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野獣街道 5

                                   ・




 此方へ奔って来る狼達のペースが上がったように見える。

道標(マウンド)から手を振る私の姿が目に入ったから、という訳でもあるまいが

それより他に思い浮かぶ理由も無かった。


( 何故此処まで付いて来た? )

しかも三匹揃って。

訳が分からない。

リベンジマッチの為ではないだろう事は分る。

だが餌付けしてやった訳でもない。

命を奪わずに見逃してやっただけで懐かれるようなことはしていないのだが。

・・・まさかその事に恩義を感じているとでもいうのか。


 近付いて来る狼達を待ちながら私はそんな事を考えていた。




[ [ [ わぅわぅ ] ] ]

私の立つマウンドまで辿り着いた狼達が三匹並んで "お座り" の姿勢を取った。

襲い掛かって来る気配など全く無い。

まるで指示を待つ犬のようだ。



「…よく此処まで付いて来れたな」

思わずマウンドを降りて狼達の頭を撫でてしまう私。

衝動に抗えなかった。

『やっと追い付けた!』

とでも言いたげに尾を振る三匹の表情に魂を溶かされない者がいるだろうか。


 狼達の体毛はレトリバーのそれと比べればやはり硬かった。

だが他の生命と触れ合う歓びを再び得られるとはなんという僥倖か。



[ [ [ ヤットオイツイタ~ ] ] ]


( ! )


 実家で暮らしていた頃以来久々の感触を堪能していた私だったが

一瞬我が耳を疑った。

狼達が喋ったように聞こえたのだ。

いや、 ()()()()()()




( こ これは一体 ? ? )







                                   ・

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