野獣街道 4
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あと少しで疾駆が尽きようとするタイミングで道端にマウンドを見付けた。
( 帝国領内の街道に比べると領外の街道のマウンド間距離は倍近くあるようだ )
残されたログオン時間では次のマウンドまで辿り着けない。
今回は此処でログオフすることとして私は脚を止めた。
( この辺りに狼は居ないようだな )
マウンドに近寄る前に周囲を確認する私。
前回のインターバルでは三匹の狼の襲撃を受けた。
幸いにこれといった被害も無く撃退することが出来たが油断は禁物だ。
敵対的な存在は狼だけとは限らないし。
「…ん?」
行く手前方には特に獣の類の存在は認められなかったが、
背後後方に僅かな気配を感じた私は辿り来た街道を振り返り見た。
「 ぁ?」
遠くの稜線を越えて三匹の獣が此方に向けて並んで走って来ている。
あれは狼だ。
とは言っても前回襲って来た狼達のような殺気だった迫力は欠落している。
何とか此処まで辿り着こうと励まし合って頑張っている、という印象だ。
襲撃時の突進速度と比べると半分以下のスピードに過ぎない。
( …先程の三匹か? )
私はマウンドでのログオフを控えて狼達を待ち受ける事にした。
一度は返り討ちに遭った獲物を再び襲おうと追撃して来たようには見えない。
( そうだとしても再び撃退することは難しいことではないが )
十全な状態なら狼達の疾走スピードはスキルを用いた私に匹敵するだろう。
追跡は容易だった筈だ。
だがダメージを負う体で私を追って来るのは相当の苦行だったに違いない。
それも三匹揃って。
( ・・だとしたら迎えてあげなければ )
このまま私が此処でログオフしてしまえば狼達の苦行は徒労に終わる。
それは忍びない。
追い付いて来た彼等を一撫でして労ってやっても罰は当たるまい。
私はマウンドの基台に上り立つと駆け寄って来る狼達に手を振った。
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