284.ズボラなポイント管理と対策案
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NAME:ソーイチ
冒険者ランク D (16,010/20,000)
戦闘職ランク E(4,450/5,000)
生産職ランク D(17,950/20,000)
(登録ギルド:司書・農業・木こり・付与)
所属クラン:ユーザータクティクス (20/20名)
クランランク D(13,200/20,000)
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「おいおい!戦闘職ランクが上がる目前じゃないか!?言えよ!」
「それに生産職ランクもCGPチケットを使えば、すぐにでも上がりそうですよ!」
「ホンマや……い、いつの間に貯まってたんやろ……」
「いつの間にって……昨日の段階で教えてくれてたらチケットとか優遇して、今頃はランクアップ出来てたぞ!それに……」
「ちょ、ちょっと、リーダー!伐採ツアーが終わったとはいえ、ここはフィールドですよ!魔物に気付かれたら面倒ですし、まずはホームに帰りましょうよ」
俺のギルドカードを見て驚くユサタクとマロン。その流れでお説教モードに入りそうになったのを、他のメンバーが慌てて止めに入る。
「そ、そうだな……それじゃあみんな、目的は果たしたし、伐採ツアーはこれにて終了!これよりホームに帰還する」
「「「「「はい」」」」」
ユサタクからの取り繕うかのような号令に従い、俺たちは第二ホームへと戻った。
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「それじゃあソーイチ、こっちへ来てくれ」
「は〜い……」
ホームへ帰還後、簡単なミーティングを済ませてモーニング伐採ツアーは幕を閉じたのだが、事情聴取が控えている俺の出番は終わってはいない。
怒られるんじゃないかとビクビクしながら、お茶とお菓子をテーブルに並べるユサタクの元へ向かった。
「さっきは強く言ってすまなかったな」
だが意外なことに、ユサタクからの第一声は謝罪の言葉だった。どうやら時間を置いた頃で頭が冷えたようだ。
「いや、こっちも管理が甘かったもん。こっちもごめんな」
「……正直、うちのポイントリーダーであるソーイチに細かいことを言うのは申し訳ないんだが、師弟枠の増加などランクアップの恩恵は大きいだろ?だから再発防止のためにもなぜ起きたのか聞いても良いか?」
「もちろんオーケーや。でも依頼の開始まで1時間切ってるし、全部話しきれんかもしれんよ」
「ああ、20分経ったら途中でも切り上げるよ」
「それを聞いて安心したわ」
遅刻の防止に加え、お説教の時間も短くなりそうでホッとしていると、いつの間にか空いてる席に座っていたアマネ・マロンの2人が話しかけてきた。
「もしもやりすぎ!って思ったら私たちは止めるんで、安心してください」
「そうそう。私たちはソーイチの味方ですよ」
「2人ともありがとう……でもクッキーとお茶で両手が塞がってなかったら、もっと感動的やったけどな」
「「あ、あはは……」」
こうして興味津々な野次馬女子2人に見守られながら、今回の件についての考えを話し始めた。
「まず、各ギルドのポイント状況の確認やクラン内への共有を怠ってたのはマジでごめん。依頼達成した後、今何ポイントあるかのチェックすらサボってたから完全に俺のミスや。
ただ、俺のジョブ構成じゃBGPを稼ぐの大変やから見た目よりも地味に遠いし、CGPも2,000以上は残ってるやん?せやからユサタクにカードを見せるまでは、ランクアップ間近って感覚じゃなかったんよ」
買い物の後にレシートをそのまま財布に突っ込むかのごとく、獲得ポイントの確認が雑になってしまった行動について、まずは頭を下げて謝罪。その上で、ランクアップまで間近というユサタクの発言に対しては言い訳を並べていく。
「言われてみれば生産系メインのプレイヤーとって、500BGPは少し遠いですね」
「生産職ランクの方もCGPチケットを使えばランクアップに手が届いたかもですけど、そもそもクラン内でポイント状況の共有を徹底してこなかった私たちにも落ち度があるんじゃないですか?」
「……確かに情報共有を徹底せず、上手くチケットを分配出来ていなかった俺のミスでもあるな。自分のことを棚に上げ、大声で問い詰めてすまなかった」
「いやいや、頭あげて!そもそもポイントを把握してたら問題なかったんやし、今回は完全に俺のせいやって!」
俺の怠惰さから始まったことなのに、責任を感じて頭を下げるユサタクを見て俺は慌てて止める。
「まあまあ、2人とも。これでも飲んで落ち着いてください」
「お互いに謝り合ってたらキリがないですよ」
「そ、そうだな。2人ともありがとう」
「ありがとう。これ飲んで一旦リセットするわ」
お互いが気落ちして硬直しそうな空気を解消すべく、おかわりのお茶を差し出すマロンとアマネ。その気配りのおかげで落ち着いた俺たちは、問題を客観視する余裕が生まれてきた。
「これまでは、なんとなくで回りすぎてたんですよね。ギルドカードの中身まで気にしなくても、各々が考える最適解でやってきたっていうか」
「確かにそうだな。各々の裁量に任せすぎて、管理役としての職務を放置してたかもしれん」
「悪くないのにまたネガティブな自省してる!普段の活動にプラスして20人分のポイント管理とか、頭パンクするし普通に無理やろ」
「確かにそうかもな……ソーイチ、ありがとう。反省はこれくらいにするよ」
一瞬バツが悪くなり頭を掻いたユサタクだったが、俺のフォローもあり、リーダーとしての精悍な顔つきに戻った。
「コホン。今回『ポイント管理や情報共有の不備』という問題が浮き彫りになった訳だが、これを踏まえて、なるべく簡単に対策できる仕組みを作ろうか」
「それなら、ログアウトする直前にステータスやギルドカードのスクショを撮影して、共有フォルダに投げ入れるのを徹底するのはどうですか?既に行なっているメンバーもいますし、それに倣って習慣化するのが一番簡単ですよ」
「確かに定期的に行うログアウトに、データ保存や共有の作業を紐づけるのはアリやな」
「あっ、それなら集まったデータの管理をプレイヤー以外のスタッフに任せれば負担も減りそうじゃないですか?」
「ふむ……」
次々と飛び出る案に対して、ユサタクは腕を組み一瞬目を瞑る。その後、自らの考えを反芻するようにゆっくりと話し始めた。
「スタッフも巻き込んでの管理か……彼らにも事情の説明が必要だし、管理を任せるかどうかは一旦保留にしよう。ただスクショに関しては今晩からやろうか」
「スクショ撮って共有フォルダに突っ込むだけやし、やって損ないもんな」
「ですね!」
全ての案が採用された訳ではないが、肝心のデータ共有はこれで問題ないだろう。
「それじゃあ他のメンバーにはクランコールで共有しておくから、みんなも今晩から忘れないように実行するように」
こうして俺のポイント管理のズボラさから始まった案件は、ログアウト前に各種のギルドポイントやステータスを共有という新しいシステムを生み出したのであった。
サラッとカード提示だけのはずが、なぜか仕組みの話に……。それでも次回から特別クランクエストの開始です!
次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。
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