表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界服屋ユルクドレスアップ〜スキル【服装図鑑】で服のお悩み解決します 〜   作者: 鏡野スガタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/34

冒険者パーティーの服装と装備

「お客さんのお見送り、ありがとうございました」


 戻ってきた若者達に丁寧な声かけとスマイル。


「店主さん、あのお客さんですけど!」


 一番、明るそうな若者が話しかけてきた。


「気ままな冒険に出ると聞いたんですけど」


 一緒について行く勢いで色々聞いてたなぁ。


「本当ですか? もしかして……実は、魔王を倒しに行ったりするんじゃないですかね!?」

「魔王!? 」


 さっきのお客さんというよりは……

 この若者こそ、いかにも魔王を倒しに行きそうだな。

 自分が行くつもりだから、冒険者は全員そう見えるのかも。


「違いますよ。あのお客さんは鑑定士で、本当に気ままな冒険に出るそうです」

「そうですか。鑑定士、勇者じゃなかったか」


 納得したような、してないような表情だ。


「気にしないでください。コイツは、二言目には魔王と勇者って言うんです」


 クールそうな若者が解説してくれた。


「私達は、まだ魔王を倒しに行かないし勇者パーティーでもないの、ギルドのクエストをこなしながら冒険するんでしょ」


 しっかり者そうな若者が突っ込むように解説してくれた。


「そうそう、わかってるって」


 若者は仲間に挟まれて苦笑いだ。

 態度は落ち着いたようだが、しかし――引っかかる言い方だな。

 この三人組で、


()()魔王を倒しに行かない、ですか……」

「はい。いつかは行くつもりです!」


 真ん中の若者が宣言とともに笑顔をみせた。

 まっすぐな瞳は輝いていて、なんとも前向きな威勢の良い態度だ。これが未来の勇者か――


「今は、そのためにギルドのクエストをこなしてレベルを上げていくつもりですけど」


 若者は懸念があるように眉を寄せて腕を組んだ。


「その間に、他の勇者に先を越されて魔王を倒されないか気になっていて……このまま魔王城に向かったほうがいいのかとか考えてるんです」


 なるほどと相槌をうっておこう。


「はぁ、まだそんなこと考えてる」


 仲間は、ため息交じりに脱力している。

 私も、重々しく首を振り反対しよう。


「はやる気持ちはわかりますが、いきなり魔王を倒しに行くなんてオススメしませんよ」


 服装を見たところ――

 たった今、家を出てギルドに行って服屋に来たって感じの、町の住人の姿だ。

 こんな若者が魔王城に向かうなんて無謀すぎる!

 だが、こんな若者は後を絶たない……

 服屋として関わったからには引き止めたいものだ。


「危険過ぎますよ」

「うーん、でも」


 この若者は反対されると行ってしまうタイプか?

 顎を指で撫でながら悩んでいる。

 仕方ない……

 ()()を見せて思い止まらせよう。


「若さゆえの勢いだけで、私も、お客さんくらいの頃にそうして……魔王にこの傷を負わされました」


 袖をめくり、黒い傷跡を見せよう。


「この傷は!?」


 三人揃って傷に釘付けになった。

 息をのんだ静寂――


「凄えぇ!」


 若者は興奮して声を上げた。

 傷を見る目がキラキラしてる――!


「魔王に受けた傷!? かっこいい!」


 しまった、こういうのに憧れるタイプだったか。


「落ち着けよ、確かに、この黒い傷跡はかっこいいけど」


 クールな仲間が傷跡と若者を交互に見ながら言った。


「羨ましそうにするのは違うだろ」

「そうよ、こんな傷をつけられるなんて嫌! 怖い!」


 もう一人の仲間が怯えたように叫んだ。

 うんうん、この反応こそ正解だぞ。


「わかってるよ。羨ましがったりしてないって、大丈夫だって」


 仲間に睨まれた若者は取り繕うように笑った。


「それにしても、店主さんにそんな傷があるなんて。さっきのお客さんもだけど、この辺りの町には只者じゃない人が大勢いるって噂を聞いたんですけど、本当だったんですね!」


