第七話 レイドクエスト
ギギギィ.... 取っ手の木が異様な光沢を放つ扉を開ける
世紀末ヒャッハーさんが多いと思ってたが三割程度しかいない、あとは、普通みたいだ
受付に向かう通路を一歩一歩踏みしめる
他人の目線が痛い
「見ねえ顔だな」
「杖もってんぞ、お前魔術師募集してなかったか」
「Dランクだってーの」
がやがやとする声や音の中で一番うるさいのは心臓の音だ
「ようこそ!冒険者ギルドへ、ご用件は何でしょうか。」
「冒険者登録をしたくて、」
「かしこまりました。新規ご入会ということでこちらの書類に必要事項をご記入後、契約書のほうにサインをお願いします。しっかり注意事項の欄にも目をお通しください。」
命の保証はないってことね 了解了解 OKっと
「はい!お二人分承りました!」
「早速なんですがクエストってどうやって受けられます?」
「クエストでしたらあちらに.....」
「冒険者登録おめでとう!!!クエストで悩んでいるそこの君たち!歓迎の気持ちとしてレイドクエストを受注しようと思うのだが、どうだ!」
いかにも自信にあふれたおっさんが大声で叫ぶ
おいおい嘘だろ
ツインテールじゃねえか、
顎から下はいかにも戦士って感じなのに頭ツインテ?!
立派な髭で貫禄のある雰囲気にツインテ?!
「他にも初心者はおる!ノウハウを教えてあげるぞ!ワハハ!」
「出たよいつもの、」
「どうせ新人いびりだろ。」
「おい!w困ってんだろジョーさんww」
「おぬしらは誘い断っただろーが!黙っておれ!」
あんま参加している人は多くないっぽいがどうしよ
「ねぇコウ参加してみない?私たちまだ何にも知らないし。」
「おぉ!そうかそうか!やる気があって大変よろしい!」
えぇ今の相談なんですけど、、聞こえてたの??
どんだけ地獄耳なんだよこのツインテ
「えぇ、あのぅ。」
「では、後ほどギルド前で待っておるぞ!ワハハ。」
そういうとツインテをなびかせ颯爽と出ていき街に消えていった
すごい豪快な男だなぁ、性格はうちのじいちゃんみたいだからこういうタイプの人には慣れてるけどさ。まじで髪型よ。深入りするつもりはないけど気になりすぎる。なんなんまじで。
まあ初心者にとってはありがたい人ではある。レイドクエストか。
とりあえず一か月生きられるだけ稼がなくては。
装備を整え、いざ初クエストじゃ
おぉ結構人がいる
「来たか!」
「二人来たのであと一人ですか。」
ツインテの仲間か、よかったこっちは髪型が普通だ。
「あと一人だ!」
まだ時間がありそうなので集まった人を確認、確認
ツインテはハンマー使いなのか。
んと?だいたい、、七人程度、、やっぱ髪色派手だなぁ、赤、青、黄色に紺とオレンジ
黒髪が浮くなんてことがあったんだ
みんな初心者のようだ、と思ったが一人顔つきが違うな。初心者の付き添いだろうか。それにしてもあんな大きな剣振り回せるのすげえな。筋力もあるのだろうが強化術の存在がデカい。
俺も自然とマッチョになって、、あわよくばモテたいよ。
目線を変えると楽園が広がっていた。
露出 えぐい 装備 女 ビキニアーマー 巨乳
役満だろう。いかんいかん長く見てるとバレてしまう。だが俺はもう冒険者。冒険を止めることはできない。そこに山があるから登るのだ。そう。絶景を見るために。
やはり何かを得れば何かを失うとはこのこと。
サミはそんな俺を見ていた。
ねぇ、そんな真顔で見ないで。
「よし!では全員集まった!出発するぞ!」
「もしもしジョーさん。説明を。」
「あーそうだったな!これからワシの両親の墓参りに行くぞ。依頼内容としては墓地に大量発生した植物系モンスターの討伐だ。ついでにワシが入る予定の墓を掃除してくれ!」
「あのぉそのモンスターって強いんですか?」
「雑魚!数が多いだけ!デカいのはワシらがやるから存分に戦い方を学ぶといい!」
ーーーーーーーーーー
ボゥ!!
