232
俺たちは展望エリアから隠し扉を通って世界樹の内部に入ってた。神聖であるはずの世界樹の中にこんな通路を作るなんて罰当たりなんでは? とか思うが、そこはなんか許されてるらしい。
まあ幹の直径だけでも関東平野が入りそうな? いや、さすがにそこまでじゃないかもしれないが、とにかくでかい世界樹だ。だから一部をくりぬいたとしても、そこまで影響はないんだろう。実際こんなでっかい木を枯れさせたり、切り倒したりって想像できないし。
もしもこのLROに巨人がいたとしても、いったい何メートル級の巨人ならこの木を切り倒したりできるだろうか? 10メートル級くらいでは無理だろう。50メートル? いや100メートル以上は必要か。どうやら内側には月人はいないよう。いや、いないわけはないだろうけどさ。なにせ今や世界樹を支配してるのは月側だ。その月側が支配してる世界樹の内部の構造をしらないなんてことはないだろう。ここは狭い。さすがはスタッフ入り口だと言わんばかりの狭さ。俺たちも二人がよこに並ぶのが精いっぱい。
それでもモブリならまだ余裕はあるだろうけど、ここを月人が通るとなると一体が限界じゃないだろうか? だからかもしれない。普通の月人ではもはや俺たちを倒せないと思ってるだろうから、無駄に戦力を割く必要なんてないって判断をしたとしてもおかしくない。
それにこんな通路はそうそうないだろうし? 不便なところで敵と戦うよりも、もっとちゃんとした、自分たちに有利な場所……それを選択できる権利が月側にはある。だって迎え撃つのは向こうだからだ。
世界樹の内側とはいったが、何か特別感があるか? といえば別にそうじゃない。むしろ今までの通路よりも狭いし、装飾も何もない。まあここはスタッフ用の通路とかだろうからな。
今まで登ってきた場所はそれこそ観光客用の通路とかだった。それに比べたらいつも、普段使いしてるような場所が地味で質素なのは普通だろう。むしろあからさまに派手にされてたのが今までの場所ってことだ。だから別にここにはそこまで面白いものが有るわけじゃ……いやなにかある。
「あれがそうか?」
確かローレの奴が世界樹の一定以上の高さに行くには特殊な構造の場所を通らないといけないといってた。それがきっとあれだ。通路から少し進んだ奥まった場所。間違えようがない一本道。その先にあったのは何やらうねうねとしてた光。これは知ってる。
そう、ゲートだ。ゲートの内側の光ににてる。
「さあ出番だぞ」
そういってイケメンタンクの彼が持ってたお偉いモブリを前に向ける。ブスッとしてるお偉いモブリ。最初はギャーギャーと文句ばっかり言ってたが、誰も助けてくれないとわかるや、おとなしくなってた。けどここで言ってきた。
「はて、なんのことやら?」
こいつ……それが自分の首……いやモブリ全体の立場を悪くすることだってわかっててやってるのか? いや絶対にこいつはわかってない。ただ俺たちに意趣返しがしたいだけだ。




