようにしているからだ


陽「…………何かもう既にめんどくさくなってきた」


小町「なーに言ってんだい!!まだまだこれからじゃないかぁ!!」


そして小町はもう既に若干酔っている…………酒飲みをするとは言ったが飲み比べをするとも酔いどれの相手をするとも全く聞いていない

正直酔っ払いの相手は全世界どこの世界でも面倒臭いというのがよく分かった

悪酔いは後から後から増えていくものだというのも知っている

ならば俺は酔わないようにして小町の相手を軽くだがしておこう










数時間後


小町「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」


陽鬼「わたしらってねぇ!もっと頑張りたいんだよぉ!!」


月魅「…………すぅ…………すぅ……………」


黒音「えぐ…………ひぐ…………妾なんて所詮ただのコウモリなのじゃあ…………!」


光「うるひゃいのです!!全員黙るのです!!じゃないとわらひの弓矢の錆にするのでしゅよ!!」


陽「…………笑い上戸、泣き上戸と怒り上戸のミックス、酔いつぶれ、泣き上戸、怒り上戸………全員見事に酔ってるな」


気づけば酒瓶が何本も空になって床に転がってるという状況になってる

俺も1本は飲み干したが……………これのアルコールが少なかったのかそれとも本当に耐性がついてて酔わないのかは…………確かめようがない

全員俺以上に飲んでいるのだから


陽「……………とりあえず放置しておくか

何されるか分かったもんじゃない」


大惨事とは見事にこの事だろう、家がぶっ壊れるのも時間の問題なのかもしれない

さてさて……………この惨状、朝になったら治ってたらいいな……………

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