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野獣街道 2

                                   ・



 闘いは私の本分だ。

まずは正面から飛び掛かって来た先頭の狼の左目尻を右フックで打ち抜いた。

私の喉に嚙み付こうとしていたその狼は数メートル左方の地面に吹っ飛んだ。

右方から向かって来た狼には鼻先に突き刺すようなトゥーキック。

私の脛を狙って頭の位置が低かったのでフリーキックのような感じになった。

モロにカウンターを喰らう形になった二匹目は後方に転がって行った。

間髪を置かず三匹目が襲って来る。 やはり脛に噛み付こうとしているようだ。

私は二匹目を蹴り上げた右脚を三匹目の額に振り下ろした。

所謂 "踵落とし" である。


 グシャッ

拉げるような手応えと共に三匹目が地に這い蹲った。



「・・まだ掛かって来るか?」

二息程入れてから私は狼達に声を掛けてみた。

三匹の狼は何れもぐったりと横になったまま立ち上がって来ない。

まだ死んではいないようだがとても戦闘が可能な状態には見えない。

以前闘ったゴブリン達と比べると耐久性はかなり劣るようだ。

いや、

私の攻撃力が上がっているのもあるかもしれない。

最初にゴブリンと闘った時のレベルは1だったのだから。

今の私はLv7まで上がっており "対獣格闘" のスキルも得ている。

どうやら狼程度が相手なら剣などの武器を用いずとも制圧できそうだ。


「大人しくしていろ。命までは取らないでいてやるから」

私は再び狼達に声を掛けた。

三匹とも伏せの姿勢でじっと私の方を見上げている。

当初はビリビリと発散されていた敵意が全く感じられない。 

まるで訓練された犬のようだ。

そのような状態の三匹に止めを刺して回るなど私には出来なかったのだ。


「「「・・・」」」


 気のせいだろうか。 

その時私には狼達が無言で頷いたように感じられた。








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