カーテンコール:第2話の人たち
●E:エバーリア家
国内有数の商会なのに、とある街では“暗黒街の領主”というちょっと恥ずかしい名前をつけられている。
平民としては破格の金持ちで、最近はとうとう爵位を買うために娘を嫁に出したと言われていた。
しかし街の住人は「えっ、領主様の娘が怪しい男と結婚して貴族になった???」と混乱している。
●F:フィナ
無銭飲食も金庫破りも躊躇ない箱入り娘。
一目惚れした領主の息子を、家の力で脅して結婚までこぎ着けた。
子爵家に嫁いでからは、何故か表舞台に出なくなった夫に代わり領地経営に努める。
得意技は、コーナーからのムーンサルトフットスタンプ。
●G:グラン
時折、街外れで雑草を毟って煮込んでいる系男子。
ぶつぶつ独り言を言いながら鍋をかき混ぜる様子に、街の人たちには怪しい呪い師か何かだと思われている。
突然、領主が溺愛している一人娘と結婚することになったため、街の人たちにはとんでもなく怪しい呪い師だと思われた。
得意技は、超高速スライディング土下座。
●H:ホロウフッド家
家格はそれほどでもないが、歴史だけはある子爵家。
長い歴史は格上の家に対してもある程度の発言が許されるような立派な子爵家だったが、飢饉によって莫大な借金を負ってしまい貧乏子爵家にクラスチェンジを余儀なくされた。
緩やかに借金を増やし、もう没落間近と言われていたのに奇跡の復活を果たす。
巷の噂では、一人息子を悪魔に売り渡して借金を清算したらしい。
●I:イルブランド
一人娘を溺愛しすぎて、かなり過保護なダメパパ。
どのくらいダメかというと、外出したいという娘のために街の住民全員を恫喝……もとい、買収するくらいのダメっぷり。
断腸の思いで娘を嫁に出し、今後一切関わらないとまで豪語したが、一週間で早くも撤回したくなってしまったので密かに子爵家の息子を暗殺する方法を日々考えている。
得意技は、場外でのゴーフラッシャー。
●J:ジェナ
イルブランドとは別の意味で娘を溺愛している凄腕ママ。
別れた旦那とも完全に縁が切れて清々したと思っていたのに、元旦那が性懲りもなく娘の結婚相手を暗殺しようと画策していると知り、激怒した。
この後、数年にわたり元夫婦の全面戦争が水面下で繰り広げられるが、最後まで彼女が敗北することは一度もなかったという。
得意技は、トップロープからの雪崩式フランケンシュタイナー。
◆暴れウサギ
いつからか街に住みつき、街の破落戸どもと最強の座を争って鎬を削る、超武闘派ウサギ。
筋肉は裏切らないという信念の元に身体を鍛え続け、最強まであと一歩というところで魔法という飛び道具に敗れた。
自慢の筋肉は歯ごたえのある“おいしいおにく”になったが、グランの心が弱かったため消化されることもなく無残な最期を遂げる。南無。
◆親切な街の人たち
娘がお忍びで街に行くから気付かれないよう誠心誠意もてなせ、と領主に言われてんやわんや。
街中をキレイに飾ったり、休憩できる椅子を設置したり、名物料理や珍しい装飾を献上したり、楽隊に演奏させたり、街を案内したり、荷物持ちをしたり……と領主の娘を最大限もてなした。
娘が帰宅したあとは『生きてて良かった!!お疲れ様会』と称した、街をあげてのお祭り騒ぎとなる。
酔いが回ってついうっかり「暗黒街の領主だかなんだか知らねえが、なんにもできねえ温室育ちのお嬢様のためにえらい目にあった」と愚痴っていた男は、次の日から誰も姿を見ていない。
◆ホロウフッド子爵とその妻
借金を返す当てもないのに生活レベルもそのままという、計算のできない夫婦と思わせておいてところがどっこい。
自分たちが現役のうちは破綻しないギリギリの線をしっかり見極め、破綻するのは全て息子の代にしようとしていた人の皮を被った悪魔。
しかし思いもよらないところから援助を受けられることになり、喜んで息子を差し出した。
◆恋物語を教えた使用人
一瞬の油断が死を招いた物語中二番目に不憫な人。
同じ年頃の娘として、恋も知らないフィナに対する同情もあったため、請われるまま物語を話して聞かせていた。
来世こそ婚約者と結婚して、家族と幸せに暮らすことを祈るばかりである。
◆勇気ある男
人生の最後に聞いたのが、主人の「採用!」という言葉だった物語中一番の不憫な人。
エバーリアの主人は、機嫌が良くても悪くても平等に死を与えるということを他の使用人たちに体を張って教えてくれた。
◆粗野なむくつけき男
エバーリア家に勤めるいかつい大男。
恐ろしい容姿とは裏腹に肝っ玉が小さく、花や動物を愛する小市民。
こいつなら間違いも起こらないだろう、とエバーリアの一人娘の恋人役に選ばれ夜ごと枕を涙で濡らしていたが、土壇場で話が消えたとてつもなく運のいい人。
趣味は裁縫と料理。




