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(あ、これは駄目なやつだ)
そんな風に頭に浮かんだが、だからってやめることは出来ない。そもそもが刃の方で受けたら絶対にぶっ壊されるってわかってたからワザワザ反対側の丸い部分で受けたんだ。それでも俺のメインの武器であるかなりの業物である愛刀が悲鳴をあげてる。向こうはその巨体で、しかも相手を綺麗に殺すってよりもぐっちゃぐちゃに粉砕するのを得意とするような獲物だ。
それを上から下に振り下ろすことで勢いだって乗ってる。もともとの膂力だって向こうが上だろう。じゃあどうあっても俺に勝ち目はないじゃんって感じだが、確かにそうだ。俺だけじゃ……それを否定する要素なんて一つもない。
けどそう……ここには俺しかいないわけじゃない。他の奴らも俺と同じように攻撃をぶつける。流石に俺のように柄の方をぶつけるなんてしてないが……それも無理はない。だって俺の場合はたまたまメインが槍だったからその分リーチもあって出来たことだ。剣ではそんな事できないだろう。
鞘を使うとか? いやいや……ないだろう。ならば普通に刀身をぶつけることになる。でも普通に剣と剣とがぶつかっても刃毀れするわけで……このLROでは普通にそういうことは起きる。武器にも耐久性やらランクやらの等級があって等級が高ければそういうのが起きにくくなるし、『自己修復』なんていうとても便利なアビリティがついてたりする武器なら勝手に修復だってしてくれる。
けどそんなのばレア中のレアだ。ほぼみたことなんてない。そうかも知れないと……思う武器は心当たりある。ローレのやつのあの杖だ。錫杖……あれは多分かなりレアだし、職人がつくったような代物じゃない。
きっとアーティファクトの類。そもそもあいつが後方から魔法ぶっぱするタイプだし、あいつは召喚士であいつを守る召喚獣はそもそもがどいつもこいつも強力であいつが直接殴り合うなんて場面早々ないから確かめたことはないが、あの錫杖はかなり怪しい。
まあそんな事考えてる場合じゃない。つまりは刃で鉄塊みたいな鈍器にぶつかるのは分が悪いということだ。武器破損なんて普通にあるし……岩とか壁を剣で殴ってもなんともないのはそれこそ前時代のテレビゲームだけなんだ。
それでも選択肢なんてなかったのはわかる。きっと切れ味にはかなりの自身があったんだろう。それこそスパッと切るつもりがあったのかもしれない。確かにそれが出来たら……めっちゃよかった。
でもこの強化された月人……そして天井を叩いてる今のプレイヤー……その関係性を考えると、流石にスパッとこいつの体のいちぶにもなってる武器を切れると思うのは傲慢では? と思わなくもない。
「ふぐうううううううううう!?」
「いぎぎぎぎぎぎぎきぎぎぎ!?」
そんな風に変な声というか音が口から漏れる。いやいや、色々と考えてたけど、その余裕もなくなる程にヤバい!? 複数人でぶつかってるが……それでも、止めきれ……ない。




