ディズ〇ーランド
突然で悪いが、恋バナをします。
ギリギリタイトル詐欺では無いと思っています。
私の初恋は幼稚園時代。
瞳の大きな色白の美少女で、引っ込み思案というか無口な女の子でした。
教室で誰かと話していた記憶が全くないので、たぶん友達はいなかったと思います。
私はなんとか気を引きたくて、彼女の前で色々ふざけた事をした記憶があります。
点呼の時に返事が出来なかった彼女に代わって「ハイ!」と大声で代打を買って出た事もありました。
一人で砂場で遊んでいた彼女に「あそぼ」と声をかけて、コクンと頷いてOKを貰えた時は嬉しかったです。
両側からお山にトンネルを掘って、開通した時に握手をしました。
感動しましたね。
ある日のお遊戯の時は、ビニールプールで、スライム? 吸水ポリマー? とにかく色のついたドロドロとした液体を上半身裸になって投げつけ合うという遊びをペアになってやりました。
今だったら絶対禁止だろうなと思います。
一応言っておくが、私はペドフィリアでもロリコンでもないので、この時の事を思い出してシコッたりはしません。
彼女とは同じ小学校に進みましたが、クラスが別になってしまってからは交流は無かったです。
少し寂しかったですが、そんなことはどうでもいいと思える事が起こりました。
一目惚れです。
同じクラスで一番の美少女に恋をしてしまったのです。
名前はMちゃんという事にしておきます。
そしてなんとなく「この子と両想いになる」という謎の確信を抱いていました。
事実そうなりました。
小学5年生の時だったと思います。
掃除の時間中に「マエカワくんって好きな人いる?」とMちゃん本人から聞かれました。
私はもちろんMちゃんが大好きでしたが「いないよ」と答えました。
「マエカワくんに好きな人がいなかったら私死んじゃう」
とんでもないセリフが返ってきました。
私はどう答えるか迷ってしまいましたが、友人の一人が「マエカワはMの事好きなんだぜ」と余計な事を言ってきたので「お前ふざけんなよ」と追いかけまわしました。
その時、特殊スキル『地獄耳』でMちゃんが友人から「よかったね」と言われて頷いているのをハッキリと確認しました。
バレンタインチョコももらいました。
レモン味のハートのチョコでした。
小学生だったので付き合うとかそういうのは全く無く、ただお互い好きなんだなというのを確認しあっただけでしたが、それでも私は満足でした。
後に転校してきた子供服のモデルを務めるような美人ちゃんにも一目惚れして両想いになりました。
浮気性のクズですいません。
そんなクラスの美少女2トップが、修学旅行で「一緒の班になろうよ」と声をかけてきた時は最高の気分でした。
マジで自分の人生だったのか疑わしい思い出です。
いじめられっ子だった中学時代にも恋をしました。
中学2年生の時の事です。
名前はIちゃんとしておきます、これまた瞳の大きな色黒の美少女でした。
新入部員として入ってきた一個下の彼女に私は一目惚れをしました。
そしてまたも「この子と両想いになる」と言う謎の確信を抱きました。
Iちゃんとはすぐに仲良くなりました。
夏祭りに行った事を話したら「先輩がいたなら私も行けばよかった」と残念そうに言われた時「お?」と思いました。
椅子に反対に座っていた私の背中に身体を預けて、同じ椅子に一緒に座ったという事もありました。
あとめちゃくちゃ良い匂いがしました。
そして中学3年生の時、ある日の部活中、私が友人達とカードゲームの話か何かをしていた時、Iちゃんも後輩と雑談をしていました。
「マエカワ先輩に告白しないの?」
「無理だよ。それに絶対あの人彼女いそうだし」
「それにニブいし」とも言われていたが、私の特殊スキル『地獄耳』は全てを聞き取っていました。
当然っちゃ当然に有頂天になり「俺の事何か言った?」と余計な事を言ってしまいました。
告白は私からでした。約束された勝利の告白でしたが、人生で一番勇気を出した瞬間でした。
返事はもちろんOK。高校進学を前に生まれて初めて彼女というものが出来ました。
結局アホなのがバレてすぐにフラれたんですけどね。
Iちゃんにフラれたショックと高校でもいじめられそうな気配を感じてひきこもりになりましたとさ、が恋物語の結末です。
以上、恋バナ終わり。
まとめると私は人間のクズなのに加えてメンクイだと言う事です。
「ざまぁwww」って感じでしたか?
