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騎士ホルスタイン  作者: コジュ
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第29話 告白、そして

朝を迎え。アドラたち小隊は探索を再開した。

あいかわらず空気は重く、会話もほとんどない。


「みなさん!!来ました昨日の奴です!」

リサが叫んだ。それとほぼ同時に「ドン」という音が聞こえ、全員構える。


すぐさま、あたりの茂みに人形兵の影が見え始めた。また小隊を囲むように陣形を作っている。

再びドンと音が聞こえると彼らの動きが停止した。


「隊長…昨日より多くいませんか?」


「ああ、リサ、何体いる?」


リサは一人おびえた表情をしてから答えた。

「…‥‥100…」


「ええ?昨日の5倍?!」



真正面の茂みから、何者かが出てきた。


アドラが気づく

「あいつだ。指示を出していた敵だ。」


「なぜ、今姿を?」


「罠の危険もある、気をつけろ」



アリスよりも一回り小さい背格好の人形は語り始めた。

「昨日は、よくもやってくれたな、お前ら。だがな、今日でお前らは死ぬからなざまあみろ、はっはぁ↑」


マーが飛び出した。

しかし、リュリが棒をドンとつくとすぐさまその間に人形兵が何体か走りこんできた。

マーが切り裂く。しかし、もう一体に反撃されて距離をとる。また同じ位置に戻ってしまった。


「ああ?話は最後まで聞けよ、それともこの100体今すぐフル稼働するか?話ってのはよ、ちょっとお礼したくてさ、この人形兵作るにはマナが必要なんだけどよ、こないだとんでもないマナ量を持った女が手に入ってさ、あれ、お前らの仲間なんだって?感謝してr──────」


「アイスランス!!」

リサが呪文を唱えた。一直線に敵に向かって氷のつぶてが進むが、またも人形兵が間に入る。人形兵は胸に氷がささり、倒れた。


「おっとお?そんなに戦いてえのか?」


「黙れ!!」

リサが声を荒げた。怒りに震えている。


「はっはぁ↑!!わかった、黙るよ開戦な」

リュリは棒を打ち付けた。


一斉に辺りの人形兵が突っ込んできた。奥の方では詠唱を始めている。


アドラ、マーが突っ込んでくる敵を受け止めた。

「アイスランス!!アイスランス!!アイスランス!!」

リサはまだ怒りが収まらず、リュリに向けて魔法を放ちづづけている、しかし、その攻撃はすべて人形兵に阻まれる」


「まて、リサ!まず後方から詠唱してきてるやつを止めろ!、大規模魔法打ち込まれたら詰むぞ」

マーが叫んだ、


リサは震え、まだ杖の照準をリュリから外せずにいる


「リサ!」


「…‥‥わかりました!!!、でも絶対ナコちゃん救いますよ!!」


「それは、いまだにはっきりしないこいつに言えよ!」

マーは敵を切りつつアドラを指していった。


アドラは何も言い返せない。それでも目の前の敵を切っている。


「ちょっと、喧嘩しないでくださいよ、それよりこれどうするんですか?この量!!」

アリスもまた遠距離から大規模魔法を狙ってくる敵を逐一攻撃していた。


「ああ、確かにきついな、リサ、大規模魔法で、あの糞野郎もろとも吹っ飛ばせないか?」


「厳しいです。後方の詠唱阻止するので精一杯。」


「くそ・・あの棒でこいつらを操ってることは明らかなんだ。」

マーはちらりとアドラをのぞきこみ、舌打ちした。


「俺が単体で突っ込んで、あの棒ぶっこわしてくる!!」

マーは走り出した。


「マー君!!」


すぐさま集まってくる人形兵を双剣で切り裂く、しかし、切り裂いた敵の体が邪魔で前に進めない。


「くっどけよ」


マーが囲まれてしまった。


「マー坊!!」


アドラが一歩踏み出してマー後方の敵を真っ二つにし、マーの首根っこをつかむ、その腕を人形兵の電流をまとった攻撃につらぬかれた


「ぐっ」


痛みをこらえアドラはマーを引っ張ってもどった。


「アドラさん!!ヒール!!」

リサがすぐさま、ヒールをかける


「何やってんの?マー君の攻撃じゃ、道突破できないでしょ!!、」


「だが、それではどうするんだこの大軍!!、まともに戦っていくのは無謀だぞ!!あの棒を消せばとめられるかもしれないが、アドラはあのざまじゃないか!!俺が行くしかないだろう?」


