282.【言語マスター(大陸語)】と次の目標
セキライとの会話の中で生まれた『住民のコンディション概念』と『アルバイトの固定化&ケアで友好度アップ作戦』。この2つをクランコールに投下。
『なるほど、面白そうですね!この前生産職ランクが上がったことで雇える人数が増えましたし、明日から友好度アップ作戦を試してみます!』
その数秒後にアマネからの即答によって、明日から実験を始めると決定した。俺は彼女のレスポンスの早さに苦笑しながらコールを閉じた。
「ふぅ。アマネも乗り気みたいやし、あとは任せよか」
「はい。一体どんな結果が出るか楽しみっす!」
「そうやな。まあ、時間かかると思うし続報に期待しよ。果報は寝て待てっていうしな」
「そうっすね。……あっ、そろそろギルドがオープンするんでこれで失礼するっす!」
「おう、いってら〜……よし、俺もささっと要約新聞書き上げんとな」
こうしてセキライと別れた俺は、新聞と筆記用具をテーブルに広げて作業を開始した。
・
・
・
ースキル【大陸語】のレベルが上限に達しましたー
ー称号【言語マスター(大陸語)】を取得しました。報酬としてINTが5ポイント上昇します。また、この称号はプレイヤーでは初めての獲得になりますが、称号名は公表しますか?ー
今日の新聞を読み終わり、その要約を書き上げたタイミングで、この日最初のワールドアナウンスが世界に鳴り響く。
「おお、朝っぱらから幸先ええやん!公表はもちろん無しとして、どんな効果やろ?」
《ソーイチ様がプレイヤーで初めて称号【◯◯◯◯◯◯◯◯◯】を獲得いたしました》
いつも通り【公表しない】を選択し、ワールドアナウンスが流れるのを確認した俺は早速ステータスを開き効果を確認した。
====================
言語マスター(大陸語)
【大陸語】を含んだ司書系の行動で獲得できる経験値アップ(小)
====================
「あれ?今回はスキルレベル上がるやつじゃないんや?」
てっきりいつも通りの仕様だと思っていた俺は、目の前に浮かぶ半透明のウィンドウを指でつついてみる。だが、当然ながら文字が変わる気配はない。
「おっ、その口ぶりだと今のアナウンスはスキル上限のやつか」
「うお!?急に話しかけんといてや!」
首を傾げ独り言を呟いていた俺に、ユサタクが背後から興味深そうに話しかけてきた。
「すまんな。それより、今回スキルレベル上限に達したのは【大陸語】か?」
「ええ!?大当たりやけど、なんでわかったんや?」
俺が驚いて理由を尋ねると、ユサタクは視線で俺の手元を示し、肩をすくめて答える。
「テーブルの上に新聞やメモが散らかってるんだぞ?そんなシチュエーションでスキルレベルが上がる行動なんて言語系しかないだろ」
「おお〜鋭い!流石はウチのリーダー様やな。細かいとこまで目が届いとんで」
パチパチと大げさに拍手を送りながら、名探偵を気取る相棒をからかい混じりで褒め称える。
「それより、さっき『今回はスキルが上がるやつじゃない』って言ってただろ。新称号はどんな効果だったんだ?」
「今回ゲットしたんは【言語マスター(大陸語)】って名前なんやけど、効果が【大陸語】を使った司書系の行動の経験値アップ(小)でな。スキル系の称号って、普通やったらスキルレベル上がるのに、今回は経験値っておかしない?」
「う〜ん。言語系ってレベル上がっても読み書きがしやすくなるだけだろ?スキルレベルMAXの時点で免許皆伝だって運営が判断したんじゃないか?」
「言われてみれば、読みは元からできるし、書く方も……」
俺は頷きながら手元のメモに大陸語で短い文章を書き出してみる。すると、日本語と同じような気軽さで書き記せることに気付いた。
「おお!久しぶりに文章書いたけど、めっちゃ書きやすいな!思い浮かんだ文がそのまま文字になるというか……」
「ほほ〜う、レベルが上がるとそこまで違うのか」
「ああ。これなら住民に伝わる言語で本も出せるかもしれんな」
「ははは、MJOにて物部大先生の新作が出せるかもしれないのか。ファンたちが喜びそうだな!」
「おもろそうやし、近いうちに担当さんに許可もらおかな」
実際は出版契約などが絡んでくるので難しいのだが、この世界でこそ書くことができる小説を生み出すというのも面白いかもしれない。俺はなんとか担当を説得するぞ!と心のメモに書き込んだ。
「ところで言語系スキルで思い出したんだが、他の2つは手付かずか?」
「そもそも【古代語】や【エルフ語】が書いてある本と出会えてないからな。転送符とかにチロっと書かれてるくらいしか見た記憶ないわ」
「そうか……」
「あっ、でも今借りてる5冊の本を読み切ったら、新しい書庫への入室権もらえるんやった!そこなら【大陸語】以外の本もあるかもしれん」
「新しい書庫か……。今日は【開拓者】の依頼で本を読む暇なさそうだが、なるべく早く読み切って入室権をゲットするべきだな」
「わかってる。休憩中とかに小まめに読み進めとくわ」
こうして次なる言語のレベルを上げるためにも、なるべく早く手持ちの本を読破し、新しい書庫へ向かおうと決意したのだった。
次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。
ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!
今後とも本作をよろしくお願いします。