※ ※ ※ ※
今回の大会は二手に分かれての移動となりました。
車を出してくれたのは中島さんで、同乗者は私と多田さんの二人だけ。
キッズクラスの子は会長が連れていく事になりました。
大宮は遠かったので、かなりの時間のドライブだったと思います。
その間、私は助手席で中島さんとずっと話をして、多田さんは寝ていました。
この時にはもう脱童貞を果たしていたので、会話の内容はほぼエロトークでした。
「僕は人妻って言葉に惹かれるんですよ」だの「〇〇って店はババアしかいないでいかない方がいいです」だの「マエカワさんが行った店どこですか?」だの「受け派ですか? 攻め派ですか?」だの低俗な話ばかりしていました。
中島さんはソープよりヘルスの方が好きだと言っていました。
デリヘルも大好きで、よく辻倉さんに「今日はこの子と遊びます」とデリヘル嬢の下半身の写真を送っていました。
私はデリヘルのシステムがよくわかってなかったので「あれってどんな感じなんです?」とキックの技術より真剣に質問していた気がします。
試合控えてるんだからちょっとは緊張感を持て! って思いますかね?
前にも語った通り、私は中島さんの事が人間的に好きだったので、非常に話しやすかったです。
が、エロトークで盛り上がりすぎて大きな声を出してしまい、多田さんの睡眠を妨害してしまった可能性はあります。
空気が読めない人間ですいません。だからフラれるんですね。
「マエカワさんも1回くらい結婚した方がいいですよ」
と言われた時は余計なお世話だと思いましたが、苦笑いをして「いやぁ僕の給料じゃ無理ですね」と返した気がします。
「それなら僕のところの工場で働きませんか? 年収300万にはなりますよ」
と誘ってくれましたが、ジムの知り合いと働いてダメなところを見せるのが嫌だったので、丁重にお断りしました。
この誘いを断った事に後悔はありません。
なぜならドラッグストアを辞めた後の工場勤めで色々とミスをやらかしたからです。
一歩間違えていたら感電死もありえました。
あとは同僚の「いいんですかこんな所で働いて、人生棒に振りますよ」発言で、やる気がポッキリと折れて1年そこらで辞めました。
同僚は私より先に退職届を出しており、その後を引き継いだ仕事がキツすぎたというのもあります。
その上、さらに難しい仕事に回されそうだったので「クソくらえ」と思って辞めたので後悔はありません。
働き次第で正社員にとの声もありましたが、やっぱり「クソくらえ」なので考えは変わりませんでした。
休みも土日休みで、残業のせいでキックの練習にいけなくてイライラしていました。
大失敗の転職でしたね。
というか、この先も就職は失敗ばかりでした。
大宮のジムには参加者のための駐車場は無かったので、私たちは近場のコインパーキングに駐車しました。間違ってたらすいません。
多田さんが「なんか歯を磨きたい気分」と言ったので、たまたま持ち込んでいた使い捨ての歯ブラシをプレゼントしておきました。
なんで持っていたんだっけ? 忘れました。
※ ※ ※ ※
開場で会長たちと合流してから、計量のためにお着換えをしました。
マッチョが体重計の前にずらっと並んだ様子は壮観でした。
「みんなすごい身体してますね」と感想を洩らしたら「マエカワさんも負けてませんよ」と中島さんが言ってくれました。ついでに雄っぱいも揉まれました。
計量はまたしても52か53kgでパスです。
契約体重は55kgなのでまたしてもやらかしています。
格闘技ナメ太郎ですいません。
ですが、増えない物はしょうがないのです。
努力不足? 大正解です。
多田さんは60kg契約だったと思いますが、確認して無いのでわかりません。
水抜き(身体の水分を抜いて体重を落とす)していただけで、私と同じ55kg契約だった可能性もあります。
キッズクラスの子達はどうだったのかは興味が無いので知ろうともしませんでした。
対戦相手の苗字はMちゃんと同じでした。
なので今回の相手はMちゃんのあだ名から取って『ミッキー』とさせていただきます。
中島さんも冗談で「マエカワさんがプロになったら入場曲エレ〇トリカルパレードにしましょうよ」と言っていたので丁度いいです。
