初めての外出
次の日。キラはミオを思い出して、朝から話しかけた。
キラ「ミオ、おはよう」
ミオ「キラ、おはよう~♪」
キラ「今日は、お母さんと 知り合いの人に、とある広場に遊びに連れてってもらう日なの」
キラは朝ごはんを食べながら、ミオと会話した。
ミオ「そうなんだ。ボクも行ってもいい?」
キラ「もちろんいいよ、一緒に行こう」
ミオ「初めての、一緒のお出かけだね。楽しみだなぁ。外の世界って、どんな感じなんだろう」
お母さん「キラ、もうすぐ行くよ。早く用意しなさいよね」
キラ「はーい。ちょっと待っててね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
キラと お母さんは、玄関で待っててくれた、知り合いの女性に挨拶をして、一緒に車にのった。
キラ「失礼しま~す、よいしょっと」
お母さん「キラ、ちゃんとシートベルト閉めて」
車が動きだした。
ミオ「これ、なんていうヤツ?」
キラ「ん?」
ミオ「ボクたち座ってるのに、すごいスピードで動いてる。変なの」
キラ「あぁ、いま私たちが乗ってる、この乗り物のこと?車っていうんだよ。私も運転したことないけど。歩いていくより早く目的地につくの」
ミオ「そうなんだ…人間の世界には、フシギなものがあるんだね。便利だね」
キラ「うん…まぁね」
キラは、ミオは本当に何も知らないんだな、と思った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
お母さんと知り合いの女性は、会うのは久しぶりね、とか いろいろ喋っていた。
ミオ「ボクの姿がみえるのは、キラだけだからね」
キラ「そうねぇ。ミオの姿をみれるのは、私だけみたいね」
ミオ「いまも、ボクの姿がみえてるのは、キラだけだよ」
キラ「ふふふ。あ、見てミオ。あの木、すごくキレイ」
キラとミオは、お母さんたちにばれないように、小さな声で会話をした。
ミオ「ほんとだ。とてもキレイ。人間の世界って、こんな風になってるのかぁ。今日は、じかに人間世界をみれて、本当によかったよ。あっちの緑の大きな木も、すごくキレイだね」
キラ「あれは、たぶん桜の木だよ。春になったらピンクの花が咲くの」
ミオ「桜の花って、どんなの…?」
キラ「ミオ、お花も知らないんだ。これから行くとこにもあるよ」
ミオ「ボク、キラと あの桜の花をみてみたい」
キラ「桜の花が咲くのは、来年の春だよ。来年、一緒にみにいこうね」
ミオ「わ~い、楽しみだなぁ」
車が止まり、キラたちの目的地についた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
知り合いの女性の名前は、ベルさん。お母さんの昔からの知り合いで、たまに家に遊びに来る人だった。
お母さん「キラ、今日は 本当にいい天気になってよかったね。ベルさん、車の運転を任せて、ごめんなさい」
ベル「いえいえ。キラちゃん、久しぶりね。前より大きくなって」
キラ「ありがとうございます」
お母さん「今日は、サンドイッチも作ってきたから、みんなで食べましょう」
そう言いながら 3人は、広場の お花のあるスペースの方へ歩いていった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ミオは、初めてみる花にキョウミシンシンだった。
キラ「ミオ、お花に触ったこともなかったんだね」
ミオ「そりゃ、ボクは人工精霊だからね。キラに作られるまでは、この世界には居なかったし、人間の世界は初めてだから」
キラ「私、本当にミオを作ってよかった。大切にするね」
ミオ「こちらこそ、作ってくれて ありがとう」
ミオは小さな体で、キラに お花をつんで渡した。
キラ「わぁ、本当に嬉しい。ありがとうね」
みんなでサンドイッチも食べ終わって、お母さんは、知り合いの女性と、2人で話しながら
キラとは間隔をあけて歩きはじめた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ミオ「ねぇキラ。こっそり、あっちの緑のとこへ行ってみない?」
キラ「危ないからダメ。お母さんにも怒られちゃう」
ミオ「今お母さんは、あの知り合いの人と話してるから大丈夫だよ」
キラ「まったく仕方ないな。少しだけだよ」
ミオは、芝生のほうへ、少し強引にキラの手を 引っぱるようにして飛んだ。




