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野獣街道 3

                                   ・



( もう襲って来る事は無さそうだな )

そう判断した私は再び街道を歩き始めた。

地に伏せた三匹の間を通り抜けて東へと向かう。

狼達は襲って来なかった。


「よ~しよし。 聞き分けが良くて結構な事だ」

振り返って狼達を褒めてやったのだが。

なんと三匹共に揃ってのっそりと立ち上がって来たではないか。


( ? )

ほんの一瞬警戒感を抱いた私だが敵意は全く感じられない。

三匹揃って私を見上げて尻尾を振っている。

これでは狼というよりもまるでシベリアンハスキーのようだ。

友人の家で触れたことがあるが非常に人懐こい犬だったのを記憶している。

恭順の意を示しているのだろうか。

敵獣を戦闘で圧倒すると大人しくなる、という設定はあるかもしれない。

( 現状は寧ろ懐いて来ているように感じられるが )


 犬は嫌いではない。

私の家にもゴールデンレトリバーが二匹いた。

夜と週末は私が散歩させていたので馴染みがある。 というか大好きだ。

健常だった日々を思い出してほっこりした気持ちになる私。



「急いでいるんだ。 もう行かないと」

クールタイムは終わっている。

狼達に声を掛けて私は再び "疾駆" で走り出した。

気のせいかも知れないが一時でも獣達と平穏な時を過ごせたのは良かった。

何時の日かVR環境でもペットを飼えるようになるかもしれない。


 東に向けて全速で街道を駆けながら私はそんなことを考えていた。






                                   ・

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