お留守番
ふと時計が目に入った。今日から月曜、もう学校へ行く時間だ。
キラ「ミオ、踊ってたのに、ごめんなさい。学校に行かなきゃ」
ミオ「学校って、どんなもの?」
キラ「学校は、ものじゃなくて…勉強を習うところなの。数学とか」
ミオ「ふ~ん。楽しいところ?」
キラ「まぁまぁかな♪ミオも連れて行きたいけど、会話で勉強に集中できなくなりそうだなぁ」
ミオ「大丈夫、キラが心配なら、家で絵の中に入って待ってるから」
キラ「絵の中に戻ることができるんだよね」
ミオ「うん。上手く説明できないけど、絵と このペンダントの中に、ボクの部屋があるんだ。そこにある自分の部屋で、ゆっくりしとく」
キラ「絵とペンダントの中に部屋があるなんて、知らなかった。どんなところなんだろう」
ミオ「こんど一緒にいこう!ボクの部屋に招待するよ」
キラ「すごく楽しみ。それじゃ今日は、お留守番しててね」
いってきま~す、と お母さんに挨拶して、小走りに学校へ行った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
学校についてからも、ミオのことが気になって仕方なかった。
ちゃんと、絵とペンダントの中で静かにしててくれればいいけど…
ひょっこり出てきて、イタズラとかしてないかな?でも姿は私にしか見えないから、大丈夫と思うけれど…
勉強も、黒板の文字も、ぼんやりとしか頭に入ってこなくて困った。
朝、笑いながら踊ってたミオの顔が浮かんできて
その時のことが面白くて、ついニヤけてしまいそうになった。
先生に注意されそうになって、慌てて真剣な顔を作ろうとする。
あぁ早く学校、終わらないかな…
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いつも遊んでいる女の子の友だちの 1人が声をかけてくれた。
ユリア「なんだか今日はボーッとして、どうしたの?」
キラ「ごめん、なんでもないの。昨日、見たTVが面白くて忘れられなくて」
ユリア「昨日、そんな面白いTVやってたっけ?ねぇ一緒にお弁当たべようよ」
キラ「うん。今日は学校が終わってから、どこか遊びにいく予定とかある?」
お弁当を食べながら、いろいろ話しをした。
ミオとの会話も楽しいけど、いつも遊んでいる友だちとの会話も、やっぱり楽しい。
お弁当の おかずに卵焼きが入ってない、なんて笑いながら話していた。
とても楽しかったけど…
急にユリアちゃんが、変な話をしだした。
ユリア「そういえば昨日、お姉ちゃんがさ『妖精を見た』とか言いだしたの。バカだよねぇ。絶対、寝ぼけてたのに決まってる。妖精なんていないのに」
ギクリとして、顔が固くなりそうだった。
ユリア「妖精なんて私は信じないなぁ…キラはどう思う?」
キラ「う、うん…そうだよね。妖精なんて私もいないと思う」
ユリア「だよねぇ。たまに妖精の本とかあるけど、絶対ウソだよアレ。いたら、とっくに誰か捕まえてるに決まってる」
その場は笑って終わったから、良かったけど。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
休み時間、1人になった時、ゆっくり深呼吸をして自分に言いきかせた。
大丈夫、大丈夫だよ…
ユリアちゃんは妖精なんていないって言ったけど悪気はないし仕方ないよ。
それに、さっきは、私も話を合わせないと変に思われそうだったし…
話を合わせるために、あぁ言っただけだもん。
ミオは、ちゃんといるもの。私は信じてる。
学校が終わると今日は、仲良くしてる女の子のグループの誘いを断って、
家への帰り道を 1人で帰った。




