名付け
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「イチロー」 [ わぅ ]
「ジロー」 [ わぅ ]
「サブロー」 [ わぅ ]
狼達が私の呼び掛けに応える。
私は彼等に名前を付けてやったのだ。
何時も『お前達』と呼んでばかりでは味気ないし、
名前が無いと個別に指示を出す事が出来ないからである。
命名法が安易に過ぎると思われるかもしれないが、敢えてそうした面もある。
「お前達が普通の狼達より強いのは分かった」
私は並んだ三匹に語りかけた。
「いいか、次に狼達と遭遇したら殺さないで仲間にしてやってくれないか」
僕獣化して人懐こくなった彼等に同じ種である狼を嚙み殺させるのは忍びない。
三体の躯から報償アイテムである毛皮を回収しながら私はそう思ったのだ。
彼等と同じ狼をこれから何十匹或いは何百匹と殺して行く事になるのか、と。
それでは私の道行きは殺伐としたものとなってしまうだろう。
徒手で倒せると分かった今は狼と闘うのが楽しい訳ではない。
数を倒して経験値を得る為に旅をしている訳でもない。
「仲間を増やして行くんだ、いいか?」
[ ワカタ ]
[ リョカイ ]
[ イイヨ! ]
狼達が頷くような仕草とともに返事をした。
別に僕獣が増えたところで餌代が嵩む訳でもない。
屍の山を築くより道連れが増えた方が賑やかで良いだろう。
( 取り敢えず十匹までは大丈夫だし )
此度の名付けにはまだ七匹分のストックがある。
狼達に名前を付けると彼等を単一のフォルダに収納できなくなるが
私の収納にはまだ余裕が十分ある。 というか殆ど空と言って良い。
( これは楽しみが一つ増えたのかもしれないな )
「よ~し、それじゃ皆、出発だ!」
[ [ [ わぅ! ] ] ]
狼達に一声描けると、私は再び走り出した。
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