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カサカサ……いやあの巨体ではどうあっても虫みたいなカサカサって感じじゃなく、やっぱりドスドスって感じだ。そしてそのドスドスと素早く動いて、俺達の間を行き来してるそいつは隙をついて、そのでかい口でプレイヤーに噛みついてくる。鋭い痛み……肉がえぐれた感覚。そうではなくも、もともとが月人は大きい。
ここでは四足歩行してるから平べったい感じになってるが、平均で180くらいはあるわけで、ひときわ大きな月人は2メートルを超える巨体だから規格が違うが、普通の月人だって敵に相応しいでかさをしてる。
だからこそ、その口で噛みついて勢いよく引き釣り回したりも……あったりする。俺は流石にそんな事はされないが、体がちいさいな人たちはそんな風にされたりしてるようだ。そしてそんな中めっちゃ暴れてるのが腕が武器になった巨大な月人。完全に向こうのペースになってる。
奴はそれはそれは気持ちよさそうに暴れてる。一体あいつのせいで何人のプレイヤーやらNPCが犠牲になったか……
「え? ダメージは一人が肩代わりしてくれてるんじゃないのか?」
――って? 確かにそれはそうだ。あのイケメンタンクの人がダメージは肩代わりをしてくれてる。でもそれもどうやら向こうはわかってる? そんな気がする。やっぱり奴らの………月人の背後にはセツリの影が見える。
どういうことなのか……それはわからない。けど、セツリは月の女王だ。だからこそ、きっと月人を介して状況がわかる方法があるんだろう。視界を共有するとかさ……いや、月人には目はないけど……でもどう見ても月人は周囲を見てはいるのは確実だ。
だってそうじゃなかったら、俺達の攻撃を回避したり、仲間どうしでこんな混戦の中ぶつかったりしないなんてありえない。まあ視界じゃなく音とか、それか特殊な電波を発してるって線もあるけど……とりあえず方法なんてのはどうでもいい。
問題は月人はちゃんと周囲を把握して、そしてこいつらは俺達の嫌な事を的確についてきてるってことだ。下手に俺達のHPを減らせない。だからこそ、月人達は俺達を落とそうとしてくる。それを狙ってるとしか思えない。ここはかなり高い世界樹の上だからな。
一回下に落としてしまえば、戻ってくるのはかなり大変だ。いや、そもそもがここまで……これなくないか? 展望エリアまではいける。でも、ここに来るにはゲートを使った。それも特殊なゲートだ。合言葉がないとつかえないゲート。つまりは一度落ちたら、自力ではもうここまで戻ってくる事は出来ないって事だ。既にいくらかのプレイヤーとNPCが落とされてしまってる。その人達はここまで戻ってくる事はないと……そう思ってたおいたほうがいいってことか。




