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異世界転生して人外娘と恋がしたい!  作者: こま
第一章 ゴブリンキング
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はじめての

「ホットドック兄さんはジャポンの出身なのかい?」


火を起こしながら、パーティのリーダーであるハリーが声をかけてくる。


ホットドック兄さんとは冒険者達の間でのヒロのあだ名みたいなものだ。


冒険に出かけるでもなく、商売をしていたことで定着してしまった。


ちなみにセラはハンバーガー娘と呼ばれている。


ヒロ達は東の港町に向かう途中で、今は野宿の準備をしている。


サザラテラの東にある港町ジャポン。ヒロと同じアジア系の外見の人間が多いと聞いてヒロたちはそこに向かうことにした。


というか、ジャポンという名前を聞いた瞬間にある意味の確信を持っていた。


しかし、冒険者でありながらパーティのメンバーが揃っていないヒロたちは二人でサザラテラの外に出るわけにもいかず、カシミール商会のアルノに相談したところ、カシミール商会の商業用の馬車に乗せてもらうことになったのだ。


乗せてもらったというより、馬車が二台あるので一台は専用に用意してくれたようだ。


道中には野生動物やモンスターもいるので、護衛用に冒険者のパーティが一組同行している。


それがハリーのパーティだ。


「ホットドック兄さんってのやめませんかね」


「そんなこと言ったって、俺たちからしたらあんたはホットドック兄さんだよ」


「じゃぁこの食事で更新しましょうか」


出来上がった料理を4人分に取り分けて、その一つをハリーに渡す。


「これは何の料理ですか?」


「カルボナーラっていいます。美味しすぎるから気を付けて」


「カルボナーラ…」


真っ白にポイントで青が入った上着に長い赤髪の女性、フレイが覗き込んできた。


ワンドを持っているので回復役の神官だろう。


「そんなもんパスタに卵とチーズをぶっかけただけだろ」


「――そんなこと言ってはいけない…ハンバーガーは美味かった…」


「ぶはははは!たしかにあれは上手かった!!」


デカい声の男とボソボソ喋るのはランドとウォータ。


ランドは鎧、兜、手甲、脛当てと全て金属製のものを身に着け、背中には大剣。


ウォータは動きやすそうな最低限の皮の鎧に杖を持っている。


ハリーは双剣を持っているので、ハリーのパーティは剣士x2、神官、魔法使いの構成なのだろう。


「そんな事言ってたら食べさせませんよ」


セラが少し頬を膨らませながらランドとウォータの分を渡す。


「うまっ」ハリーが一口食べて、すぐさま続けて二口目を食べる「うまっ」


「だぁぁぁぁ確かにこいつは絶品だ」


「――美味い…」


ランドとウォータも気に入ったようでガツガツ食べ始めた。


フレイは少し頬を染めながら黙々と食べている。


「次は俺たちの分作るから、セラ見においで」


そう言うとセラが隣に来る。


先ずは鍋に水と塩、パスタを入れる。


この世界は魔法が進んでいるおかげもあって、ロングタイプの乾燥パスタが出に入る。


始めはニョッキの様なものしかないと思ったが、魔法で瞬間的に乾燥させることができるらしい。


乾燥パスタは持ち運びが楽なのでかなりありがたい。


パスタが茹で上がる前にフライパンにオリーブオイルで細かく切ったニンニクを炒め、塩漬けされた肉を細かくきりそこに加える。


ある程度火が通ったら木のボールの中に削ったチーズとできるだけ分けて入れる。


「パスタが茹で上がったか確認して」


セラが一本口にする「大丈夫」


「塩は足りてるかな」


「ちょうどいいよ」


パスタの水を切り、肉とチーズの入ったボールに卵を入れ、その上にパスタをのせる。


数秒待って、卵に熱が入りだしたら全体をかき混ぜる。


最後に胡椒をかけて完成。


出来上がったカルボナーラを4人分に分け、そのうち二つをセラに渡す。


「馬車の運転してた商人さんに渡してきて」


「はーい」


セラは馬車にいるカシミール商会の商人さんに届けに行った。


「で、結局兄さんはジャポンの出身なのかい?」


「いえ、ジャポンは初めてですよ」


「そりゃそうだよなー、ゴブリン相手に大分苦戦してたしな」


既に食べ終わっているハリーは酒をちびちび飲み始めている。


そう、今日の日中にゴブリンに遭遇し戦闘を行ったのだ。


ヒロの装備は最低限で、左の肩にのみショルダーガードが付いた革の鎧、肘まである革のグローブ、ひざ下までのブーツを装備している。


なんでそんな軽装かというと、ヒロには重すぎてそれ以外の装備ができなかったのだ。


金属で出来た装備は予想以上に重く、ロングソードも両手で持つのがやっとだったため、武器は30センチほどの短刀にすることにした。


唯一の金属装備は左腕につけた小盾、バックラーだ。


殴ることにも利用でき、両手を空けることができるので、かなり気に入っている。


しかし、全身を守ることができないのでゴブリンとの戦闘では怪我をすることを恐れ、なかなか積極的な戦いができなかった。


加えて、切りつけたゴブリンの痛がり方が生々しく、というか実際に命の奪いなんだけど――その光景に怯んでしまったのだ。


人間は鶏肉や牛肉などの肉を食べるが、それを処理するところを見たことがある人はあまりいない。


実際、ヒロのいた世界では『動物を食べるために殺すのはいけない。食べたかったらお店で買うべき。』なんていうSNSに書き込む人間がいる。どうやってお店に並んでいるのか知らないのだろうか。


そこまで酷くなかったとしても、実際に鶏などの血抜きの瞬間を見たら間違いなくしばらくは鶏肉が食べれないだろう。


つまりは、ゴブリンだとしても命を奪う事を甘く見ていたのだ。


結局、ヒロとセラに任された1匹をなかなか倒すことができず、まわりのゴブリンを倒し切ったハリーにとどめを刺してもらったのだ。


命の奪い合いは予想以上に心に来るものがある。


そりゃ先輩転生者の皆さんも苦戦するわけだよな。


初戦から笑顔で生き物切り刻んでたらちょっとしたサイコ野郎だ。


でも、そんなことを言っていられるわけでもない。


ハリー達と軽く話した後、ヒロとセラは今日の分の残りの魔力消費の為に魔法の練習した。


今は先輩冒険者が4人もついているんだ。安全に経験を詰める絶好のチャンス。


自分たちが強くなれば新米冒険者をパーティに入れる事だってできるかもしれない。


しっかりとこの旅で学ぶことにしよう。


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