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狼 対 狼



「ホントだ」

僕獣達が睨む方向に目をやると、これから向かおうとしていた東の方角から別の狼達が向かって来ているのが見えた。

数は三匹。

前回と同じだ。 一人で対処できる。

一度経験済みである私には殆ど緊張は無かった。


「皆、危ないから収納に入っててくれるか?」

立ち上がった私は足元の狼達に声を掛けた。


[ ダイジョブ ]

[ タタカウヨ ]

[ ボクタチガ ]


 口々にそう言うと私の狼達は揃って私の前に出た。

主を守って戦おうと云うのか。 


「・・危なくなったら収納に還るんだぞ。 それじゃ、頑張れ!」

思いがけない感動に戸惑いながらも彼等を鼓舞する私。


[ [ [  マッテテ! ] ] ]

私の三匹は襲い来る狼達を迎え撃とうと一斉に駆け出して行った。

凄いスピードだ。

最初に襲撃して来た時よりも明らかに速くなっている。



「・・・おぉ」


 思わず声が漏れる。

的確な目標分担の元、同格とは思えぬ速度で其々の獲物に襲い掛かる私の狼達。

3 on 3 の闘いはあっけない程短い時間で終わった。

殆ど勝負になっていなかったと言って良いだろう。

新手の狼達は全て屍となって地に横たわっている。


「・・・・」


 戦闘に於いて決定的に重要なのは"速度" なのだと痛感させられる。

KFでの対人戦で嫌と云う程この身に刻み込んで来た認識は正しかった。


[ [ [  オワッタヨ! ] ] ]


 無言で立ち尽くす私に戻って来た狼達が報告する。

一匹として傷付いておらず息も乱れていない。 雑用を終えた、という風だ。



「ありがとう、お疲れさん」

労いの言葉を掛けて狼達の頭を撫でてやる。

「強いなお前達は。同じ狼なのにあんなに簡単に・・」

率直な感想が口から洩れる。


[ モウオオカミニハマケナイ ]

[ ボクタチハヤクナッタカラ ]

[ マスターマモルシゴトスル ]


 狼達が口々に応える。

彼等は私の単なる連れ合いではなく強力な護衛戦力となってくれるようだ。

非常に心強い。



「それは嬉しいな。頼りにさせて貰うよ」


( 彼等其々に名前を付けてあげないとな )

狼達と語り合ううちに私の脳裏にはそんな考えが浮かんで来ていた。 







                        


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