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野獣街道

                                   ・



私は走っている

目的地へ向け街道を辿り

荒れた路面を

報われるその日まで

私は走っている

駿馬の如く 地平を目指し

夢の為に 自由の為に


神よ照覧あれ 我が疾走を

聞き給え 失った物を再び得た者達の声を





 またスキル(疾走)タイムアウトし(.  切れ  .)た。

帝国の国境要塞を出てからずっと走り詰めだ。 

スキル切れのクールタイムを休憩代わりにずっと"疾駆"を使い続けている。

今回のFQでの残り時間は十数分程だが一つでも先のマウンドに辿り着きたい。

明確な課題を得た私には一分たりとも無為を貪る暇は無かった。


 帝国領内の街道は風光明媚で治安も良く観光にも適していたが、

帝国東国境を外れたこの地域は住む人々も無い純然たる野生の荒野だ。

馬や馬車でなら兎も角 徒歩で行く者は日中でも襲われる危険があると言う。

特定の国家や領主の管理下に置かれていないのだ。

私が疾駆を連用して来た理由はそれもあった訳だが、やはり"その時" は来た。


 狼だろうか。

いや、狼で間違いない。

クールタイム中であった私に向かって三匹の獣が駆け寄って来ていた。


 クールタイムはまだ十秒以上ある。

"疾駆" を使う前に狼達の襲撃を受けることになってしまう。

そして目で見た印象では狼達のスピードは今の私の疾駆と遜色無いようだ。

逃れる事は難しい。

戦闘は避けられない。



( 仕方ないな )


 私は脚を止めると両拳を握り締めて立ちファイティングポーズをとった。








                                   ・

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