251
「殿は自分が勤めるよ」
当たり前だというふうにイケメンタンクの人はいった。まるでそれが当然だというふうにだ。もちろんそれには反対した。
「いやいや、あんたはこのチームの要でもある。それに一人最後に残ったら、そこに攻撃が集中することになるんだぞ? さすがのあんたでも……」
「大丈夫さ。自分はやられたりしない」
そんなふうに彼はいう。真っ直ぐな瞳は曇りなく青く済んでて、迷いなんて一切なくようにみえた。それに不安も……嘘とか、強がりとかさ、そんなので俺達を安心させるために言ってる……とかでもなさそう。普通なら耐えられない。俺達が射線から外れたら遠距離の月人達は射線が通ってるやつを狙うだろう。
次々と射線から外れていくとしたら、最終的に最後に狙われるやつにはすべての攻撃が集中することになる。それに最後に残る奴の最大の役目は当然だけど、一番危険なやつを引きつけておくという役目がある。
それはあの両手が凶悪な武器の月人だ。そいつを真っ先に引き受けて、そして俺達が離れるまでその場に留めて置かないといけない。そしてそうなったら、そんな一番強く厄介な両手が武器の月人+周囲の月人+遠距離攻撃してる月人の攻撃が一斉に降り注ぐことになる。いや、普通の月人たちは最後まで俺達を狙う可能性はある。だってアイツ等には別に制限はない。でも奴らは狡猾だ。
俺達が油断してるときに仕掛けてきて、ワンヒットしたら引くようなそんな戦法をここでは取ってる。そんな奴らなら警戒してる俺達よりもいっぱいいっぱいの相手を狙うんじゃないだろうか?
結局俺達は彼を殿に置くしかなかった。だってそれが一番成功率が高かったからだ。もしも他の誰かが彼と同じ役目を担ったとしたら……きっと確実に、それこそ100%耐えられない。いや、ダメージは彼が肩代わりしてくれるわけだから、誰でもいいとも考えられたけど、どうやらそういうことでもないらしい。
「今からやるのは耐える戦いだ。それなら自分が一番得意なことさ!」
そんな風にイケメンタンクの彼は言ってのけたんだ。




