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保元の乱(6)


 保元2年(1157年)1月


 こんにちは、平重盛です。


 京は落ち着きを取り戻しました。


 あの後、白河北殿から逃亡した崇徳上皇は、数日をおいて出頭。その身柄を拘束された。本人は出家のうえ、寺に入れば済むと思っていた節があるが、課せられた罰は讃岐国への配流。

 上皇の配流は淳仁天皇の淡路国配流以来、実に400年ぶりらしい。

 配流の際には様子を見に行ったけれども、供が女房衆の数人だけという物悲しいものだった。


 史実通りならば、このまま配流先で崩御されるはずだ。頼むから怨霊になんてならないでほしい。

 配流の様子を見に行ったときに、崇徳上皇に憑いていた白蛇みたいなものが瘴気を出しはじめていたので退治しておいた。

 次に何が憑くか様子を見ていると、犬の生首みたいなのが憑いたので即退治した。何てものが憑くんだよ。

 その後も、怪しげなものばかりが憑いてくるので、その度に退治した。繰り返すこと十数回、トカゲみたいなものが憑いたところで終了した。


 頼長様の父、藤原忠実は白河北殿炎上の知らせを受けると宇治から大和の興福寺に逃亡。その後、すべての権限を忠通に差し出し、その身は幽閉となる。


 崇徳上皇方の武士は源為義、平忠正はじめ、その多くが斬首。源為朝は伊豆に流罪となった。

 源義朝殿は勝者となったものの、父や兄弟を失い、源氏の勢力は思ったほど拡張しきれていない。


 頼長様のお子たちは、いずれも流罪。

 皆、失意の様子だったので、配流前に「お父上は僕が匿わせていただきました。」とこっそりお伝えした。

 いずれは呼び戻して差し上げたいので、その日まで気力をもって生きてほしい。


 そして頼長様の行方は、当り前だけどようとして知れない。

 白河北殿から逃亡した姿を誰も見ていないことから、焼死したのではとみられている。

 戦後しばらくは、信西が執拗に白河北殿の跡地を中心に捜索を続けていたが、頼長様と行動を共にしていた藤原成隆殿が、頼長様が白河北殿で死亡したことを証言したため、捜索も打ち切られた。


 次は主な勝者の動向だ。


 関白・藤原忠通は忠実、頼長から氏長者、所領などを取り戻したものの、摂関家が分裂しての戦いとなったため、摂関家全体としての勢力を大幅に減退させている。摂関家の権力剥奪を目論もくろむ信西の動きがあったことは否めない。

 もはやかつての摂関家の栄華を取り戻すのは困難だと思う。


 信西は、後白河天皇の側近としての地位を固め、忠通を押さえ、息子たちを次々と昇進させた。まつりごとにおける独裁色が色濃くなっている。ただ、既に他の後白河天皇の側近や貴族たちの反感を買いはじめており、保元の乱に続く平治の乱の素地を作りつつあるのかもしれない。


 源義朝殿は、従五位下・右馬助から左馬頭に破格の昇進。近いうちに位階も上がるものと思われる。ただ義朝殿は上国の受領への任官を望んでいたらしく、また、一族の者の任官もかんばしくなかったため、今回の恩賞には不満があるらしい。


 清盛パパは播磨守に任官。播磨守はじいちゃんが50歳を前にした任官したものだから、出世速度ではじいちゃんを抜いたことになる。


 あと、基盛は従五位下に昇進。

 そして僕は、従五位上に昇進した。


 なんとか保元の乱は乗り切れた。頼長様も助けることができたし、百点満点といっていいだろう。

 次の山場は平治の乱だ。

 保元の乱の後の政治体制に対する不満から発生した乱だったはずなので、発生までの期間はそれほど長くはないと思う。


 今度も無事に乗り切れるよう準備をすすめておこう。

 この国を富まし、平氏かぞくと共に生き残るのだ。


ペンギン「顕世が忙しくなってきたので、更新速度が落ちるかもしれないペン。」


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