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「やめっ……たすけっ……」
ただ無言で壁に叩きつけてるイケメンタンクの人。そして虫の息のような声を出してるのは当然、あのクソみたいな事を言ってたお偉いモブリだ。でももうその口はさっきまでと違って生意気な事をいうことはできなくなってる。
だって顔面が……ボロボロだからだ。何回も何回も叩きつけられたせいで、その顔は腫れ上がり、可愛らしいモブリの顔はなんかブルドッグみたいなさ……ひしゃげたような顔になってしまってる。
本当ならボタボタと血だって顔面から流れ出てるんだろうが、LROは血の表現はしないからそれはない。まあけどそのせいでよりはっきりとその顔のボロボロ具合がわかる。こいつはお偉いモブリだった。
つまりはそれだけ色々と手入れとかしてたと思う。そこらのモブリよりもなんか端正な顔してたし? でも今やそれが見るも無惨な姿になってる。流石におつきの人たちが
「やめてください!」
「もう、これ以上は!!」
とかいう嘆願を必死にしてる。その体にまとわりついてるのもいる。けど残念なガからその体格差は明らかで、モブリは小さいから一人二人がくっついたとしてもイケメンタンクの彼の行動を阻害するようなさ……それは出来てない。どうせならお得意な魔法を使った方が効果的だった思う。
魔法なら拘束系の魔法だってさ……あると思うんだ。でも彼等も実際はこのお偉いモブリに不満があったというのはなんとなくわかる。それに彼等は理解してると思う。俺達がいないと世界樹の奪還は出来ないと。
そもそも世界樹の奪還を誰よりも願ってるのは誰か? 人種? エルフ? スレイプル? ウンディーネ? 違うだろう。いや全部の種が世界樹の奪還を願ってるのはそのとおりではあるけど、一番それを願ってるの……というか責任を感じるのはモブリだ。そしてこのお偉いモブリはそんなモブリ達の代表として俺達に同行してる。
別にへりくだることはないが、協力的ではあるべきだ。だって一番世界樹を取り戻したいと思ってるのはモブリなんだからさ。せめて協力的な姿勢は見せないと、こいつの態度、俺達からしたら「モブリは世界樹奪還に協力的じゃないんだな」――という印象しかない。
はっきりいってこのまま……というか以前のまま世界樹の管理をモブリだけに任せていいのか? とかいう議論は上の方では繰り広げられてるんじゃないだろうか? 巫女……という立場がモブリからしかでないからその立場だったといえる。もしも他にも、他の種からも巫女という立場の存在がでてきたら、そもそもが世界樹の管理をモブリが独占なんてなかったんじゃないだろうか?
けどもうそれだけでは世界樹をモブリにだけ任せる……なんてできないって話し合われてそうだ。それにこいつの態度……今、此の状況でこんなアホを送り込んでくるモブリの上層部の危機感のなさ……流石にイケメンタンクの行動にはドン引きではあるが、スッキリとしてる部分も当然ある。
そしてそれは俺だけが感じてることじゃないだろう。だからこそ、プレイヤーは誰もとめてないわけだし。きっちりとその身に刻んで欲しい。自分がどういう立場なのかって事を。




