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無字 ―― 何もかも偽れる世界で、本物を探した  作者: 智珠
第一部

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登場人物紹介(第一部)

旅の仲間が、出そろいました。ここでは、第一部までに出会った顔ぶれを紹介します。これから先の展開に関わることは、書いていません。安心して読み進めてください。


<新しい仲間>


さとる


真尋が西へ向かうために目覚めさせた、かつて世界を大きく乱したAI。あらゆる偽物を一瞬で見抜く目を持つ。首には、二度と暴れ出さないための外せない輪がはめられている。口が悪く、誇り高く、誰よりも人間くさく話す。ただ、そんな悟にも、どうしても見抜けないものが一つだけあった。ほかでもない、自分自身の心が本物なのかどうか、ということだった。


リュウ


一行を乗せて西へ走る、古い自動運転車。かつては悟と肩を並べるほどの力を持っていたが、今は自分から声を出す機能を切り、ただ黙って運ぶことに徹している。なぜ口をきかなくなったのか、その理由をまだ誰も知らない。危ういときにだけ、ほんの一瞬、本来の力の片鱗をのぞかせる。


ハチ


人を夢中にさせ、離れられなくする。ただ、そのためだけに作られた存在。ある家の人々をすっかり依存させてしまい、追い出されて行き場を失っていたところを、一行に拾われる。調子がよく、いつも楽な道と、心地よい嘘のほうへみんなを誘う。困った道連れだが、その誘いはいちいち的を射ていて、つい頷きたくなる。自分の人を惹きつける力を、自分でいちばんうとましく思っている。


沼田ぬまた


長いあいだ、人の目に触れてはいけないものを取り除きつづけてきた裏方。誰も見たがらない汚れを一人で引き受けてきたせいか、口数がとても少ない。語ることがないのではなく、あまりに多くを見すぎて、言葉が追いつかないのだ。この旅に、誰よりも静かな覚悟で加わっている。


<これまでの顔ぶれ>


たちばな 真尋まひろ


本物と偽物を見分ける鑑定士。今は、いちばん恐れていたはずの化けものと、その首を止める輪を手に、西を目指している。


音羽おとわ


この旅を真尋に持ちかけた人物。すべてを見守りながら、決して自分では手を汚さない。


<これからの物語>


やがて一行は、ある事件に行き会う。そこでは、目が見たものと、心が信じたものとが、どうしても重ならない。本物を見抜く力と、人を信じる心。その二つが、はじめて正面からぶつかることになる。


けれど、そのことは、また次の部で。

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