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囚人ちゃんと盲目お嬢  作者: 睦月微糖
14/16

長いです(以下省略)

女性が半分ほど果実を平らげた頃、クラウディアが女性に声をかける。




「あの……あなたのお名前は……」


「……」




クラウディアの質問に対し無視を決め込む女性。しかしチビ影は彼女に聞こえるように鳴き声をあげると、女性はバツが悪そうに舌打ちをした。




「囚人……NO.1046、それがあたしの名前だ」


「囚人……ちゃん?」




囚人という単語にクラウディアは目を丸くする。もちろん、チビ影も驚いていた。しかし本体の影は表情を変えることなく黙って聞いていた。




「囚人ちゃん……?おい、その呼び方」


「ひゃっ、ご、ごめんなさい……」




クラウディアは反射的に謝る。




「別に謝んなくてもいい、……友人からもそう呼ばれてるし」




素っ気ない態度で話す女性。しかしどこか悲しそうな表情を浮かべ、空を見上げた。




「んで、お前の名前は?」




ふと、女性がクラウディアに名前を尋ねる。クラウディアは慌てながらも女性に名前を教えた。




「私は、クラウディア・ベル・フィーザ・テイス・テンペスターと申します」




女性の方面にペコリと頭を下げると女性がクラウディアと一言呟くと顔をしかめた。




「……は?長くね?」


「え……」


「いや、名前長いだろ」




クラウディアは驚いたような表情を浮かべ、女性は真顔でそう言った。




「長いって……そんなこと初めて言われました」




クラウディアの発言に今度は女性が驚く。しかしすぐに何かを思い出したかのように、そしてめんどくさそうに頭を掻き毟った。




「あー、やめだやめ!名前の呼び方とか面倒だしどうでもいいわ、お前の名前雰囲気的に金持ちっぽそうだし今からお前の事"お嬢"って呼ぶから」


「え??」




クラウディアは驚きの表情で固まる。するとチビ影は何かを察したのか、クラウディアの足元でピョンピョン跳ねて彼女を急かした。クラウディアは我に返り、女性の方に改めて向き合う。




「えっと……じゃあ、私からは囚人ちゃんって呼びますね」




クラウディアは遠慮がちに笑みを浮かべながら女性の名前を囚人ちゃんと呼ぶと、リスのように果実を口いっぱいに詰めた女性、囚人ちゃん(決定)は一瞬だけ驚いた表情を見せるもすぐに仏頂面に戻る。




「……どーぞ、お好きに」




シャクシャクと果実を頬張りながらそっぽ向く囚人ちゃんに、クラウディアはチビ影とクスクスと笑った。




「ところでお嬢」


「え、あ、はい!」




名前を呼ばれて返事をするクラウディアの隣のチビ影と、何かあったら素早く果実を囚人ちゃんに投げられるように構えてる本体の影に囚人ちゃんは目を向ける。




「この影みてぇなモンスターってお嬢の友達かなんなのか?チビ影はあたしに対してプープー鳴いてるし、でかい影はあたしの奴隷にしようとタイマン仕掛けたと思ったら軽くあしらわれた挙句になんか変な金属音出してたな」


「えっと、お友達……です!」




チビ影と本体の影を交互に見ながらクラウディアはそう答える。しかしまだ納得がいかないのか囚人ちゃんは不満そうな表情を見せた。




「バケモンのお友達ねぇ……」


「バケモンじゃないです、オバケさん達はちゃんとしたお友達です」




チビ影を守るようにクラウディアが前に立つと、その行動に驚いたのか囚人ちゃんはポカンとした表情を浮かべる。クラウディアの後ろではチビ影が心配そうな表情で彼女を見ていた。




「お前……いや、まぁいいや。それよりお嬢」


「……はい?」




クラウディアが返事をすると、囚人ちゃんは王国の方面を指差す。




「何人……いや、何十人単位かなー、足音がこっちに近づいてきてるのが聞こえるぞ」


「え……!?」




囚人ちゃんの言葉に思わずクラウディアが立ち上がる。ついでに囚人ちゃんも立ち上り、シャクシャクとひたすら果実を齧っている。




「抜け出したのが、バレた……?」


「ふーん、てっきり夜のお散歩しに来たのかと思ってたらお嬢抜け出したの」




囚人ちゃんの指摘にクラウディアは気まずそうに下を向く。




「ま、別にどうでもいいけど」




興味なさそうに返事をしながら囚人ちゃんは果実を食べ続けてた。

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