「絶対ヤバいヤツだと思われますよ」
「いいじゃないですか、パンチで夢の国に連れて行ってやりましょうよ」
「でもヤバいヤツの関係者と思われたくないから、中島さんは他人のフリする気でしょ?」
「そうッス」
と試合の事なんて忘れてくだらない会話をしていました。
今回もやっぱり試合に集中できていなかったです。
ですが「KO勝ちできたらいいな」と少しの期待は抱いていました。
あきらかに練習不足なのに生意気ですよね。
会場のジムはとにかくデカくて、参加人数もその関係医者もかなり多かったのに余裕でスペースがありました。
赤、青各コーナーごとに陣地が仕切ってありましたが、自由に行き来する事は可能でした。
ですが、偵察には行っていません。
計量の時も自分で名前を名乗ってから体重計に乗る段取りだったので、張り付いていたとしても小声すぎてミッキーの確認はできなかったと思います。
私の記憶なのでこれ見てるかもしれない関係者や参加者のみなさん、これも間違ってたらすいません。
キッズクラスの子は二人ほど参加していたと思いますが、観戦には行きませんでした。
空気読めないというか、薄情というか、私はそういう人間です。
なんとなくですが、どっちも判定負けしていたような気がします。
※ ※ ※ ※
試合が近づいてきたので、ウォーミングアップのミット打ちを済ませました。
中島さんは「今日は蹴りがいいですね。蹴り中心にいきましょう」とか「始めは慎重に行きましょう」とかファイトプランを用意してくれました。
私は「わかりました」と答えながら、まだ気持ちはフワフワしていました。
ミッキーはどんなやつだろ? とも考えてなかったはずです。
ストレッチしたり、他人の試合を観にリング近くに行ったりして暇を潰していました。
途中、トイレに行きたくなり、ジム内には無かったので別の階までエレベーターで移動しました。
その時、一緒に居合わせた子が自分と同じ階級っぽい雰囲気だったので、対戦相手かもしれないと無遠慮にしげしげと見つめてしまいました。
相手は困ったような笑顔を見せたので、私も笑顔を返しておきました。
これが実はミッキーだった...という事はありませんでした。
身長があきらかに違ったからです。
私は「あなたも試合ですか?」と聞いてみたくなりましたが、ミッキーだったらどうしようと思ったのでやめておきました。
そして時間は流れ、リングサイドに移動した私はマウスピースとバンテージ(拳を保護するための布)のチェックを済ませ、スタッフから防具とグローブを受け取って装着しました。
この時のスタッフが〇ー1MAXで出場していた人だったので、ちょっと興奮しました。
緊張は全然していなかったですね。
それどころか「今のダウン右ミドルでしたね」と目の前で行われている試合について中島さんに話しかけるというのほほんっぷり。
中島さんは「すいません、よく見てなかったです」と戸惑い気味に答えました。
たぶん私より緊張していたんじゃないかと思っています。
セコンドについてくれたのは中島さん。
多田さんはビデオ係だった気もしますが忘れました。
会長は観戦してくれていたみたいですが、試合中に声を聞かなかったのでリング近くにはいなかったのだと思っています。
「負けるかもしれない」という不安は今回は無かったです。
かわりに「これで勝ったら2連勝か」と調子コイてた記憶があります。
リングサイドに呼び出されてから、3か4試合待たされて、やっと私の出番となりました。
ミッキーは結構若くて、身長は私より少し高かったと思います。
フェイスオフの時"は"何も感じませんでした。
好青年っぽいなとか変な事考えてた気もしますが、よく憶えていません。。
コーナーに戻され、ゴングが鳴りました。
タッチグローブするためにちょっと駆け足で前に出ました。
それを終えて、さあ試合開始だと思った瞬間に感じ取りました。
(こいつ絶対俺より強い!)
そしてこの試合で知ることになります。
自分はヤバイと感じた時に、ブレーキではなく全力でアクセルを踏んでしまうタイプの人間だということを...