「マー君‥‥」


「ごめんなさい!!!!!!大規模詠唱、一つ止められませんでした!!」

アリスが泣きつくように叫んだ。小隊に緊張が走る。リサがアドラのヒールに時間をかけた分、アリスがリサの分まで頑張っていたのだが、帝国騎士団一年目の彼女には荷が重かったのだ。

小隊の上空に小さな暗雲が立ち込める


小隊に黒い稲妻が落ちた










小隊は黒い煙につつまれて外からは状態がわからない


「おわったか」

人形兵の何体かは巻き込まれて黒焦げになっていた。その一歩手前の人形兵達は、敵を見失い、うろうろしている。





「おい、リサ起きろ」


「隊長、無理に起こさない方が…」


全員大きなダメージを受けたが、三人はまだかろうじて動け、リサが一人横たわっている。


稲妻が落ちる瞬間、リサは魔法効果を半減する術を使った。しかし、十分な詠唱なしに使ったために反動で意識を失ってしまったのだ。


「全く大した奴だよ‥‥マー坊、この煙がはれたら敵がつっこんでくるだろう、そしたらもう持たない、俺たちは負ける。だから、俺は一か八かあの指揮官に単体で突っ込んでみようと思う」


「だがお前…」


「どのみちここでリサを守ったってみんな死ぬ、それなら敵を攻撃してようと変わらないさ」

アドラは言葉とは裏腹に不安を抱えていた。今までも頭では理解できていたのに、どうしても戦いに集中できなかったからだ。


「なあ、アドラ、俺は絶対にリサを守るよ、リサにはもう指一本触れさせやしない、絶対だ。そしてお前もそれを確信できる根拠を教えてやる」


アリスは変わらず意識がないリサを抱きかかえつつ、マーが何を言い出すのかとみていた。


「いいか、一度しか言わないからよく聞け、俺はリサを愛している。」


アドラはきょとんとした顔をしてから

「はっはっはっ、っくく、そうか、そうだったのか」

笑い出した。


「何を笑っている、こんな時に!!」


「いやすまねえ、でもそんなまさか、あっ!!お前まさかリサを抱きかかえる戦法怒ってたの、あれ嫉妬してたのか??はっはっはっは…‥」


アドラはひとしきり笑うと穏やかな顔になった。マーは顔を赤くしている。


「マー坊、それは悪いことしたな‥‥、もうリサにはそのこと伝えたのか?」


マーは首を振った。


「そっか、それじゃあ、リサは安心だな。それにここで死なせられない理由も、新しく見つかっちまった。」


アドラが脚に強化魔法をかけ、リュリがいた方向に向けて前傾姿勢になる。


「マー坊、アリスちゃん‥構えてくれ」


ここまでの上官の衝撃の告白にぽかーんとしていたアリスは杖を構えた。


「リサを頼むぞ」


二人は短く返事をした。



アドラは飛び出した。


黒い煙の中から突如猛スピードで飛び出した男にリュリはあわてて棒をならした。


少し遅れて人形兵がアドラの前に立ちふさがろうとする。その時点で何体もの人形を抜け、ついに立ちふさがった人形5体を刀の横を、切るのではなく、押すようにあて、


「ふんんんぬう」


一気にふきとばした。

アドラの前の道が開ける、また飛ぶように前に走るとすぐさま違う人形兵が立ちふさがった。


「ほら!早く殺せ!」

リュリは慌てて棒で地面を連打する。


目の前の敵を切り伏せるも、囲まれてしまう、横から来た人形のとがった氷をまとわせた腕がアドラの腹に突き刺さる。

が、気にせず一体ずつ切った。


まだリュリまでは距離がある、アドラは切っては横から攻撃を受け。また走るも敵に前をふさがれる。体中に無数の傷を受け、血だらけになりつつもその目は前だけを見つめて進んだ。


近づいてくるアドラにリュリは焦り、魔法を撃つように棒をついて命令した。


氷のつぶてがアドラの腹につきささり、血があふれる。しかし、今度は抜くこともせず、前に飛んだ。ついにリュリとアドラの間には残り2体しか人形兵はいない


「ひいいい、そ、そうだ、俺はさっきから、お前の仲間たちも攻撃してる。お前が抜けて大丈夫なのか?死んでいるんじゃないか?」


アドラは決して揺らがずに前を見つめ、2体を切り裂いた。


「あわわわわっわっわ」

リュリは慌てふためき、指揮していた棒を投げた。それから背中を向けて走り出した。


アドラはまず棒のそばまで行き、それを折った。

周りの人形兵たちは動きを止める、仮説は正しかったようだ。


敵の指揮官を逃すものかと一歩進んだ時、ついにアドラは倒れた。




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