ザシュ!!
スパッ!!
ドカッ!!
「ようし!そうだ!深追いせずに一手一手着実にだ!」
「そこ!攻撃位置を重ねない!味方とぶつかるぞ!周りをよく見ろ!」
「ただのネズミに驚きすぎだ!だが戦闘中に反応できてるのは筋がいいぞ!」
こう見ると訓練みたいだな
「どうしました。戦うのがやはり怖いですか?」
振り返るとツインテの仲間のメガネが立っていた
「いえ、指示がものすごい的確だなと思って、こんなご指導を無償で行ってるんですか。」
「そうですよ。あの人の90%の善意です。王国のギルドは貴族たちに舐められて報酬も少ないですし、結界で強い魔物もいないんです。強い冒険者はもっと魔国領に近付いていきますね。」
「90%?」
「それは、将来成功した人から礼として酒をもらおうとしてるだけですよ。Cランクなんだからもっと稼げるところに行けばいいのに、本当にお人好しですよあの人はね。」
あのツインテええやつですやん
メガネさんと話している時に見たおっさんの顔は雲ひとつない笑顔だった
「おっとお話ししている間に片付いてしまったようですよ。にしても早いな、、、」
「あぁ、あの剣士がカッコつけて沢山やってしまったんですね。」
目をやると例の中級者がビキニアーマーを口説いていた
おめぇ付き添い別のやつだっただろうがコラ
サミが植物モンスターから剥ぎ取ったであろう花を持って俺らのところに近づいてくる
なんだか不安そう
「メガネの方、ちょっといいですか。気のせいかもしれないんですがパーティーの人、一人増えてないですか。」
「ほらあの人です。」
指をさしたところにいたのはローブをきたピンク髪の女、確かにピンクはいなかったはず。記憶にない。
「あの人、今まで何をしていましたか。」
「普通に混じって魔物倒してました。」
「、、、嫌な予感がしますね。盗賊か、カルト教団員か、、とりあえずジョーさんに報告をしにいきますのでくれぐれも目を合わせないでください。勘づかれたら終わりです。」
終わりましたー?とメガネさんが言いながらツインテに近づいったのはよかった
が、慣れた時が一番危ないとはよく言ったものだ
中級者と思われる剣士が剣を抜いた
「ところでおまえ、誰だ。」
本人は女の子の前でカッコつけられて満足だっただろう。そして、このシチュエーションを作れて悦に浸っているだろう。
他の初心者でも気づいた
空気が凍ったことに
メガネさんと俺らはすぐ身構えた
一手遅れてツインテが臨戦体制になった
が
遅かった
そこからは地獄絵図と言っては生ぬるかった
ピンク髪のローブの中からは大量のネズミみたいな魔物が解き放たれたと同時に、墓地全体に結界がはられてしまった
他の初心者はなすすべもなく魔物にやられ死んでしまった
死んだふりをしたものは足から食われた
痛みで叫び、失禁しようとも無駄だった
死んだものは四肢を外されネズミが群がった
剣士は背を向けてネズミから逃げた
絶叫が結界内に反響する
牙で骨を砕く音
走る足音にまとわりつく水っぽい音
情報を頭で処理するには無理だった
残ったのはおっさんたちと俺らと剣士、おっさんたちはピンク髪と交戦、ネズミは死体を食ってる
ネズミ、ねずみをなんとかしなきゃ
このままだと死ぬ、このままだと死ぬ、このままだと
なんかないか、何か
「麻痺毒….」
そうだ麻痺毒だ、スキルを使えば再現できるかもしれない
ネズミなら代謝が早い
麻痺毒の周りも早いはず
一か八かやるしかない
だが詠唱がない
どうする
イメージだ
イメージで作れ
詠唱は補助輪みたいなもんだろ
そうだろ!
興奮すると冷静になるのは頭だけだ
鼓動の振動と指先に入る力で手が震える
そして体の表面だけが熱い
深く息を吐く、そして目を瞑ってカタチを描く
でも防御を捨てて目を瞑ったのは冷静じゃなかった
ネズミがゆっくりとこちらに来ている
だが、俺は気づかない
膝に噛みつかれた
が、すかさずサミがナイフで刺す
「ネズミ、集めれる?」




