絶望の愛
短いですが、勘弁してください…。
ネタがないんです…。
病室に入ると、目の前に広がるのはカーテン。
私の心を焦らしているのだろうか。
やや乱雑にそれを開けると、怯えた表情でこちらを見ている人があった。
ああ、先輩…。変わってない。
ゆっくりと、確実に近寄っていく。
ベッドに寝ていた先輩は、とっさに起き上がることも出来ずに、それでも私と距離をとろうとする。
だが、向こうには武器が隠されていた。
それに気が付いたときには、先輩はその武器を手にしていた。
早く武器を何とかしないと、大変なことになる。
先輩には悪いが、それを押させるわけにはいかない。
今は絶対に人に来て欲しくない。
ゆっくりだった足を駆け足へと変え、それを押される前に奪うことに成功した。
代償としては、多少ではあるが先輩に暴力を振るってしまった。
しかし、まだ先輩の抵抗は続く。
人間のものとは思えない声で、喚く叫ぶ。
急いで、口を塞ぐ。
指に痛みを感じる。先輩が噛み付いてきた。
痛い、けど痛くない。先輩が噛むというのは、私にとってご褒美みたいなもの。
なおも噛み続ける先輩。
いい加減に噛み技も飽きてきた。そろそろ次の工程に入ってもいいだろう。
口を押さえている指を、自分から先輩の口の中に突っ込む。
驚いて噛む力を緩める。しかし、私が指を動かしているためなかなか噛めない。
先輩の口の中。温かくて、ぬるぬるで。歯茎から喉の方まで掻き回す。
にちゃにちゃという音が病室内に響く。
指を離すと、白い銀色の糸が延びる。
すぐさまもう片方の手で口を押さえる。
強く、強く、言葉を出せないくらい強く。
私の、私の、何年もの想いを先輩に。
先輩に。
…せんぱい? なんで急に静かになっちゃうんです?
ねぇ、せんぱい? 聞いてます?
どうして目を見開いたまま、息をしないんです?
ああ、そっか。私が口を塞いでるからか。
せんぱい。手、どけましたよ? 叫んでもいいんですよ?
…。
……。
窓を開けると、気持ちのいい風が吹いていた。
日の光が心地よく、流れる雲は穏やかだった。
ちょっとだけのベランダとも言えないベランダ。
ぐったりした先輩をベッドから運ぶのは、僅か2,3メートルでも大変だった。
白いペンキで塗られた手すりは、ところどころ錆付いている。
一度、先輩を下におき、体勢を直す。
ここは3階。
それでも、見下ろす地面はちっぽけで、底が見えないようにも見えた。
目眩がする。真っ赤なメリーゴーランドに回され、吐き気がするような。
先輩を抱く腕に力を増し、離れらないようにする。
「せんぱい…ごめんなさい」
はい完結。誰が何と言おうとこれで完結。
ネタと書く気が、まったく無かったので完結です。
最後はなんだか意味不明でドタバタしてしまいましたが、ネタが無いのがいけないのです。
あくまでも『即興』小説ですから。
ちなみに、ちょこっとだけボカロ曲の歌詞を使わせてもらいました。
主人公と先輩がどうなったのかは、読んでる人に任せます。
それぞれがそれぞれのエンディングを想像できたらいいな、と。
これまでのご愛読、ありがとうございました。
作者「(ふぅ、やっとこれで新小説が書ける…)」