 えぇ、そんな噂があるんだ。


「どこでそんな噂を」

「俺達の村です。こことか大きな町の噂を色々聞いてて」


 ワクワクしながら来たって感じだなぁ。

 不確かな噂を信じて……しっかり訂正しておこう。


「確かに、町には魔王を倒せそうな人が沢山居ますけど」


 そんな只者じゃない人達に加えてもらえるのは嬉しいけど、


「私は普通の人間でただの服屋で、この傷も無謀な勢いでついただけの傷ですよ」


 照れ隠しのスマイル。


「どうして、普通の人間の店主さんが無謀にも魔王に会いに行ったんですか?」


 三人の興味津々な瞳と当然の疑問に答えよう。


「魔王がどんな服を着ているか見たくてですね」

「へぇ、服を見るためだけに」

「さすが、服屋さんらしい理由ね」

「魔王は、どんな服だったんですか!?」


 魔王を倒すかもしれない若者達に、お教えしよう。


「伝説といわれる鎧、ドラゴンアーマーを身に着けていましたよ。まるでドラゴンを纏っているかのようで一目で強いとわかり、マントに鎧下まで漆黒の装いで固めて、完全無欠で隙のない禍々しい姿でした」


 重々しい口ぶりと表情。

 若者達はゴクリと息をのんだ――


「あの完全な鎧を纏った魔王を倒す勇者も、それなりの服装と装備が必要ですよ」


 未来の勇者パーティーになりそうな若者達に知恵を授ける。


「そうですよね!」


 真ん中の若者が我が意を得たりというように応えた。


「魔王と対峙できる服装になろうと思って服屋に来たんです!」

「その前に、ギルドのクエストをこなすための服装になろうって話になっただろ」

「そうよ!」


 冷静な仲間達に訂正された。


「そうそう、わかってるって!」


 本当にわかってるか心配だが。

 服をお求めのお客さん達には違いない。

 まずは今一度、現在の姿を服装観察をしてみよう――



 若者達の服装

挿絵(By みてみん)

 まだ10代の若さだけでここまで来たって感じだ。

 どこの町やギルドにも、よく居る三人組だな。

 では、左の若者から服装観察。

 魔法使いの定番のケープ付きローブ。黒いブーツ。

 ローブには金のパイピングがされているだけで魔法付与された模様などはないシンプルなものだ。

 次は真ん中の若者。

 チュニック、ズボン、折り返しブーツ。

 装備はソードベルト。剣の鞘がベルトに付いている。

 普段着に剣だけ装備しているという格好だ。

 次は右の若者。

 パフスリーブのブラウス、コルセットベスト、スカート、アンクルブーツ。

 装備は丸い魔石のついた杖。ロッド、ワンド、スタッフともいう。

 いかにも町娘な格好で持っていると少し異質な感じだな。


 説明を省いた簡単な名前は魔法使いと町の若者の格好だ。

 勇者を目指す若者と魔法使い達か。

 それにしても、あまりにも無防備な服装。

 まだ幼さも残る姿だけに魔王の元へ向かうなど、やめておきなさいという気持ちにもなってしまう。


「店主さん、俺達の服も選ぶの手伝ってもらえませんか!?」


 真ん中の若者が希望してきた。

 仲間もそうしてほしそうな目を向けてくる。


「かしこまりました」


 サービス精神に満ちた返事とスマイル。


 よし、このままでは全滅しそうなパーティーの姿。

 我が店ユルク◊ドレスアップの服で魔王にも立ち向かえる!? パーティーの姿に変えなければ!



補足です。


30話目にしてやっと出てきたファンタジー定番の三人組です。

もっと早く登場するべきキャラ達でしたね。


この三人組くらいの見た目のキャラは少年、少女、娘、青年どれで表記すべきか悩みます。日本だと20歳までは少年とか18歳までとか15歳までとか色々で人それぞれのようです。

こちらではファンタジーっぽくまとめて若者としました。若者が〜とか老練なことを言ってる店主のユルクもまだ若者に入れそうな年齢ではあるんですが。


魔王の服装については「ドレス選びの悩みとドラゴンと (法衣と魔王の鎧)」をご覧ください。


杖の名前について調べたのですが、はっきりわかりませんでした。私が受けたそれぞれの印象を書いておきます。

ロッド→響きがファンタジーチックで装飾的で色々なキャラが持っている。

ワンド→あまり馴染みはないが響きが厳かで神秘的で主に魔術師や魔法使いが持っている。

スタッフ→人員のスタッフが浮かぶので小説向きではない。

ロッドとワンドが見た目が似ていて混同されがち、スタッフは大きめの長い杖のようです。後は、名前の響きやイメージで選ばれてキャラによってどれを持つか変わるという感じですかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