第2話
そこから何事もなく部活に熱中し、あっという間にゴールデンウィークは明けた。
休みって終わるのが早いんだなあ。そう思いながらいつもの道を通る。
この前のことは忘れることにした。どうせパツキンは学校に来ないし、私も別人のふりをしたので出会うことはないと思う。
交わらない二人だったってことだ。
そう内心ほくそ笑みながら靴箱に行くと、莉子が焦ったように話しかけてきた。
「ちょっと咲良!!」
「おはよ莉子。どうしたの?今日朝練あったっけ」
「おはよ!!ないけど...咲良靴履き替えてないの?!」
靴などとっくに履き替えているというのに。この子は足元が見えないのか。
「履き替えたに決まってんじゃん」
そういって自分の靴箱を指差す。
ん?
自分の靴箱の上はいつも空いているのに、今日は靴が入っていることに気づいた。男物の靴。
私の出席番号の前って誰だったっけ...嶺...み、
ま行の人だよな。私以外に頭文字が み の人はいないから、ま...
「あ」
いたじゃないか。最近。
学校にあんまりきていなくて、頭文字がまの人が。
「ふうううううう.........」
「ね?!やばいでしょ?!最近全然学校来てなかったのにさ」
確かにやばい。涙が出そうなくらいに。
なんでこのタイミングで来るんだ。絶対私のせいじゃないか。私が詐称したことがバレて〆にきたんだ......
「莉子」
「どしたの?......てかなんか咲良顔青くない?」
「私、今日で不登校になるかも...」
「え?!フルートただでさえ人少ないんだから部活休んだらやばいって!」
この部活バカ。まあ私も人のことは言えないが。
「だよね...」
諦めよう。いつも来ない人が来ているからなんだ。ただそれだけじゃないか
話しかけられなければいい。席替えをしているおかげで席は前後じゃなかったはずだ。
「じゃあ行こうよ」
「うん!
咲良、そっち教室と逆だよ!」
少しくらい動揺してしまうのは仕方がない。




